こんにちは。先月、フリーゲームに使われている音楽素材を集めて聞いている話をこちらの記事にしました。その時は、ゲームをプレイして気に入ったBGM素材の特定と収集の仕方のコツなどをメインにお話ししました。あの記事を書いていて思ったのですが、思い出深い曲はどんどん思いつきます。そこで今回は、そんな曲たちとその個人的な思い出を紹介していこうということにします。いろいろ長くなりそうだったので、今回はボーカル入り編と題して、主にエンディングテーマに使われた曲について話していきます。素材限定ということで記事にしているので、素晴らしい書き下ろし曲の作品などは含まれていません。

ツクエノウエ/fokaさんの「あたりまえ かわりばえ」

まず外せないのはこの曲です。この曲は、むきりょくかん。さんの「ほしのの。」(原作Flash版)のエンディングテーマとして使われていました。ほしのの。自体も素晴らしい作品で大好きなのですが、私がこの作品をプレイして涙が流れたのはエンドロールでこの曲を聴いた時でした。この明るい歌声とメロディー、そして気付きをテーマとしたという歌詞。これらがぴったり組み合わさってシナリオの世界観をばっちり表現していて大変見事でした。
「そうよ私は負けられない いつだって飛び込んでく 出会い続けること愛すること♪」
「揺れるよ響くよ私の声 歌うようにそばに居続けるわ~♪」
ヒロインの榛奈の作中での状況や性格、主人公結城との関係などを表しているとしか思えない歌詞たちに、私はこの曲に着想を得てシナリオを書いた(あるいは執筆中に聴いて影響を受けた)のではないかと思っていたのですが、どうもこの曲を見つけたのはシナリオ担当の吉村麻之さんが執筆を終えた後だったようです。それでよくこんなにピッタリな曲があったなあと驚きました。ちなみに着想を得た曲は全く別で(しかもフリー素材とかではない)、坂本真綾さんの「紅茶」だということです。このあたりの話はむきりょくかん。の膨大な量の日記のどこかに書いてあります。

fokaさんの「カラフル」

同じくfokaさんの楽曲です。こちらはNaGISAさんの「ゆめいろの空へ」でエンディングテーマとして使われています。こちらもゲームの世界観と曲の雰囲気がぴったりマッチしていて大変素敵でした。NaGISAさんというと1000本以上のレビュー記事を書かれているフリーゲームレビュワーの大先輩で(私のこれまでのレビュー記事数は20です。そろそろレビュワー名乗ってもいいかなと思うようになってきました)、レビューのイメージが強いですが、自身でのノベルゲーム制作もされていて、丁寧なシナリオ構成としっかりした心情描写が魅力的な方です。
さて、「ゆめいろの空へ」のエンドロールでこの曲を聴いたとき、前奏を1小節聴いただけで「あ!、これは『カラフル』だ!!」と気付きました。この曲は、先の「ほしのの。」の冒頭で榛奈が歌っているのです(歌詞が引用されるのみ、また原作Flash版のみ)。「あたりまえ かわりばえ」と同じ作曲者の曲ということもあってよく聴いていた曲なので、歌詞もメロディーも完全に頭に入っており、エンドロールは一緒に口ずさみながら見ました。こんな経験はこれ一度のみで、よく記憶に残っています。

魔王魂/森田交一さんの「Feels happiness

私がこの曲を初めて聴いたのは、ベルカゲさんの「緑の姫君」です。このゲームは乙女ゲームなのですが、攻略対象ごとにエンディングが3系統に分かれており、そのうちのハッピーエンドで使われていた曲です。選択肢をちょっと間違えただけでなかなかハードなことになってしまうシナリオだったのですが、無事ハッピーエンドに到達しこの曲を聴いたとき、ああ頑張ってよかったな、という気持ちにさせてくれました。魔王魂は最近サイトがリニューアルして、新サイトではこの曲は公開されていないっぽいのですが、曲名でGoogle検索をかけると旧サイトがヒットし、そこからダウンロードは可能です。2分余りのショート版、6分あるフル版、それぞれのカラオケ版なども公開されているので気になる方は試してみてください。(今週の記事執筆開始時点ではまだリンク生きてたんですが、今確認したら消えてますね……悲しい)曲はすごく幸せな感じがするいい曲ですよ。
ちなみに、緑の姫君のスピンオフ作品「緑のRPG」では、エピローグでこの曲のピアノ編曲版が登場。この演出がいいですよね。こちらの曲は新サイトで公開中です!

(10/20追記:10/15付けで再公開されているのを確認しました。緑の姫君で使われていたものとは編曲が違いますが、こちらも素敵ですよ。)

こんとどぅふぇ/HiLiさんの「わたしのだいすきなもの

この曲とは、POPOさんの「雨色ビスケット」で出会いました。このゲームはPOPOさんの最初の作品ということで非常に短く、そして曲は長かったためゲーム本編のプレイ時間に比してエンディングテーマが半分近くあるという、なかなか見ない時間配分になっていました。その影響もあって印象に残ったこの曲ですが、やはり良いのはゲームのメルヘンチックでかわいらしいイメージと、曲の持つ雰囲気・歌詞が一体化しているように感じられたことですね。私はもともと童謡も結構好きでして、この曲の持つ無邪気な感じや日常の幸せの表現にハマったというのもあります。
ちなみにリンク先は今年公開されたリメイク版で、ゲームで使われていたものは2015年公開のためやや異なります。さらに蛇足なのですが、この作曲者さんの名前って、"ひぃ"と読むんですね。今回調べなおして知りました。

DOVA-SYNDROME/龍崎一さんの「一年に一度のいちごふぇすてぃばる

この曲は、misosioさんの「お前のスパチャで世界を救え」で挿入歌として登場したのを聴きました。とにかくいちごが好きなんだなあと思っていたら、最後の「これと同じものをあと3つお願いします」のインパクトが強くて吹き出してしまいました。さて、このゲームでは前回の記事でも書いたyukiさんの「いちごホイップ」も使われているので、なるほどそこをいちごで揃えてくるのか、気付くとちょっと面白いネタだなあと思いました。プレイ後に曲を探そうと検索をかけると龍崎一さんの名前が出てきて、この方の「愛の歌」と全く印象の違う曲だったのでちょっと意外に思ったのも覚えています。こちらは、mint wingsさんの「私は今日ここで死にます。」のエンディングで使われていた曲ですね。mint wingsさんの作品では毎回必ず音楽鑑賞モード・スチル鑑賞モードがついているのが素晴らしいです。

番外編

oo39ドットコムの「ys067

このサイトでは曲名はなく番号付けで曲が公開されているので、このタイトルだけ見てもどの曲かわかる人はほとんどいないと思います。わからない方はぜひリンク先で曲を聴いてみてください。1回聴いただけで頭にこびりついて離れなくなること間違いありません。何といっても歌詞が架空言語のハナモゲラ語。そしてこのとにかく陽気な曲調。私がこの曲を初めて聴いたのはおそらくアーケー道の「RAIN DROP」(Flashゲームのため現在プレイ困難。ChromeにRuffle導入で私の環境では動きました)です。シンプルな落ちものパズルに延々とこの曲が流れるので、もう頭の中が完全に支配され、プレイを終えた後もしばらくはずっと脳内再生されていました。


というわけで今回は、好きな音楽素材についての話でした。また今度、ほかの曲についても書きたいと思ってます。来週は通常通りレビューになると思います。

それでは。