フリーゲームの森

フリーゲームのレビューブログです。 ノベルゲーム・アドベンチャーゲームを中心にお勧めの作品を紹介します。
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2021年07月

こんにちは。今回は、劇団kolmeさんの女子トイレの殺人をご紹介します。

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★favo
ジャンル:ミステリー風コメディノベルゲーム
プレイ時間:1時間
分岐:あり。GoodEnd4、BadEnd4
ツール:ティラノスクリプト
リリース:2017/8


先週、しゃん子channelというYouTubeチャンネルでフリーゲームCMコレクションという企画があり、私はそこで様々なフリーゲームのPVを見て楽しんでいました。内容盛りだくさんでクオリティの高いPVが勢ぞろいだったので、見てない人はぜひ見てみてくださいね。きっと気になる作品が見つかるはずです。
その配信の中で出た発言「フリゲは性癖博覧会」の印象が強烈でよく覚えています。実際、いろいろなフリーゲームを探していると、一歩引いてみれば変態だなあと思うような作品がかなりあることに気付きます。商業作と違って作者のさじ加減でいくらでも好きなものを詰め込めるのがフリーゲームのいいところの一つだと私も思っているので、こうした作品の中にはフリーゲームらしい良作があるだろうと思い、よくプレイしています。
さて、変態なフリーゲームは数あれど、その方向性は2つに分けられると思っています。一つは登場人物が変態な作品。もう一つは設定が変態な作品です。今回ご紹介する「女子トイレの殺人」は前者の方向性で最強だと思っています。大変強烈なキャラクターが次々登場し、登場人物の変態性という意味でこれを超える作品は見たことがありません。トイレという単語以外の下ネタなしでここまで濃い嗜好を表現することが可能なのかと驚愕させられます。


では、作品内容の紹介に移りましょう。本作のプロローグは次の一文で始まります。
「それは、俺が女子トイレの個室から出た瞬間のことだった。」
お前は男か?と初っ端からツッコみたくなりますが、先に進みましょう。主人公の助士怜人(女子トイレのアナグラムですね。無論男)は女子トイレが大好きという大変特殊な性癖の持ち主。彼曰く、人が用を足しているのを覗いたりすることに興味があるのではなく、純粋に女子トイレという空間を愛しているらしい(理解できない)。彼がいつものように公園の女子トイレから出てくるとそこには頭から血を流した男の死体が! その場に居合わせたトイレ利用客の奥竹葵("ブルーレットおくだけ"かな?)、梨木かおる(りきかおる。消臭力のことでしょう)に殺人の疑いをかけられる。しかし身に覚えのない怜人はひとまず通報はせず、この事件の犯人を当てる推理対決をすることを提案する。どうやらそれぞれ後ろめたい要素のあるらしい2人はそれに同意。かくして社会的な生存を賭けた推理バトルが始まるのであった……

本作のうまいところの一つは、"社会的死を回避せよ"という宣伝文句にもある通り、登場人物にそれぞれ公にしたくない趣味があって、それを隠しておくためには警察からの取り調べを回避したいという利害の一致があるところでしょう。この変わった着眼点にまずなるほどと思わされました。
そしてその隠しておきたい趣味がものすごく濃い! 怜人の女子トイレ(という空間)好きも理解しがたいですが、葵の趣味もそれに負けないくらい理解不能なものです(まあ世界は広いから探せば同じようなことしてる人もいたりするのかな?)。かおるの趣味はそれらに比べたらだいぶ理解しやすいでしょう(それでも公言しにくいという点では同じかと思いますが)。そして怜人に「(キャラが)薄い!」と理不尽にツッコまれる。このあたりのツッコミもスピード感があっていいですね。

さて、本作にはもう一人強烈かつ重要な登場人物がいます。怜人のストーカーという流川乙姫(るかわおとひめ。水音出すやつですね…)です。彼女の変態さも相当なものですが、それに目覚めるきっかけとなった出来事も描かれるのが良いです。変態って、あれだけ堂々として開き直ってると人を救うこともあるんだなという謎の感動(?)に包まれました。

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本作のギャグはとにかく言葉のパワーが強すぎるんです。上の画像での「イノセント変質者」はその筆頭。他人の言い逃れを見破る術(を知っている理由)、「変態のサラブレッド」、「それ以来学校の女子トイレは出禁になってしまった」などなど…。しかも、これらのギャグとして登場したセリフが推理をする際に伏線として再度登場したりするなど、非常に芸が細かいです。

