フリーゲームの森

フリーゲームのレビューブログです。 ノベルゲーム・アドベンチャーゲームを中心にお勧めの作品を紹介します。
初めての方は、ぜひごあいさつをご覧ください。評価の基準については、レビューについてに記してあります。
記事一覧ページを作りました。記事探しはこちらから。Twitterはこちら。リンク等はご自由にどうぞ。
YouTube始めました。フリーゲーム攻略動画などを投稿してます。

先日、ティラノゲームフェス10が閉幕となりました。毎年恒例のイベントになっていましたが、私が作品を出したのが初めてなのもあり新たな気持ちで参加することができました。ブログ開設以降ノベコレへのコメント投稿もしていなかったので、2021年のフェス以来となります。その間にレビューのスタイルとか思想が固まってきたのもあるので昔のコメントとはちょっと温度感が違うかもしれません。

プレイヤーとしては期間中にレビューコメントを50本執筆・投稿しました。ノベコレはコメントにはポジティブな内容を書くことを強く推奨していますので、ブログでのレビューよりさらに甘めの内容になっていると思います。明らかにバグっぽい所など以外はネガティブな内容は含んでいないはずです。
とはいえ私はプレイした作品全部を絶賛しているわけではなく、面白いと感じた作品をある程度選んだ中で全肯定レビューの執筆をしている感じです。実際プレイした作品数は100を超えています。面白かった作品を広めるためにレビューを書いているためほとんどの記事やコメントが好意的なものになってしまい、コイツクソゲーでも何でも褒めるなと思われてないか若干心配ですが、私が褒めている作品はちゃんと平均以上の良作と思っているので是非皆さんプレイしていただければと思います。
そういう意味もあって作品への拍手ボタンもコメントを投稿する作品にしかしていないのですが、フェスのページからは分類の中の作品プレイ済みが拍手ボタン押下済みかどうかで判定されているのはちょっと不満でした。来年以降外に見えないフラグを追加する機能とかできないかな。


コメントは大体600~800字以内くらいに収まるように意識していました。スマホから1画面で読める文字数がそれくらいだったからです。あまりノベコレ上で特定の作品を贔屓するのも微妙かなと思ったのもあるので極端なばらつきが出たり2~3行だけのコメントになったりしないようにしています。
あとはコメントのネタバレ部分を伏せる機能もありますが、あれはなるべく使わないようにしました。やはり未プレイの方に作品の魅力を伝えられる文章にしたいので。ノベコレのコメントって、ゲーム制作者のコメントはほとんどレビューというより作者へのファンレターになっていて、ネタバレ部分に作者さんへの個人的なメッセージを込めているものをよく見かけますが私が書きたいのはそういうものではないなと思っています(もちろんそういうコメントを貰ったら貰ったで作者としては嬉しいですけどね。また一部の制作者さんはレビュー寄りのコメントを投稿していらっしゃいますね)。あの機能を使うのは作内の小さな要素を拾ってきてコメント書くときや作品のテーマから私が考えた内容などに限られていると思います。

さて、ノベコレへのコメント投稿基準はブログの記事化の基準よりゆるいのですが、今の所コメント投稿だけになっている作品の中にもいくつか素晴らしい作品があってぜひ記事にしたいなと思っているものがあるので紹介しておきましょう。前回の記事にも書きましたがフェス期間中のうち半分くらいは入院生活でPC触れなかったのでね…。鍵カッコ内が作品名で丸カッコは作者名です。

「アイドルと○○しちゃダメですか?」(ミキマキ)
aidame

ラブコメ系短編乙女ゲーム。ずっとテンションが高くて、ちょっぴり変人な担当アイドル達とのハイスピードラブストーリーからの週刊誌にすっぱ抜かれて崩壊! 乙女ゲーム的ハッピーエンドに転んでもバッドエンドに転んでも楽しく読めます。フルボイスなので感情むき出しな担当達のボイスが色々聞けますよ。おまけも凝っていてボリューム感あります。

「Lived happily, ever after」(くーにゃん)
livedhappily

超シリアス系長編乙女ゲーム。恵まれない環境で育ったメーベルが心から信頼を寄せることができた彼は吸血鬼。世間との対立、非道な運命に2人で抗うたくましさ。童話の世界観ってたまに恐ろしいほどシビアなことがありますが、そんな世界の中で輝く2人の愛の結晶、そんなお話になっています。エンディングテーマはJOYSOUNDで配信されているから一緒に歌おう!

