こんにちは。今回は、午後のお部屋さんの「お兄ちゃんの世話を焼くのは妹の特権です」のご紹介です。

ジャンル:感動系ヤンデレノベル
プレイ時間:40分
分岐:なし
ツール:吉里吉里
リリース:2013/4
本作はたまたまフリーゲーム夢現を見ていた時に目についてダウンロードしたのですが、期待以上のわくわく感が詰まった作品だったので、ぜひ皆さんにプレイしてほしいなと思い取り上げることにしました。
私が本作を最初に見た感じでは、ラノベ風長文タイトルなのとヤンデレ系という公式情報から、ヤンデレな妹とのラブコメみたいな話なのかな、という印象でした。しかしその想像はいい意味で裏切られました。まず本作はコメディではなかったんですね。こんな悲しげなBGMから冒頭のシーンに入るとは思っていませんでした。ここですでに、この作品はどんな物語なんだろう、ということに強く興味を引き付けられました。
さて、その物語の導入では、主人公の恭一は母親が仕事で忙しく、家では実質妹との2人暮らしで家事はほとんど妹にまかせっきりだったことが妹である美樹の視点で語られます。なるほど単に妹が世話焼きな性格だったというだけでなく、そうせざるを得なかった事情やそれに喜びを感じる理由なんかが最初に提示されるのです。ヤンデレものというと、とにかく異常なまでの愛が表現され、理由なんか問う間もないものがほとんど、というイメージがあったので、本作は序盤からそのイメージを覆し私の興味を引き付けるのに成功していたと思います。
さて、タイトルからして重要な役割であることが明白な妹の美樹ですが、ヤンデレってほどでもなくない? という感じのキャラ付けです。ちょっと世話好きな可愛い妹といった感じ。この美樹と恭一のやり取りってとても微笑ましいんですよ。やっぱりこうした微笑ましいシーンには、極端ではなく実際に想像しやすいような人物像が似合いますね。強烈なキャラクターも面白いですが、こうした普通の人に分かりやすく世話好きという属性を追加したようなキャラもなんだか応援したくなるようで良いものです。

さて、物語の序盤のうちから、恭一はここのところ足を負傷する悪夢を立て続けに見て精神的に参ってきているということがわかります。この原因は何なのかというサスペンス的要素も追加されてくるわけです。美樹との他愛のない会話やほのぼのとしたシーンにも、この足に関する夢の謎を解くという一つの方向性みたいなものが見え、まとまりがよくなっているように感じます。この方向性が、記事の最初に述べたような物語の先の展開へのわくわく感につながっているのでしょう。
今、サスペンス的要素があると書きましたが、悪夢の原因は実は物語序盤のうちから明かされています。だから、読者は元凶や対処法について分かっている。しかし恭一は当然そんなことには気づきません。悪夢に悩まされるうちに身体的症状も出始めてしまった今、余裕はありません。友人に相談してみると、オカルト研究会の百合先輩に聞いてみることを勧められます。そこでなんだかいろいろなことを知っている風な百合先輩から、夢の中で使えるコンパスのようなものを受け取ります。このあたりの展開、よく言えばテンポよく進んで話がダレない感じですが、ちょっとあっさりしすぎな感もあります。もうちょっと原因追究の必死さみたいな点が描かれたら、私が感じたわくわくに加えてどきどきも加わった物語になっていたのではないでしょうか。
さらっと登場した新キャラの百合先輩ですが、彼女もまた魅力的なんですよね。立ち絵はないですが、ゆったりした言葉遣いや相談を親身になって聞いてくれるやさしさ、しかし必要な時には実力行使も厭わない。アドバイスも具体的。私もなんか人生相談したいくらいです(笑)
かなり謎の多い人物なので、その素性がめちゃくちゃ気になります。
物語が中盤から終盤へと差し掛かると、ついに原因との直接対峙に移ります。そこで説得に移るのですが、その内容が序盤の他愛もない会話を活かしたもので良かったですね。そういえばそんなこと言ってたなあと思うと同時に、いいお兄ちゃんだなあと思えるんですね。ここでも、ただのヤンデレものではないキャラクターの魅力が感じられました。そう、本作の登場人物ってみんな"いい人"なんですよね。なんというか、安心できるお話なんです。あとは恭一がどれだけ家事を頑張るかってところですかね。もう美樹ちゃんに任せっきりにするんじゃないぞ!
本編読了後にはちょっとしたおまけが読めます。このおまけで、美樹のヤンデレ具合が思った以上に進んでいたことがわかってちょっと笑ってしまいました。しかし結局は幸せそうなのでOKです。
というわけで今回はヤンデレものの紹介となりましたが、心温まるタイプの物語なので多くの方にお勧めしやすいかなと思います。特に妹キャラが好きな方はプレイして損はないでしょう。
それでは。