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そんなとんでもないメンバーで繰り広げられる推理バトルですが、推理部分も意外としっかりしているのも高得点です。ただのトンデモコメディーと見せかけながらしっかりとロジックが通っており、笑えるだけでなく印象に残る話になっているように感じます。また、一人の優秀な探偵役が事件の全貌を明らかにする、というタイプのミステリーではなく、その場にいる全員が協力して、時には他の探偵役の証言の不自然さを指摘しながら推理をするという形で進んでいくのですが、こういった作品は珍しいんじゃないでしょうか。
しかしそんな推理を披露するのは常人には理解不能の変態たち。ノリノリで自身の特殊性癖を暴露した人が、次の瞬間には冷静に相手の議論の穴をつく、そんなシュールさも本作の特徴でしょう。

本作がロジックの面で非常に特徴的なのは、一つの真実が用意されているわけではないというところでしょう。作中ではミステリー定番の犯人指摘シーンがあります。ここで4つのエンディングに分岐するのですが、なんと誰を犯人としてもそこそこ筋の通った論理が組み立てられ、違和感のない結論に至るのです。これは他の作品にはない珍しい仕様ではないでしょうか。それぞれのエンディングでは犯人や動機は異なれど同じようなコメディー展開が待ち構えており、まったくブレません。葵ルートだけはちょっと異質でしょうか。
ちなみに私が一番好きなルートは乙姫ルートです。さっきまで決死の犯人あてバトルをしていた変態たちが、共通の敵の出現を見て一致団結する展開と、そのあとで怜人が勝ち誇るシーンにハマりました。

さて、プレイしていて気になった点も少々あります。
一つは人物の名前もわからない段階で現場見取り図に全員の名前が書かれているところです。単純に「誰?(どっち?)」となりますし、この図は誰が書いてるんだろう、とかも気になってしまいます。あと、身長180cmは中肉中背というのだろうかとか、そこは"言及"ではなく"追及"じゃないだろうかとか、そのあたりの言葉遣いや誤字脱字も多めかなと感じます。
UI面でももう少しプレイしやすくなっていたらよかったなと思うところがあります。具体的にはバックログが非常に読みづらいです。また、1ページ分しかさかのぼれません。ボタンがトイレットペーパーになっているなどの工夫は独特で良いと思います。

さて、今回は強烈な作品の紹介でしたが、トイレ以外の下ネタは本当になく、そこまでお下品でないのでコメディー好きの方なら広く楽しめると思います。ちなみに蛇足ですが、ふりーむ!で「トイレ」でゲーム検索したら70件もヒットしてびっくりしました。みんなトイレ大好きですね(笑)

それでは。

こんにちは。今回は、おととい公開されたばかりのベルカゲさんの最新作泡沫の花が散るをご紹介します。

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ジャンル:ミステリー&百合ノベルゲーム
プレイ時間:ノーマルモードですべて読んで1時間半くらい。フルコンプまで2時間ほど
分岐:基本一本道。ゲームオーバーあり
ツール:ティラノスクリプト、ブラウザ版あり
リリース:2021/7
備考:12推


チェス殺人事件以来のミステリーのご紹介になります。チェス殺人事件では手掛かりとなるのは人物情報とチェスのルールだけというお手軽さでしたが、本作は事件に至る状況の描写とか捜査パートもあり、力の入った作品になっています。

まずはあらすじを簡単にご説明しましょう。本作の主人公はミッション系の女子高、ロータス女学院に通う2年生の綾小路花蓮。唯一の正当な文芸部員として活動している。幼馴染で1年生の嘉手納向日葵(かでなひまわり)は写真部所属。クラスメイトの演劇部員に頼まれて、合宿中の撮影係として同行することに。3年生の不知火(しらぬい)あやめの別荘の豪華さと演技力の高さに驚いたり、彼女をめぐる人間関係のごたごたに巻き込まれたりしながらも無事に1日目を終え眠りにつく。2日目にいつまで経っても来ないあやめを探していると、なんと彼女は温室の中で無残な姿で発見された。しかし山奥のため夕方のバスの時間まで外部に連絡することもできない。花蓮は何としてもこの違和感のある事件の真相を見つけて向日葵を安心させるんだと心に決めるが……

と、こんな感じです。ミステリーの王道的な展開でしょう。この説明を読んで気付いた方も多いと思いますが、本作の登場人物は皆花に関係した名前になっています。主人公の名前には花という字が入っていますし、その他にも向日葵、朝顔、夕顔、あやめ、のばら、菊華に竜胆と様々な花の名前がそろいます。人名としては見慣れないものもありますが、各登場人物の髪の色が花の色に対応している感じのキャラクターデザインなので大変覚えやすく、特にミステリーにおいては大きなメリットでしょう。
さて、ミステリーにおいて魅力となってくるのは事件のトリックの意外性やそれを解き明かす体験だけでなく、ぐちゃぐちゃした人間関係やそこから生まれる事件への動機といった面も大きいでしょう。本作はその点において評価が高いです。
みんなの尊敬の的であったあやめの過去と悩み、彼女へ恋愛感情を持つ生徒とそれを快く思わない者の存在、妙な違和感のある不知火家の別荘の間取り。これらが本作はミステリーであることをしっかりと主張してきて、期待感を高めてくれます。