「探偵助手ガリウムのろじうら探検記」(揚げ鶏々)
gallium

元素擬人化ファンタジー。元素楽章というあらゆる元素を擬人化して多様なメディアに展開しているコンテンツの一つです。作者さんが化学系の出身の方という事で、作内に登場する元素たちの豆知識なんかもはさみつつ、事件にはしっかり科学的な元ネタやトリックがあります。ただ擬人化した元素たちがワイワイしているだけでなくちゃんと物語としてまとまっているので多くの方が楽しめると思います。

「クレーマー家業も楽じゃない!」(うみのはっぱ)
claimer

ナンセンスギャグ系短編ギャルゲー。クレーマー一家に育った主人公はほんとは店にクレームなんかつけたくないのに修行のために無理やり難癖付けに行きます。そこで出会うバイト店員2人が個性豊かなヒロインたち。私の好みはツンデレ後輩キャラのほうでした。あり得ないけど全く意味が分からないほどでもない狂い方。こちらもおまけ要素が豊富でむしろエンディングコンプからが本番? EDムービーも良いぞ!


退院してからプレイしたものですが、「国立天使研究センターの記録」(ヅッキーニ)もすごく良かったですね。これから壮大なSFが始まる気配がしました。長編続編出ないですかね…?
短すぎてこれ一本で記事にするのはきついですが、「他人の靴で踊る」(よなき)も個性的ですごい作品でした。ノベルゲームの新たな可能性を求める方にぜひ。


今回のフェスではゲーム作者側としても参加していて、あの拍手ボタンが押されるたびに作者側に通知があるのを初めて知りました。ありがたいことに自作へのコメントも多数いただけて、ノベルゲームコレクションという名前のサイトなのにほかのジャンルのゲームをプレイしてくれる人もたくさんいるんだなと思いました。レビュー活動を細々ともう5年も続けてきて、私のことをレビュワーとしてご存じの方がいらっしゃったり、他の作品に関するお話だったりイベントだったりで付き合いのある方もいらっしゃったりで、続けてきてよかったなと思います。反面やはりノベコレは身内の内輪感があるなあとも思いました。プレイ専の人ももっと気軽に来て欲しい。私が頑なにファンレターでなくレビューを書くのはそういった気持ちもあるかもしれません。

そんな自作「咲希ちゃんと○×ゲーム」のイラストを描いていただいた深嶺ユミアさんにアイコン用のイラストを描いていただいたのでこれからはこちらで行きたいと思います。よろしく!
冬瓜さんアイコン_transparent

一応今年もゲーム作るならという事で2つほど候補があって、デモ版がこんな感じです。 どっちが面白そう!とかこういう風にしてよ!とかあったら検討するのでリプなりDMなりコメントなりで教えてください。今はCPUの思考ルーチンの実装をしようかというところなので、前作難しすぎ!とかありましたら考慮します。

次回の記事は上のいずれかの作品のレビューになるかと思います。もうなんだかんだ4か月近くレビュー記事書いていない…
それでは。

こんにちは。3か月も更新が空いてしまいました。
その間なんですけど、タイトルにも書いたように急病で倒れて入院していました。診断はなんと脳梗塞です。今は何とか回復して自宅に戻っているので、入院していた間のこととか、そんな状況でもフリーゲームが頭の中から離れなかったとかそんな話をしていきたいと思います。以下の内容は若干のフェイクは含みますがおおよそ私の身に起こったことそのままです。みなさんぜひお体には気を付けてください。

現在は無事退院しまして、完全に回復したとは言わないものの問題なく日常生活を送れている状態になります。退院がちょうど桜の時期だったので見に行ったりもしました。
sakura

発症

1月上旬のある日に突然異変が起こりました。最初に気付いたのは若干の頭痛です。ちょっと痛いけどすごくつらいほどではなくて、このくらいならたびたびあるという程度だったのでそのまま少し休んでいました。しかし喉が渇いたと思って水を取りに行こうとすると、まっすぐ歩けなくなっていることに気付きます。歩いていてちょっとふらつくことなら誰でも経験したことがあると思いますがそのような感じではなく、普通に歩こうとすると必ず右側にふらついて転んでしまうという状態になっており、ここで身の危険を感じました。さすがに病院は行かなければまずいとは思っていたのですが救急車を呼ぶレベルなのか分からず、初めて救急相談ダイヤルへと電話します。結果救急搬送となります。この時点では、耳や三半規管がおかしくなったのかと思っていました。

病院についてからも少しずつ悪化し、嘔吐、発熱といった症状が出ます。意識に異常はなかったのでぎりぎり入院の書類にサインしてベッドで寝て過ごします。この時点で歩くことはおろか立つのも壁によりかからなければ不可能になっていました。
さらに物が飲み込めなくなっていることに気付きこれはかなり怖かったです。風邪やインフルエンザのような、のどが痛くて食べ物が食べられない、といったものとは異なり、まるで飲み込み方を忘れてしまったかのようにのどが動かない状態でした。この時は気持ち悪くて口の中にたまった唾液すら飲み込むことができず、吐瀉物と一緒に全て吐き出していました。

最初の3日ほどはほぼ寝たまま過ごし、食事はできないので栄養は点滴、排泄も自力では困難なので都度ナースコールで看護師さんを呼び、なんとか車いすでトイレまで運んでもらって用を足していました。