ジャンル:感動系ヤンデレノベル
プレイ時間:40分
分岐:なし
ツール:吉里吉里
リリース:2013/4
本作はたまたまフリーゲーム夢現を見ていた時に目についてダウンロードしたのですが、期待以上のわくわく感が詰まった作品だったので、ぜひ皆さんにプレイしてほしいなと思い取り上げることにしました。
私が本作を最初に見た感じでは、ラノベ風長文タイトルなのとヤンデレ系という公式情報から、ヤンデレな妹とのラブコメみたいな話なのかな、という印象でした。しかしその想像はいい意味で裏切られました。まず本作はコメディではなかったんですね。こんな悲しげなBGMから冒頭のシーンに入るとは思っていませんでした。ここですでに、この作品はどんな物語なんだろう、ということに強く興味を引き付けられました。
さて、その物語の導入では、主人公の恭一は母親が仕事で忙しく、家では実質妹との2人暮らしで家事はほとんど妹にまかせっきりだったことが妹である美樹の視点で語られます。なるほど単に妹が世話焼きな性格だったというだけでなく、そうせざるを得なかった事情やそれに喜びを感じる理由なんかが最初に提示されるのです。ヤンデレものというと、とにかく異常なまでの愛が表現され、理由なんか問う間もないものがほとんど、というイメージがあったので、本作は序盤からそのイメージを覆し私の興味を引き付けるのに成功していたと思います。
さて、タイトルからして重要な役割であることが明白な妹の美樹ですが、ヤンデレってほどでもなくない? という感じのキャラ付けです。ちょっと世話好きな可愛い妹といった感じ。この美樹と恭一のやり取りってとても微笑ましいんですよ。やっぱりこうした微笑ましいシーンには、極端ではなく実際に想像しやすいような人物像が似合いますね。強烈なキャラクターも面白いですが、こうした普通の人に分かりやすく世話好きという属性を追加したようなキャラもなんだか応援したくなるようで良いものです。

さて、物語の序盤のうちから、恭一はここのところ足を負傷する悪夢を立て続けに見て精神的に参ってきているということがわかります。この原因は何なのかというサスペンス的要素も追加されてくるわけです。美樹との他愛のない会話やほのぼのとしたシーンにも、この足に関する夢の謎を解くという一つの方向性みたいなものが見え、まとまりがよくなっているように感じます。この方向性が、記事の最初に述べたような物語の先の展開へのわくわく感につながっているのでしょう。
今、サスペンス的要素があると書きましたが、悪夢の原因は実は物語序盤のうちから明かされています。だから、読者は元凶や対処法について分かっている。しかし恭一は当然そんなことには気づきません。悪夢に悩まされるうちに身体的症状も出始めてしまった今、余裕はありません。友人に相談してみると、オカルト研究会の百合先輩に聞いてみることを勧められます。そこでなんだかいろいろなことを知っている風な百合先輩から、夢の中で使えるコンパスのようなものを受け取ります。このあたりの展開、よく言えばテンポよく進んで話がダレない感じですが、ちょっとあっさりしすぎな感もあります。もうちょっと原因追究の必死さみたいな点が描かれたら、私が感じたわくわくに加えてどきどきも加わった物語になっていたのではないでしょうか。
さらっと登場した新キャラの百合先輩ですが、彼女もまた魅力的なんですよね。立ち絵はないですが、ゆったりした言葉遣いや相談を親身になって聞いてくれるやさしさ、しかし必要な時には実力行使も厭わない。アドバイスも具体的。私もなんか人生相談したいくらいです(笑)
かなり謎の多い人物なので、その素性がめちゃくちゃ気になります。
物語が中盤から終盤へと差し掛かると、ついに原因との直接対峙に移ります。そこで説得に移るのですが、その内容が序盤の他愛もない会話を活かしたもので良かったですね。そういえばそんなこと言ってたなあと思うと同時に、いいお兄ちゃんだなあと思えるんですね。ここでも、ただのヤンデレものではないキャラクターの魅力が感じられました。そう、本作の登場人物ってみんな"いい人"なんですよね。なんというか、安心できるお話なんです。あとは恭一がどれだけ家事を頑張るかってところですかね。もう美樹ちゃんに任せっきりにするんじゃないぞ!
本編読了後にはちょっとしたおまけが読めます。このおまけで、美樹のヤンデレ具合が思った以上に進んでいたことがわかってちょっと笑ってしまいました。しかし結局は幸せそうなのでOKです。
というわけで今回はヤンデレものの紹介となりましたが、心温まるタイプの物語なので多くの方にお勧めしやすいかなと思います。特に妹キャラが好きな方はプレイして損はないでしょう。
それでは。
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