今、「え、主人公たちって女子高の生徒じゃなかった?」と思った方は鋭いですね。そうです。本作では女の子同士で恋愛感情を持ったり付き合ったり、さらには依存したりといったことが普通に行われています。つまり本作はミステリーでありながら百合ゲーとしても楽しめるわけです。作者のベルカゲさんは乙女ゲー作ったりギャルゲー作ったりBL作ったりと様々な方向で作品を発表しているのが特徴的なサークル。ミステリーを作ったと聞いて今回は違う方向性なのかなと思ったりもしたのですが(事実、恋愛面を除いたら過去作とはかなり印象が違いました)、きちんとベルカゲ節は発揮されているのでした。ちなみに百合といっても、「女の子同士なんて…」みたいな葛藤や周囲からの横槍が一切なく純粋にお互いのことを好きあっているのがこの作者さんの特徴。ともすれば殺伐とした空気になってしまうミステリーにおいてほっと一息つける場を提供してくれます。

BGMはクラシックなどの落ち着いた雰囲気の曲が多めで、お屋敷の豪華さや先輩たちの演技力なんかを音から引き立てています。私は終盤で使われていたチャイコフスキーの金平糖の精の踊りの不気味な感じがするアレンジが気に入ったので、クレジットを見てこれはポケットサウンドのクラシックアレンジシリーズに違いないと思って探したのですが(クラシック名曲サウンドライブラリーはアレンジはしていない)、違いました。DOVA-SYNDROMEのHuppleさんでした。

さて、話を本筋に戻して肝心の事件とその捜査・推理パートを見てみましょう。
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捜査パートでは、マップに従って屋敷内で聞き取りや証拠集めをしていきます。選択肢を全部試せば証拠収集できるので難しくはありませんが、証拠の数が大変多い! 捜査開始前に証拠品一覧画面を見た私はその空欄の数に圧倒されました。そんな証拠品ごとにアイコン用イラストが用意されていたり、状況を記録した写真とか、現場の見取り図とかがきちんと用意されていて、大変な作りこみようだなあと感心しました。
推理パートにおいては、議論中の話題ごとに適切な証拠品や証言を選択していきます。間違った選択をするとLIFEが1減り、0になってしまうとゲームオーバーです。しかし花蓮が話題を誘導してくれるので、それに従って進めていけばそれほど難しくはないでしょう(推理パートに入る前に事件のあらましが分かったという方がいたらすごいです)。ただ、2~3個くらいの証拠のどれでもよさそうだなと感じる場面でも正解は一つだけのようで、私はそのシーンなどでLIFEをゴリゴリ削られました。
こうした要素が苦手な方のためには、イージーモードが用意されています。証拠選択シーンが全証拠からの選択ではなく3択になり、LIFE切れになっても半分の値で復活可能。また捜査パートにおいてダミー証拠をつかむことがなくなります。配慮はかなり行き届いているといっていいでしょう。推理が苦手な方向けだけではなく、例えば周回プレイ用に事件に直接関係のない部分を省けるあらすじモード搭載、証拠選択画面になる前に予告がある、証拠選択画面でもバックログなどの参照可(意外とこれができない作品は多かったりする)、右上に議題が出るのでスキップ使用時でも流れの把握が容易など、多方面でプレイしやすくなる配慮がされており、周回プレイもストレスフリーにできる工夫があらゆる場面でなされています。ぜひSSランククリアを目指して周回してください。

推理の内容やトリックはどうだったかというと、正直なところよくできているとまでは言えない感じがしました。ほとんど状況証拠しかない中であっさりと自白しちゃうし(ただしこれは動機を考えれば納得できる気もする)、ちょっとそこに発想の飛躍ない? と思ったところもありました(論理の飛躍とか破綻ってわけじゃないのでそこまで気にするほどでもないかも)。しかし私は本格推理小説を読むつもりでプレイしたわけではないですし、推理をする花蓮の堂々とした態度は大変魅力的だったように感じます。現状は一つの事実によって力ずくでゴールに向かっていった感じがあるので、何かもう一つ、まさかと思わせるトリックがあると立体感が出てきて一気にミステリーとしての魅力が上がるような気がします。
事件に関して私の評価ポイントが高いのは、主人公たちがミッション系の女子高に通っているという設定が活きていたことですね。冒頭のチャペルでのシーンが素敵だから、みたいな理由ではなくきちんと事件の一つの要因になっていたというのはうまいと思います。あとは、制服もかわいいしね!
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さて、先ほどベルカゲさんの特徴は性別なんて気にしないおおらかな恋愛描写だというようなことを描きましたが、もう一つ重大な特徴があります。ネタバレを考えて具体的には言いませんが、過去作をプレイしてきた方ならお分かりと思うあの要素です。それがまさかねえ、エピローグからおまけ小話にかけてぶつけられてくるとはねえ…油断しました。ここでもベルカゲ節は炸裂です。油断した私が悪いんですが、ここはもう少し後味よくしてくれたほうが個人的な好みには合いました。
そうそう、あとがきでも書かれている通り小話は第2の本編とも言えるようなおまけの充実ぶりもベルカゲさんの特徴でした。立ち絵ギャラリーで遊べたりもするのでぜひやってみてください。