この時期を過ぎると支えありで座ったり、ゼリー状の食事をとることができるようになりましたが自力での移動は困難なため車いすでトイレまで運んでもらうのは相変わらず。吐き気は収まり日中は目を開けて過ごすことができるようになりましたが、この辺りで視覚にも異常が現れていることに気付きます。もともと近視ではあったのですが、普段とは違う感じで遠くが見えない。目を細めて見ようとしても気持ち悪くなってしまう。さらには物が2重に見える状態でした。片目で見ると正常に近かったので、視力の低下とかではなく両眼視ができなくなっているんだろうなと思っていました。めまいのような症状もあり振り返ったり首をひねったりすると乗り物酔いのような状態になってしまいます。ここまでくると、もう脳に異常があるのだろうと思っていましたが、この時点ではまだ原因は分かっていませんでした。

身体に現れる症状が多岐にわたっており自力ではほぼ何もできない状態でしたが幸い意識や認知機能への影響はなく、変に冷静でした。これ全然死ぬ可能性あるよなあとか、回復したとして目がまずきついなあ眼帯すれば何とか生活できるかなあとか、本当に死ぬとなったら家族に何と言おうかとか、このブログの存在を教えておこうかとか考えてました。「あなたの命の価値」のレビューとか、実質私の家族や両親に感謝を述べていたりしますからね。
幸いその必要はなくなり、恥ずかしいのでまだ家族や友人らに明かしたりはしていないです。

診断確定

1週間ほど経って受けた造影MRI検査で原因が明らかとなり、延髄梗塞と診断されました。延髄は大脳・小脳や間脳とともに脳を構成する部位で、要は脳梗塞の一種です。
内心そんな気はしていたのですがショックではありました。私は20代なのですが、この歳で患う病気ではないと思っていたのが正直なところです。

悪化する可能性もあるので定期的にMRIを撮って備える、再発を防ぐ投薬を行う、後遺症が残る可能性が高い、といった話を聞きます。特に後遺症が残る可能性が高いというのはショックな告知なわけですが、この時にはすでに薄々そう感じていたのかすごく気持ちが沈むようなことはありませんでした。
仮に今の状態で症状が固定化したら障害者手帳は貰えるのだろうかとか、何級になるんだろうかとか考えてました。

この頃にはやわらかい食事を自力で摂ることが可能になっていたり、歩行は相変わらず困難なものの車いすでの移動は自力で出来るようになっていたりといった点でも、確実に発症直後より良くなっているという実感が生まれていたのも大きかったかもしれません。視覚の異常も、手元でスマートフォンを見る程度なら少しずつできるようになってきました。長時間見るのはまだ無理で、動体視力も相当低下していたと思います。めまいの症状も継続しており、集中を続けると気持ち悪くなりやすかったです。

その後の入院生活とリハビリ

その後もしばらくは安静にした状態で入院していましたが、歩けない・目がおかしい・飲み込みがしづらい以外の症状はほぼ解消しました。入院生活も慣れてきた2週間後くらいからリハビリを行いました。専門職の理学療法士・作業療法士の方に見てもらいながら体を動かしたりします。フリゲレビュワーの大先輩であるNaGISAさんは理学療法士であることを表にしていらっしゃいますが、正直何をしているのかイメージがついていませんでした。今回とてもお世話になって感謝の気持ちでいっぱいです。

病変の場所が脳なので、一応という事で高次脳機能検査も受けました。注意機能検査というやつとか記憶力検査、知能検査というやつです。幸いこれはどこも影響なしとのことで安心しました。病院でちゃんとした知能検査を受ける人(保険適用で)ってあまり多くないと思っていて、知的障害でも発達障害でも認知症でもなくてこういう検査を受けることあるんだなと思いました。いわゆるIQテストみたいなものと同じような検査もあったのが少し意外な感じがしました(インチキIQテストみたいなアプリとかサイト、広告って結構あると思うのですが、あれが流行るのは社会に悪影響ありそうと思っている派です)。

さて、リハビリをする時期になって初めて発覚した症状があって、それは触覚の異常でした。左半身で痛みや熱さ、冷たさを感じなくなっていたのです。左手に物が触れていること自体やその場所、硬さなどについては正常な感覚が残っていたため自力で気付けず、作業療法士の方に指摘されて初めて気づきました。確かに右手で触ったらひんやりするものに左手で触っても何も感じません。この時の衝撃はこれまでの人生で受けた驚きの中でも指折りかもしれません。
思えば、数日前に点滴の針を左腕に刺し替えてもらったことがあり、その際血管が出にくくて腕を温めてもらったのですが、温かいと言って渡されたおしぼり冷めちゃってて全然温かくないな~と感じたことがありました。あれは本当に温かいものを渡されていたのにそれが分からなかったのだなと気付きました。
病院内で生活する分には危険はほぼ排除されているわけですが、それでも食事の際に左手で持ったお茶碗などの温かさが分からず、おかずは食べてみるまで温かいものか冷たいものかが分からなかったり、シャワーの温度が分からなかったりという状態で、結構影響範囲あるなと感じます。

