こんにちは。今回はGigabit Millionさんの「おもいをつたえるプログラム」のレビューです。

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ジャンル:SF風ギャルゲー
プレイ時間:1プレイ3分/フルコンプまで20~30分
分岐:ゲームオーバーあり
ツール:ティラノスクリプト
リリース:2022/8


最近はやりのAIっぽいタイトルとノベルゲームには珍しい絵柄に目が留まってダウンロードしました。
いつものようにあらすじの紹介からまいりましょう。

主人公の高次宙(たかつぎ・そら)はRPG開発が趣味の高校生。なんとRPGに搭載するAIを開発し、そのAIがRPG世界を作り上げた神となったのです。しかし現実世界の宙は超絶コミュ障。女の子と目を合わせる事すらままならない始末。そんな宙を案じて神が現実世界へAIのピアを送ってくれました。ピアとともに思いを伝えられるよう特訓し、告白を成功させよう!



プロローグを読み終わったら”チュートリアル”へ行きましょう。ここでやや独特な本作のシステムをピアが可愛くノリ良く説明してくれます。
基本は一般的なノベルゲームやシミュレーションゲームと変わらない選択肢形式。各ステージごとに定められた目標を達成すればクリアです。しかし本作では選択肢は事前に選んでおかなくてはなりません。この後何が起こるのかを想像しながら適切な選択をして指示を与えましょう。その行動を起こす具体的なシチュエーションが分からないまま選ぶことになるので、初見だとナンセンスな行動を起こしてしまったりしますがそのあたりがギャグに転化されて面白いところだなと思います。


チュートリアルの目標は”じゃんけんに勝つ”こと。ピアと真剣1本勝負です。しかしその選択肢が

  • 「グー」
  • 「チョキ」
  • 「志村け〇」
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???????

こ、これは私に選べというのか? かの有名なバカ殿を???

というわけで真っ先に選びました。
……結果はもちろんミッション失敗。知ってたけどな! あとじゃんけんのお約束と志村けんに関係があることは知らなかった!


とこんな具合にネタをはさみながら思いを伝えるための特訓は続きます。

さて、スクリーンショットをみて気付いた方もいるかと思いますが、本作で登場する立ち絵はちょっと独特です。おそらく3Dモデルが作られていて、それを2Dのゲーム画面に落とし込んでいるんじゃないでしょうか。動いたりはしないのですがなかなか面白いなと思いました。
この方式のいいところは、ピアに様々なポーズをさせることができるということでしょう。先ほどのじゃんけんミッション失敗時なんか、
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こんなに腰を折って全身で残念な気持ちをアピールしてくれます。
他のステージでもビシッと様々なポーズを決めてくれるピア。そのキレの良さが楽しい。

あの「女教師・美喜」シリーズの影絵を連想するレベルです。本作には影絵だけじゃなくて色も顔もついてますから、そのパワーは強力です。
(「君の瞳はサンダーボルト殺人事件」シリーズはプレイしたことないのです。私が存在を知った時にはすでにDLできない状態でした。リンク先はなぜか2020年に記事が書かれたニコニコ大百科です。)



異世界での特訓を通して成長した宙。果たして憧れの千風瑠(ちふる)さんへの告白を成功させることはできるのか! それはあなたの選択にかかっています。
ちなみにこの最終ステージである学園ラブコメ編、ミッション成功のハッピーエンド以外にも、すごく切なく魅力的な展開を起こすルートが存在してます! むしろこのルートがタイトルにも沿っていて感心でした。私が先に到達したのもこちらのエンディングです。

ピア自身の思いはどうなのか。それはステージ間の小話でも匂わされます。最後にはエピローグでも効いてくるので、私の選択順は作者さんの想定通りなのかな~と思いました。


本作をプレイしていて気になったのはコンフィグ画面です。
本編中いつでもCONFIGボタンから飛べるのですが、なぜかこの画面がピントが合っていないようにぼやけて映る。最初疲れて私の目がおかしくなったのかと思って、1回寝て翌日にプレイしたのですがやっぱりコンフィグ画面だけピンボケのようになってます。なんでですかね?
(10/30追記:10/14付けの更新でこの現象は修正されました。選択肢の履歴も見やすくなるよう改善されてます)
その他についてはUI、システム含めて特に不満はありません。ステージ開始時に前フリから見るのか選択肢選ぶところから行くのか選べて親切ですね。特に学園ラブコメ編ではいくつかのゲームオーバーパターンとイラストがありますから、回収に役立ちます。皆さんもぜひコンプリートまでやってみてください。不良なんかより先生の方がよっぽど怖くなりますよ(笑)


というわけで「おもいをつたえるプログラム」のレビューでした。皆さんも全身で主人公の応援をするピアに癒されつつ、ナンセンスな展開に一緒にツッコミつつ、最後に待っているちょっとだけ感動的な展開を求めて冒険に出ましょう!