最後に私の推しキャラの話をしましょう。Twitterにも書きましたが、エアコン騒動でパジャマ姿で震える向日葵ちゃんが可愛い!
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スクリーンショットでは分かりませんが文字通り震えてるんでぜひプレイして確かめてください。
そしておまけ座談会にパジャマパーティーあり。需要分かってるなあ。

それでは。

こんにちは。今回は伽那ノ光さんの二酸化テルルをご紹介します。

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ジャンル:現代乙女ゲーム
プレイ時間:1周20分、フルコンプまでで2時間以内
分岐:4種類
ツール:吉里吉里
リリース:2013/7
備考:第9回ふりーむ!ゲームコンテスト女性向けゲーム部門銀賞受賞作


こんにちは。今回ご紹介するのは現代舞台の乙女ゲームですがちょっと変わった雰囲気の作品です。中学校が舞台だけど普通の学園ものとは違う。そう、本作は生徒である天音セレンと理科教師仁志輝流(にし・きりゅう)の間の物語なのです。禁断の恋という感じでフォーカスされているわけではないのでそこを求める方には物足りないかもしれませんが、生徒と先生、コドモとオトナの対等でない関係の間でどう展開するのかは見どころの一つでしょう。


さて、本作が変わっているのは生徒と先生という関係性だけではありません。タイトルを見てお気付きになるかと思いますが、本作には化学物質の名前がタイトルとして与えられています。そこからもわかる通り、化学が本作のストーリーを支える大切な要素になっています。とはいっても難しい話は出てこないので大丈夫。主人公天音セレンは中学3年生なので、中学校の範囲の内容しか出てきませんし、シナリオ中では適宜出てきた用語などについての解説が入ります。ちなみにこの解説は、仁志先生がさらっと格好よくしてくれるパターンと、シナリオを中断して注釈が入るような形で解説してくれるパターンがあります。出てくる用語自体は義務教育の範囲内ですが、付随するうんちくなんかも語ってくれたりするので理系の方も退屈しないと思いますよ。作者の伽那ノ光さんは医師とのことで、専門性を生かしたシナリオになっています。
逆に、科学的な(理屈っぽい)語り口などにアレルギーがある方だと本作を楽しむのは難しいかもしれませんね。昔習ったことを忘れてしまったという程度ならセレンと一緒にプレイヤーも生徒側に回ればいいのですが、酸素を作るとか電気分解するとかいった話題自体が苦手なら本作はお勧めしません。


そんなことを言っていると、本作は理屈をこねて難しい話を続けるようなゲームかと思われるかもしれませんが、それは違います。主人公セレンがとる選択肢は必ず科学的・空想的という対になっていてどちらも選ぶことができます。そしてどちらを選んだ回数が多いかによってエンディングが分岐するのです。理科の先生が攻略対象だからと言って、科学しまくれば良いエンディングにたどり着けるのかというとそうではありません。科学エンド、空想エンド、そして中間にあたる中道エンドのどれもがそれぞれ少しずつ違って優劣のない結末を見せてくれます。科学を押し付けることがないようなこの態度はなかなか好感が持てます。
そうした作品の構成だけでなく、文章表現でも詩的で素敵だなあと思える魅力もあったりします。私は「職員室にナッツのようなカラメルのような香りが広がる。たちまち、灰色だった部屋に赤みがさしこんだ。」「先生のほほえみは、準備室に広がったクリームの香りのように甘かった。わたしはその笑顔に、どきりとした。」などが気が利いていて好きだなあと思いました。


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さて、上の画像を見るとわかりますが、本作のイラストは非常にきれいです。セレンがかわいらしいのはもちろん、仁志先生もいいですね。教師という立場でクールに振る舞いますが、笑顔も見たくなる。そして3つのエンディングではそれぞれ専用スチルもあるのでぜひ集めてみましょう。ちなみに残り1つのエンディングは実質ゲームオーバーなのでスチルはありません。
もう一つ上の画像で特徴的だと思うのは、会話ウィンドウの配置です。普通のノベルゲームでは画面下部にウィンドウが1つあり、地の文も会話文もそこに表示されると思うのですが、本作では会話文は通常のテキストウィンドウとは別に立ち絵から吹き出しが出て表示されるのです。大変独特で慣れるまでは読みにくいかもしれません。しかしシステム面はしっかりと作りこまれているのでシステムに由来するプレイしにくさはかなり少ないですよ。ちなみにメニューバーの操作説明ボタンを押すと、作者さんの過去作せつなゆ魂のキャラクターが本作の操作法を解説してくれます。