リハビリではバランス練習だったり歩行訓練だったり、体幹トレーニングをしたりしていました。担当の理学療法士の方に筋肉の状態を触って確かめてもらったりもするのですが、左右で明らかに違いがあってびっくりしました。右利きなのに右側の筋力が段違いに落ちていたり、柔軟性も右の方に顕著に問題があったり。ストレッチのような感じで脚の筋肉を押してもらっていた時、右側だけすごく痛くて左右で同じ力を入れていると言われても信じられないくらいでした。だんだん歩けるようになってきても右足に先に疲れを感じたり、右だけ遠足の翌日みたいな感じになっていたりと不思議なものです。他にも眼球運動の練習や手指の細かい動作、手足で複数の動作を並行して行ったり、階段の昇降や家事動作、PC操作の練習なども行っています。
これらはリハビリを重ねるうちに次第に解消し、今ではほぼ問題ない状態になっています。

その他入院生活について

イメージ通りではありますが入院患者ってほとんど高齢者ですね。それもほぼ全員後期高齢者と見受けられるかたばかりで、私の年齢は明らかに異色でした。私の場合両親が見舞いに来てくれたりしたのですが、他の患者さんは息子や娘が来るといった場合がほとんど(しかも息子が私の父より年上に見えたりする)。さすがに物理的な若さが全く違うので、リハビリでの回復速度は一般的な患者さんよりかなり速かったらしく、理学療法士の方には「リハビリをやればやるほど良くなっていくから診ていて楽しい」というようなことを言われました。回復が速いという事自体は嬉しいのですが、そもそもこんな年で脳梗塞とかなるかよという気持ちもあるので微妙なところです。
病棟の看護師さんにもやたら可愛がってもらった気がします。規模が小さい病院だったので、(久しぶりに自分より若い/同年代の患者さん来た~)みたいな雰囲気を若干感じました。

認知症のためかほとんど何も分からなくなってしまっていると思しき患者さんも多く、無実の罪で公安警察に追われているから助けてくれという妄想を語り続けるおじいちゃんとか、脱抑制という症状なのか完全に幼児と同じダダのこね方をするおばあちゃんもいました。奇声を発してうるさい患者さんも多く、仕方ないとは思いつつ、不自由な点以上に入院生活のストレス源となったのは他の患者さんかもしれません。


お見舞いについて。私の家族は他県に住んでおり片道2時間以上はかかると思うのですが、入院の翌日(しかも平日)には父が来てくれました。もう何年も前に親元を離れ就職もしているのですが、いくつになっても大切な子供なのだなあと感じました。子供のころからのこうした経験は間違いなく自分の自己肯定感の源泉になっていますし、だからこそ「あなたの命の価値」のレビューのようなことを書いたのです。母や兄弟もたびたび来てくれてありがたい限りです。

入院中はかなり自由に制限があるわけですが、私の場合間食に制限などはなかったので見舞いに来てくれた家族がお菓子やお茶をたくさん差し入れしてくれ、それを食べたりするのを楽しみにしていました。もっと回復してからはパズル雑誌を差し入れてもらったのでそれを解いたりもしていました。

それでも入院生活は暇ではあるので、毎日日記をつけていました。今もそれを参照しながら記事を書いています。これまで日記をつける習慣はなかったのですが、1日にキャンパスノート1ページ分もの量を書いていました。私はゴリゴリの理系タイプなのですが、文章を書くのは好きなのかもしれません。

暇な入院生活の少ない楽しみの一つが食事ですが、一緒に食べる相手もいないと一瞬で終わってしまいます。よく病院食はまずいと言われたりしますが、私はそこまでには感じませんでした。ただ、その食生活を数か月単位で続けていると物足りなさを感じるのも事実でした。量という意味でも味付けの面でもそうです。栄養面は厳密に管理されているはずですが、その分主菜枠が豆腐だと物足りないというか、肉や魚が食べたいなあと思いました。
このように、私自身は食事にそこまで文句はなかったのですが、同室の患者さん2人が仲良くなったのか「病院の食事がまずくてかなわない」「退院したら味噌ラーメンを食べに行くんだ」みたいな話をずっとしていて(多分認知症のため同じ話をしたことを覚えていない)、そういう話をされると本当に食事がまずくなるからやめてくれ、と内心思っていましたが言えませんでした。
病院の食事で辛い物が出るイメージが全然なかったのですが、意外と辛い物も出てきました。それも単に唐辛子だけでなく、コショウやワサビ、マスタードなど様々な香辛料が使われている印象があり、塩分量が厳しく制限された中で美味しく食べられる料理を作ろうという工夫なのかなと思いました。


様々な症状が出ていたのですが、症状の現れるタイミングや回復の速度が違っていて不思議でした。
経験した各症状の強さをグラフにしてみたのですがこんな感じでした。縦軸は症状の程度を0~10で表して、0は普段通り、10はこれ以上ないくらいにしんどい状態というイメージです。異なる症状を比べられるものでもないのであくまでイメージという事と、横軸は目盛りが等間隔でないことに気を付けてください。
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最初に現れたのが頭痛と運動障害、次に嚥下障害で、他は発症翌日以降に現れたように記憶しています。どの症状も発症翌日がピークで次第に回復していくのですが、なぜか熱は安定せず、1週間後には40度に達して解熱剤を打ってもらわなくては寝られないほどでした。回復速度もばらばらで、嘔吐は3日もする頃にはほぼなくなっています。次いで嚥下障害と運動障害の回復が速く、感覚の異常は今も少し残っているという感じです。これらの症状が0に戻るときがあるのか、祈るのみです。

入院生活とフリーゲーム

入院から2週間も経つ頃には症状もかなり落ち着いて、手元のスマートフォンを見て短時間操作することはできるくらいになっていたので、ノベコレで短編のフェス参加作を探してプレイするようになりました。認知機能と指先の細かい運動機能がほぼ無事だったのが大きいですね。ずっと見ているのはしんどかったので最初のうちは短編のみで、レビューコメントは頭の中で考えて少しずつメモ帳アプリに書いて、最後に作品ページにコピペしていました。今までゲームはWindowsPCにダウンロードしてプレイすることがほとんどだったのですが、入院中はスマホしか触ることができず、ノベコレのマルチプラットフォーム対応が今回は本当にありがたかったです。
また、ありがたいことに自作「咲希ちゃんと○×ゲーム」にたびたびコメントやダイア玉ブーストを頂いていたので、コメント返信なんかもしています。
ティラノゲームフェス10については、閉幕が迫っていますがもう少しだけコメントを書くつもりです。閉幕後にはプレイした作品のまとめとかも書きたいですね。


ツイートもしましたが、こんな状況下にあってもフリーゲームのことが頭の中から離れないんですよね。医療用リストバンドという個人識別用の道具を腕につけますが、数か月単位でつけっぱなしでも耐えられそうな丈夫さかつ軽い素材、そして白い色から「ナルキッソス」を連想してしまいました。1作目の主人公やセツミ、姫子さんがつけていたものと同じ色ですね。本当に入院しているときにホスピスの物語(しかも患者は助からない状況にある)を思い浮かべるなんて縁起でもない、という気もしますが院内でその話をしたわけではないので許してください。これ本当に丈夫で、おそらく20回くらいはつけたまま入浴したと思うのですがふやけたり文字がかすれたりすることもなく、着けていて異物感や重さを感じることもほぼありませんでした。
「ナルキッソス」は最初にプレイしたときはそれほど刺さったという感じでもなかったのですが、今になって見返してみるとやはりすごい作品だなと思います。そのうち本ブログでも扱いたいです。
作中に、入浴は週2回といった表現が出てきますが、これはマジでした。検温の時間が決まっている風の描写もありますが、私が入院していたところではその日の状況によってさまざまだったので違うところもあったり。外出も相当なことがないとできないはずです(衆議院選挙に行きたかったがダメと言われてしまった)。

リハビリをするようになると、リハビリ計画書という書類を作ってもらってそこにサインしたりします。その書類の中には現在の状況やリハビリの目標が書かれているわけです。自力で食事や排泄ができるか、歩行や階段はどうか、知的能力はどうかとかですね。その中に心理状態に関する項目があり、障害受容度合いが否認期、ショック期、恨み怒り期などと分類されているのを見た私は、「Normalize Human Communication」で登場したキューブラー=ロスの死の受容のプロセスを連想してしまいました。これまた本当に縁起でもないし、後遺障害の受容に関する心理プロセスがそれを踏襲しているわけでもないだろうとは思うのですが、受け入れがたい事実に直面したときにまずショックを受け否認する時期があって、怒りや抑うつ、そして受容といった段階があると考えられているのは似ているなとも思います。
私は自分自身を割と楽観的なタイプで、多くの物事に対してかなり許容範囲の広い性格だと思っているのですが、今回病気を発症して、思っていたよりさらに許せる範囲が広いのだろうかと感じました。診断確定の時点では既に受容の段階に向かっており、早くリハビリを開始したいという思いがあったのです。どれだけ回復するかは分からないけどある程度は時間が解決してくれるだろうし、入院中他にやることもないからどんどんリハビリして少しでも良くなるようにしようというような思考です。

退院後

現在は既に退院し、ほぼ以前と変わらない日常生活を送れるようになっています。まだ病院外での生活に慣れるフェーズのため休職中ではありますが、近いうちに復帰できればと思っています。
運動機能についてはリハビリの甲斐もあり9割以上はもとの能力を取り戻したと思うのですが、感覚機能についてはそこまでは良くなっていません。もちろん発症当初よりマシにはなっているのですが…

退院前にまたMRI撮影を行って画像について説明してもらったのですが、発症時に撮った画像では途切れている血管が今では繋がって写っているのが素人目にも分かり、本当に生命の力強さに感動するような気持ちでした。