本編中では仁志先生はあくまで先生であり、セレンがいくらアプローチしても大人の対応で、セレンは仁志先生のトクベツ課題を受けていることをうれしく思いながらも、いち生徒としてしか見られていないんじゃないかと寂しく感じたりします。このあたりの描写って、乙女ゲームとしてのすごくいいところだと思ってます。しかしそれだけでは物足りなく感じてしまうのも事実。結局セレンの恋は実らないのかと思うと残念だったりもしてしまいます。ですが心配は無用。2人の甘々っぷりはエンディングとエピローグでたっぷりと味わえます。特に恋する理科ノートの話では、セレンの脳みそが沸騰したところで私の脳みそも沸騰しそうでした。表情の変化も細かくていいですね。注文を付けるとしたら、エンディングでなぜ仁志先生がこれまでの態度を翻してセレンの気持ちに応えてくれたのか、の部分を読んでみたかったというところでしょう。エピローグは本編から時間が経っての話ですし、話のつながりのようなものよりは1つのシーンの魅力が大事だと思うのでセレンと仁志がラブラブになっていてもいいと思うんですが、本編エンディングではその部分が少し気になりました。

最後にどうでもいい蛇足なんですが、美術室に行ったときの回想で、セレンが課題で「わたしがいる風景」を描くために悩んでいるとき、仁志先生がキイロイトリの絵を描いたというシーンがありました。偶然だとは思うんですが、この題材が、三善晃作曲の混声合唱とギターのための組曲「クレーの絵本 第1集」の終曲「黄色い鳥のいる風景」を連想させてちょっとびっくりしました(元になった詩は谷川俊太郎のものです)。

さて、今日は少し変わった乙女ゲームのご紹介でした。大変クオリティの高い作品で、実は隠しイベントもあったりするので気になった方はぜひプレイしてみてください。隠しイベントのヒントは、周期表(タイトル画面に表示されている、元素をその性質をもとに並べた表)です。2人の名前の由来や作内に登場した科学知識の補足、セレンの過去などの話が聞けます。特にこのセリフ。

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作内の登場人物がしっかり背景を伴って生き生きと描かれているのって大事な要素ですよね。
本イベントへの入り方の答えはここには書きませんので、頑張って探してみてください。

それでは。

今回はEYEZMAZEさんのGROWキューブのご紹介です。

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★favo
ジャンル:試行錯誤を楽しむパズルゲーム
プレイ時間:1プレイ3分以内
分岐:正解ルートは一つ。その他にも無数の結末あり
ツール:HTML5(ブラウザゲーム、スマホ可)、スマホアプリ版あり
リリース:2014/9(HTML5版)


今回は久々にパズルゲームのご紹介となります。
本作のルールはいたってシンプルです。10個のアイテムがあるのでそれらを順にクリックしていきます。クリックするごとに、画面中央にある立方体にそのアイテムが投入され、その時の立方体の状態に応じて各アイテムがレベルアップしていきます。最終的に正しい順番を導き出すと、すべてのアイテムがレベルMAXとなるのでそれを目指すというものです。

それだけで何が楽しいのかというのは、私がここでどうこう説明するよりも、実際にプレイしてみていただくのが一番早いと思います。
というだけでは全くレビューにならないので、私なりに説明を試みましょう。

まずはアイテムの成長にちょっとしたストーリーがあって、それによってキューブが発展して姿を変えていくのを見守るのが面白いという所です。正しい順序を選べた時、ああそうか、このアイテムがすでにこの状態になっているとこっちが成長できるのか、といった気付きにもつながります。キューブを能動的に発展させていくのはもちろん人ですので、人のパネルは早めに選んでおきましょう。
また、そのアイテムの成長にちょっとした意外性があるのも気持ちいいところです。パイプがどんな風に伸びるかとか、土器を使って何を作るのかとか、植物の活用法とか(右上のこんぺいとうのようなパネルは植物の種です)。
そして最も重要なのは、不正解ルートです。順番が間違っていても、単にアイテムのレベルアップが途中で止まるだけでなく、不正解独自の変化を遂げるパターンが大量に用意されています。中には、成長途中の他のアイテムと絡み合って、正解ルートとは全く違った方向への成長をするパターンもあります。何回も試してみても、順番をちょっと変える度に異なる成長を見せてくれるので、見ていて飽きません。そしてその成長の仕方がどれもこれもほっこりするような愛らしさなのです。