体についてはそんな感じで、残りは時間をかけて少しずつ良くなる、あるいは慣れていくと信じています。積極的にできる治療やリハビリもほぼなさそうなので、今はとりあえず閉幕間際のティラノゲームフェス10をやっていこうと思います。PCを触れるようになったのでこうしてブログを書いたり、ブラウザ非対応のゲームをプレイできるようになったのが嬉しい。
閉幕後にまた振り返り記事を書くと思いますので次回お会いしましょう。

なにか思い出したら追記するかもしれません。
それでは。

こんにちは。

またあっという間に2025年が過ぎ去り新しい年となりました。去年書いたレビュー記事を数えてみたところ11本、月1本に届かず。もっと書いて発信していきたいなという思いはあるのですがなかなか作品を選んでプレイしてレビューを書いてというところまで行けませんでした。


去年大きかったのは、やはり自作「咲希ちゃんと○×ゲーム」をリリースしたことです。純粋なボードゲームでありノベコレのメインターゲットではないにもかかわらずノベコレにおいているのは、5月のティラノオフに行くことになっていろいろと影響を受けたというのが大きいです。この辺の経緯についてはこちらの記事で詳しく振り返っています。

ルールはごくシンプル(しかも私の原案でもない)ゲームですしノベルゲームではないのでプレイ数はあまり期待していなかったのですが、先月の段階で500DLを突破しているようで正直驚いています。実は私は別名義で数年前にvectorでフリーソフトを一本公開しているのですが(ゲームではありません)、そちらがDL数で100ちょっとなことを考えるとかなり多いですよね。立ち絵を依頼したり、何とかUIを工夫して慣れないCSSや画像編集ツールと格闘した甲斐がありましたね。
ありがたいことにティラノフェス10に参加しているのでコメントも数多くいただいております。以前の記事で書いた通り、コメント数は作品の面白さの評価とはほぼ関係ないと思っているのですが、それでも嬉しいですし、これまでにレビュワーとして記事を書いたりTwitterに感想放流したりしてできた縁が活きているようにも思えて幸せに感じます。

ちなみに現在最後のバッジ(隠し実績)は9人が取得しているようです。もう一つの隠しバッジが15人なのでやはり最後のは難しいみたいですね。ブログまで来れば答えは載っているとはいえ、ヒントを追加するか検討中です。

また、およそ5年ぶりにノベコレへのコメント投稿をしています。他の方のコメントを見ると、レビューというよりはファンレターと思えるものが大部分と感じますが、私はレビューのつもりで書いています。個人のプロフィールページには「レビューコレクション」と表示されるわけですし。


それ以外では、第2回同人縁日通りにレビュワー参加したというのもありました。合計5本の短文レビューを寄稿したのですが、普段ネット上にしか残らない私の文章が紙媒体で多くのコミケ参加者に配布されたと思うと感慨深いです。東京ゲームダンジョンで作者さんにお会いしての話にも繋がっています。

という感じで多少なりとも製作者側の空気感を感じられたというのが大きい一年でした。
頻度は下がってきていますが、フリーゲームのプレイおよびレビューは続けていきたいと思っていますので、今年もよろしくお願いします。

こんにちは。今回は陽乃まなつさんの「友達以上、成仏未満」のレビューとなります。

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ジャンル:学園青春ノベルゲーム
プレイ時間:1周30分、フルコンプまで1時間程度
分岐:エンディング4種
ツール:ティラノスクリプト
リリース:2025/9


先週に引き続き、ノベルゲームコレクションにて見つけた作品です。とはいっても方向性はかなり違っています。「RトR」は15禁かつ尖った展開の作品で人を選ぶかなという印象ですが、本作「友達以上、成仏未満」は丸く優しい雰囲気を感じます。きっと多くの方に楽しんでいただける作品かなと思いますのでご紹介します。


主人公のユウは高校2年生。なんとなく学校帰りに神社に寄ったある日、同じ学校の制服を着たトモリと名乗る少女に出会います。ユウのことを知っている風な彼女は距離感も近く、その日のうちに「だって私たち、友達でしょ」と言い出すありさま。彼女もいなかったユウに突然華やかな笑顔の眩しいトモリという友人が加わり、日常が少し明るくなるのでした…
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本作の冒頭をまとめるとこんな感じでしょうか。いわゆるボーイミーツガールど真ん中といった展開ですが、タイトルが「友達以上、成仏未満」であることを考えれば、彼女は生身の人間ではなさそう、しかも生前にはユウとの間に浅からぬ縁があったという事は容易に想像がつくでしょう。実際、トモリの正体や過去の出来事といった秘密は物語後半で徐々に明らかになっていきます。


この秘密を解き明かすうえで重要な役割を担っているのが、友人キャラであるキョウスケとアイハラです。この2人は最初から事情を把握しているようなのですが、それをユウに押し付けたりせずにタイミングを計りつつ見守ってくれています。ユウが何かを思い出しそうなところでそれを後押ししてくれる、大事な忠告をしてくれる、そんな素晴らしい友人たちも本作の魅力の一つと言っていいでしょう。