GROWはシリーズとして本作以外にもいくつものゲームが公開されているので、本作を楽しいと感じた方は、ぜひシリーズの他の作品にも触れてみてください。そのどれもが本作のような豊かな想像力に支えられた可愛らしい作品となっています。画面の隅で起こる出来事一つ一つまで丁寧なアニメーションがあり、いつまででも見ていられますよ。

最後に、どうしてもわからない方向けの攻略ヒントを載せておきたいと思います。必要なところをクリックして読んでください。

全体的な方針 キューブを発展させるためにまずは能動的に動けるアイテム、つまり人が大切です。人は早い段階で設置しましょう。
また、アイテムには設置するとほぼ無条件でその後数ターンにわたってレベルアップするものと、特定の条件を満たさないとレベルアップしないものがあります。通常各アイテムは1ターンに1回しかレベルアップしないため、前者については最大で何レベルなのかを考えて、すべてのアイテムを設置するときにちょうどレベルアップが完了するように調整しましょう。後者についてはなるべく早い段階でその条件を満たすようにします。また、キューブの外に落ちてしまうとそれ以上レベルアップしません。そうならないように状況を見て選びましょう。

特定の条件について詳しく
  • 人が活動を行うためには水源が必要不可欠です。
  • また、土地を発展させるには緑化が大切です。
  • 土器は火にかけて使いますが、火力の調整が必要です。火がレベルアップするころには土器が完成するように計算しましょう。
  • パイプはどんどん伸びていきますが、伸びる先に邪魔なものがあると伸びていけません。具体的には、土器を移動させるとパイプが通る穴が掘られます。
もう答えを見せて (人、水)、種、土器、パイプ、火、皿、骨、(バネ、ボール)
の順番でクリックするとクリアできます。括弧内のものはそれぞれ順番を入れ替えてもよいです。

こんにちは。
以前Twitterで、フリーゲームのBGMに使われている素材の探し方みたいなことをつぶやいたら思ったより反響があったので、今回はBGMについて思いついたことをつらつらと書いていこうと思います。
始めに書いておきますが、今回はかなり長いです。素材特定のコツだけ教えろよ!という方はこちらからどうぞ。

私は小学校から高校に通っている間ピアノを習っており、大学では合唱団に所属して合唱にも取り組みました。そんな私が聴く音楽は主にクラシックのピアノ曲か合唱曲でした。すごく熱心にやっていたというほどではないですが、どちらもそれなりに楽しくて続けています。ちなみに演奏経験のある好きな曲はR.シューマンの「子供の情景」より13曲目「詩人は語る」や、高田三郎の混声合唱組曲「水のいのち」より1曲目「雨」、G.マーラーの交響曲第8番(通称「千人の交響曲」)などです。自分では難しすぎて絶対弾けないけどあこがれるのはF.ショパンの「英雄ポロネーズ」、弾きたいしそのうち練習しようと思いつつ全然練習に取り掛かれてないのは同じくショパンの「華麗なる大円舞曲」です。

そんな私がその他の音楽を聴くようになったきっかけは間違いなくむきりょくかん。さんの「ほしのの。」との出会いでした。「ほしのの。」については今度じっくり記事を書くとして、今触れたいのは使われていた音楽です。この作品(原作Flash版のほう)は2007年公開と古い作品なのですがエンディングテーマがボーカル付きです。fokaさんの「あたりまえ かわりばえ」という曲でして、この曲の歌詞とメロディーがとにかくシナリオの雰囲気とぴったりマッチしていることに感動してしまったのです。作品クレジットからfokaさんの楽曲であることを知るとすぐさまサイトに飛び、速攻でダウンロードしてずっと聴いていたのを覚えています。それ以来、プレイしたフリーゲーム内で気に入ったBGMがあると素材を探し出して鑑賞するのが一つの趣味となりました。そんな感じなので、クリア後に音楽鑑賞モードのある作品はそれだけで私の中の評価レベルが1段階上がります(笑)
最近のフリーゲームはかなり力を入れて作る方も多く、BGMも素材は使わずに作曲してオリジナルを使っているものもありますが(もちろんそうした作品も凄いと思いますし、音楽のクオリティーもとても高いことが多いです)、素材を使った作品だとプレイ後にBGMを収集してきて鑑賞するといったことがしやすいですし、「これはあの作品にも使われていた曲だ!」みたいににやにやすることもできるわけです。

自作曲の場合はサウンドトラックまで用意されているような作品もあり、その場合はかならずチェックします。必ず買うとは限らないのですが、BGMから場面が思い起こせるような印象的なものがあったら買うようにしています。ちなみにサウンドトラックまで無料で提供されている作品も数は少ないですがありました。私がプレイした中で知っている範囲では、妹れっぐぅおーまーさんの「風のように、花のように。」(ただし現在ではサウンドトラック配信は終了している模様? ニコニコ動画で試聴は可能。作品自体はまだ公開されているがダウンロードリンクがリンク切れになっているところも多い。また、作品は全年齢だがサイトは18禁作品を含むので注意)とFour Leaf Studiosさんの「かたわ少女」(注:18禁)です。みやのさんは、ニコニコ動画でBGM集を投稿されていますね。

さて、プレイした作品内の素材BGMすべてを収集しているわけでは当然ないのですが、それでもこれまでに集めた素材は100曲を優に超え、曲を集める際のコツみたいなものも少し掴んできました。この、フリーゲーム内に使われているBGM素材を探すコツについては需要がありそうな感じがしたので、いくつか書いてみますね。
  • 当然ですが、まずは作品ReadMeやクレジット表記を読む。曲名まで書いてあれば特定は簡単。
  • クレジットに楽曲提供者や配布サイト名のみしか書いていない場合
    • 探したい曲を分かる範囲で良く調べます。
    • 楽曲の長さは有効な絞り込みの条件になることが多いです。作品内でそのBGMがかかる場面でプレイの手を止め、ストップウォッチで大体何分何秒の長さがあるか調べましょう。ループ素材の場合はどこまでが1周なのかわかりにくい場合がありますが、何週かすれば大体分かります。ゲーム作者によって素材の一部をカットするなどの加工がされ、素材楽曲の長さとゲーム内で計測される時間が異なる場合もあることに注意。
      • DOVA-SYNDROMEなどの膨大な数の曲が登録されていて、曲の長さによる検索機能が充実しているサイトで特に有効。
      • 他のサイトでは、Senses Circuitなどでも時間による絞り込み機能あり。甘茶の音楽工房では、演奏時間順ソート機能あり。
    • 曲に使われている楽器や、拍子などを聴き取る。
    • 曲の雰囲気を表すのに使われそうな単語をイメージする。楽しい、幻想的、壮大、和風など。音楽素材サイトでは色や季節によって雰囲気ごとに曲を探せる機能があることも多いので、あてはまりそうな分類を重点的に探す。
  • 配布サイト名表記すらない場合
    • 特定はかなり困難です。素材配布サイトのうち規約でクレジット表記を必須にしているサイトは除いて考えられるくらいでしょうか。
      • ただしoo39ドットコムのように、クレジット表記しなくてもよいライセンスを販売しているサイトもある。
    • 同じ作者の他の作品にはクレジット表記がある/何の曲かわかる場合には、同じ方の曲を使っている可能性が高いので重点的に調べるといいでしょう。
  • その他のテクニック
    • 当然ながら、作品の公開日より後に公開された素材は利用されていない。配布サイトで公開年月日が分かる場合は絞り込むことができる。そうでない場合でもたいていの場合は公開日順に並んでいるので参考にはなる。
    • 作者が自身のサイトやSNSでBGMに関する話をしていないかチェックする。
いま思いついたのはこんな感じです。また、古い作品の方が探すのは苦労します。サイト移転などによりクレジット表記がリンク切れになっていたり、楽曲製作者がサイトを閉鎖していたりする確率も上がってしまいます。サイトが閉鎖されていた場合は入手は絶望的なので、欲しい素材がある場合はすぐに調べるに限ります。

さて、私はフリーゲームのBGMを集めることは何度もやってきたわけですが、それらの経験の中でも印象的だった時のことをいくつかお話します。

Ramineさんの「southern cross」

これは、むきりょくかん。さんの「ごがつのそら。(Nscripter版)」のおまけシナリオ終盤で、2人が洞窟を抜け"はちがつのゆき"の地点に到着した時に流れるBGMでした。このソフトで穏やかな曲調なのに壮大な感じがするような曲が大好きで、DLしてじっくり鑑賞したい!となったのですがそう簡単にはいきませんでした。作内の音楽鑑賞モードでほとんどのBGMはクレジット付きで鑑賞できるのですが、なんとこの曲だけはリストになかったのです(作者さんのミス?)。それでもあきらめられない私。いろいろさがしましたが結局分かりませんでした。そんな私が何の曲か突き止めるきっかけになったのはなんと本作の英語版「May Sky」をプレイした時のことでした。なんとDLしたフォルダの中に暗号化されていないNScripterのスクリプトファイルの一部が紛れ込んでいたのです。本来見えちゃいけない情報だろうなあと思いつつ中身を確認すると、BGMを指定するタグなども記入されていることを発見。該当部分を探し出し、曲名が”southerncross"(あるいはそれに類する名前)らしい、というところまでたどり着きました。しかしsouthern crossは一般名詞(南十字星)なので正確な曲名や作曲者を特定するには至らず。そこで当時存在していたインディーズ音楽配信サイト「muzie」で検索して2ページ目くらいに出てきたのがこの曲でした。見つけるのに相当苦労したのでこの時の喜びはかなり大きかったです。ちなみに、このときmuzie検索でトップだった403さんの「Southern Cross」も後にSparebeatというゲームで再会し好きになることになります。arika-projectさんの「こころのアリカ」(Flash作品のため現在はプレイ困難)でも使われていた曲だと気付くのもまだ先の話です。