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タイトル画面でこちらに微笑むトモリのイラストは大変可愛らしく、立ち絵の表情も眩しいですね。ややマニアックですが、バックログ画面に移った時に後ろでトモリがこちらを見守ってくれている構図が「成仏未満」感があって良いと思います。
背景についてはフリーゲームで見慣れた素材が多数ありますが、淡めの色使いの立ち絵にマッチするように少々加工されている様子で、こういった細かな配慮が嬉しい所です。見慣れた背景であるがゆえに、元画像とのアスペクト比の違いに気付いてしまうので、そこは一つもったいなく感じました。

音楽はオリジナルと素材があるようでどちらも優しい雰囲気に合った曲がセレクトされているように思います。音楽の卵さんの曲は聴いたらなんとなく分かるくらいには好きだし、「届かなかった願い」は過去記事で触れたりもしてますしね。シーンともぴったりです。
曲ごとの音量が合っていないように感じられる部分がありそこは少し気になりました(タイトル画面は無音なのかと思っていたら、よ~く聞いてみるとリストの愛の夢がかかっておりびっくり、といった感じ)


さて、話はシナリオに戻りまして、エンディングへの分岐です。エンディングは計4種あり主に最終章で分岐しますが、それまでの選択肢できちんとフラグを立てておかないといくつかのルートには入れないようになっています。END3へ行くにはユウが自分のことだけでなく周りもきちんと見なくてはならないのが素敵。いい友人はぜひ大切にしたいものですね。

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最終章で明らかになる事実はおおむね私の予想通りではありましたが、その見せ方がうまい。最初は好感度不足かと思ったけれど、結局過去は変えられないんだと分かったあの演出だったり。普通に読み進めていれば「このままトモリと幸せになることはできないんだろうなあ」と容易に予想できるシナリオですが、最後に予想を少しだけ裏切ってくるEND3の展開。衝撃の事実や不可思議な謎を物語の牽引力とするタイプの作品とは違った安心感がそこにあります。なんとなくCreative Blossomsさんのそれと似た雰囲気を感じるんですよね。
また、END3も良いですが、END2に出てくる
「抱きしめても・・・トモリの体はなんの感触もなかった
温かくも冷たくもなく・・・それが今の距離だと言われている気がした」
なんていうセリフも好きです。やっぱりハッピーエンドって、心えぐるバッドエンドとの対比に納得がいったとき十二分の効果を発揮するよなあ。「桜哉」以降私はバッドエンド信者になってしまったのか…?


少し気になる点はあって、ウェイトをかける演出がやや過剰に感じました。特にエンディング回収しようと思って周回することになるとその度に長い演出を見ることになるので余計にそう感じます。スキップ時はウェイトを飛ばせたり、2回目以降クリックで飛ばせたりすると嬉しいです。
あとはタイトル画面でCG閲覧後にタイトルに戻ってはじめからをクリックするとゲームが進行不能になるのは直してほしい所です。


というわけで今回は「友達以上、成仏未満」のレビューでした。
作者の陽乃まなつさんのプロフィールを見ると本作が初作品という事だったのですが、そうとは思えない充実したプレイ体験を得られる作品だと思いますので、ぜひプレイしてみてください。

それでは。

こんにちは。今回は虹猫さんの「RトR」をレビューしていきたいと思います。

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ジャンル:百合サスペンスノベルゲーム
プレイ時間:3時間
分岐:なし
ツール:ティラノスクリプト
リリース:2025/4
注意:15禁

先週ノベコレの作品を漁っていて、「グリーンベルの花言葉」という怪作に出会いました。普通のツンデレ百合ものかと思いきやいきなり谷底まで突き落とされ、いや違う、ここは常識の異なる異世界なのでは?となったり宇宙遊泳のようなふわふわ感が漂ったりと、わけわからないジェットコースターに乗せられた気分になる作品でした。
面白かったは面白かったのでコメント書きつつ作者さんの他の作品を見てみると、あの有名な「1人殺すのも2人殺すのも同じことだと思うから」の作者さんであることにようやく気付きました(まだプレイしてはいないのですが)。

そんな流れで本作を見つけてプレイし始めたのですが、やはり一筋縄ではいかない百合を描いた作品で面白かったのでブログでご紹介します。


主人公の桜小町(さくら・こまち)はキリスト教系の女子高に通う高校2年生。家庭の事情があり、学校へは寮から通っています。所属する漫画・アニメ部では、同級生の紅葉楓(もみじ・かえで)、先輩の瑠璃茉莉(るり・まつり)、そして後輩の八雲アリスと楽しく過ごしています。
そんな彼女の悩みは、女の子に異様にモテること。進級して1か月経ち落ち着いた4月30日には親友だと思っていた楓にキスされてしまいます。寮の自室で困っていた時、なんと楓が刺されてしまったという知らせを受けます。失意の中で迎えた翌朝、彼女の身にはさらなる衝撃の事実が明らかになります。今日も4月30日だというのです!