DOVA-SYNDROME/yukiさんの「いちごホイップ

この記事を書くきっかけにもなったツイートでも例に出した曲です。私がこの曲に出会ったのは、SNさんの「僕が魔法使いに捕まって女の子にされたワケ」のタイトル画面です。この作品は私のツボにドはまりしまして、とにかく爆笑しました。お色気要素の程度もちょうどよく、さらにはキャラクターの設定がしっかりしていてギャグだけでなくシリアスな展開もあり最高だったのですが、残念ながら現在は公開停止になっています。本作をプレイし終わった私は、大満足し、タイトル画面で使われていた可愛らしい曲を探すことにしました。しかし本作のReadMeには配布サイトの名前しかありません。曲名が分からないため探すのに苦労しました。2つ書かれていた配布サイトの中ではDOVA-SYNDROMEが配信曲数で圧倒的に多いため、ここの可能性が高いだろうと踏んでとにかく探しました。ここで役に立ったのがツイートでも紹介した曲の再生時間による絞り込み検索です。タイトル画面でストップウォッチをもって計測し、約1分だったため30秒~1分と1分~1分30秒の2つで検索。さらに、楽しい、可愛い、4拍子、シンセなど条件を変えていろいろ絞り込みます。膨大な数の候補がありましたが、公開年の2016年3月の曲から気合でさかのぼって調べ、およそ2時間かけてyukiさんの「いちごホイップ」にたどり着きました。この時の興奮はなかなかでした。ちなみに、この曲は後にmisosioさんの「お前のスパチャで世界を救え」などの作品にも使われることになるほか、広告動画やYouTuberもよく使う楽曲であるとは当時の私は知りませんでした。

DOVA-SYNDROME/田中芳典さんの「Catharina(カタリナ)/Agnus Dei~Kyrie

この曲は、CHARONさんの「ほろびのゆりかご」という作品をプレイしていて出会った曲です。一日が終わった場面で暗転し、夢の中に入るような感じでこの曲が始まるのですが、合唱経験者の私は即座にこの曲の歌詞が「Agnus Dei. Gloria. Kyrie.」だということに気付きました(ほとんど子音が無いようなコーラスのみなので、そのまま発音してはいないです)。Agnus Dei(アニュス・デイと読みます)というのはラテン語で神の子羊、つまりキリストを指す言葉です(キリスト教徒でもないのに何でこんなこと知っているかというと、合唱の題材として扱われることが多いからです。声楽は教会音楽から発展してきた面が大きいですが、Agnus Deiはまさに教会で歌われるミサの讃歌(平和の讃歌)です。西洋音楽に大きく影響を与えているので合唱経験者はミサ曲について知っている人が多いです)。いきなり神秘的な音色でかつ宗教色が出てきたので、プレイ中の私は「ああ、さっきの選択肢を間違えてこれは主人公が死ぬバッドエンドなんだな」というのを、テキストを送る前に悟りました。
大変印象的だったのでプレイした後、クレジットにDOVA-SYNDROMEの名前があるのを見て「Agnus Dei」で検索すると一発でこの曲が出てきました。ちなみに、Kyrie、Gloriaもそれぞれ日本語では憐れみの讃歌、栄光の讃歌と言われ、ミサ曲を構成する要素です。


さて、このマニアックな記事をここまで読んでくださった方にお勧めの遊びがあります。まずDOVA-SYNDROMEのYouTube公式チャンネルに行って、先月の再生数トップ100などの適当な再生リストをランダム再生します。するとたまに聞き覚えのある曲が流れてくると思いますので、それが一体どのフリーゲームに使われていた曲なのかを当てるという遊びです。YouTubeで上がっているだけあって、フリーゲームよりはYouTuberによる使用例などのほうが多いようで、知っている曲の割合は低かったですが、たまにわかる曲に出会うとテンションが上がります。私の場合、稿屋隆さんの「so sweet」を聞いた瞬間に頭の中がおばけさんの「コメット☆キャンディ」になりました。
ほかの音楽素材配布サイトでもこんな遊びができたらいいんですが、ランダム再生機能があるサイトは全然ないんですよね……。フリーゲームによく使われている印象のあるサイトでこの機能あったらたぶん1日中聴いていられる気がします。


かなり長くなったので今回はこの辺にしておきます。いろいろと語り散らしましたが、まだまだ思い出の曲などあるので、気が向いたら第2弾の記事も書くかもしれません。この記事内で名前を出した作品もそのうち紹介したいですね。

それでは。

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