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というわけで本作はループものになっています。時計と鎖に絡めとられたタイトル画面から察した方もいるかもしれません。本ブログでは「スノードームは夢を見るか?」以来およそ2年ぶりです。ループものというと大抵、なぜ(何の力によって)ループするのか、ループを抜け出すにはどうしたらいいのか、といった要素に焦点が当たります。しかし本作においてはポイントとなる要素は少し違っています。まず「何をトリガーとしてループが発生するのか」すら分からないのです。

本ブログでこれまでに扱ったループものは4つありました。「スノードームは夢を見るか?」でも「クロノスの箱庭」でも、「決戦前のヒトリ」でも「黄昏が落ちてくる街に」でも、ループの発生は主人公や重要人物の死によって発生しているのが明らかでした。しかし本作においては、単純に人が死んだら日付が戻るわけではありません。しかも毎回同じ日に戻るわけではなく、何事もなく日付が進んだかと思いきや2日戻ったり、突然4日も戻ったり。まずこの不可解な仕掛けがかなり珍しく、私の心を釘付けにしました。

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そうしてもう一つ、本作における百合という要素も本筋に大きくかかわってくることになります。ところがこれも王道となる要素からずらしているのです。過去にレビューした「PaintPain ~少女はメイドの手をとって~」「泡沫の花が散る」ではどちらの百合も、お互いにそう望んだ結果でした。しかし本作における主人公の小町は女の子に恋愛的な意味での興味はなく、次々と告白してくる友人たちや部活の仲間に困惑しているのです。

さらにはこの女の子に異常に好かれやすいという小町の”体質”は先述した家庭の問題ともつながってきます。直接の原因である母親の入院、そして妹である吹雪との不仲の原因までもこの体質に求めることができます。
初見だとこの吹雪は小町に対してやたら敵対的で嫌なキャラなのですが、読み進めていくうちに彼女の気持ちも分かってくるし守ってあげたくなるんですよね。なんといっても彼女の言っていることは正しいのですから。


ストーリーを読み進めていくと、時折小町以外の人物の視点で語られる部分があります。瑠璃先輩だったり、楓や吹雪だったり、そしてアリスだったり。彼女らの主観が描かれることによって、小町がこのループの世界に閉じ込められたのは必然であったというのが徐々に明らかになっていくのです。ここがまたうまいところで、特殊な体質を持つ小町を中心としてみなが次第に狂気に蝕まれていったことに合点が行きます。小町の主観では被害者でしかないわけですが、全体を見ていくとむしろ発端ともいえる。そんな展開となっています。
これまでも何度か言ってきましたが、こうした明らかな悪人がいるわけではない中で皆が狂っていったために起きた悲劇というのは私の好きな展開でもあります。あえて一番悪いのが誰か、と聞かれたら、私は瑠璃先輩と答えるでしょうか。

それでも私は、小町が好きだし一番応援してあげたくなるんです。なぜなら、私と似ていると感じるからです。

以下、核心に繋がるネタバレがあります。OKな方は展開して読んでください。

ネタバレあり(クリックして展開) 吹雪は小町を評してこう言いました。「お姉ちゃんのいい所は優しい所かもしれない。誰にでも優しくて、温かくて。でもね、私はそれが悪いところだとも思ってる」。そう、小町は間違いなく”いい子”であってむやみに人を傷つけることはしないし、よほどのことがなければ人に否定的な言葉をかけることもありません。そんないい子は高い確率で”優しい嘘”という病に侵されているんですね。

本作におけるループのトリガーとなるのは、小町が嘘をつくこと。終盤でそれが明らかになった時、私は文字通り震えました。こんな怖いことがあるかと。
小町がつく嘘はどれも悪意に基づくものではありません。誰かを守ろうとしたり、事態をややこしくしないためであったり。人が良好な社会生活を送るためには、こうした適切な使い方での嘘は必須でしょう。
謎が解けてから改めて前半部分をプレイし直すと、小町が嘘をついた場面がプレイヤーにもしっかりと提示されていたことが分かります。私でもそこは嘘でごまかすだろうというシーンばかりなので本当につらい。

小町は結局このループの謎を解くことができず、4月の間の日付をうろうろしながらただ心を弱らせていくばかりです。弱った心を守るためにも嘘で武装しなくてはならなくなったのでしょう。
バッドエンドのループものは何気に初めて見たかもしれません。あのシュタインズゲートでさえハッピーエンドがあるのに! いや、これはタイトル画面の生気を失った小町のイラストから察するべきだったかもしれません。他の作品を含めて、全く油断ならない作者さんです。



ループ、そして百合。どちらも題材としてはよくあるものでありながら、王道とは少し離れたところを狙っている本作。斬新すぎない程度に目新しさのある良作ですのでぜひプレイしてみてください。
一筋縄ではいかない物語ですので、くれぐれもご用心の上お楽しみください。

それでは。

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