こんにちは。今回はパルソニックさんの「決戦前のヒトリ~主人公以外全員『カップル』がいるアドベンチャー~」のレビューをお送りします。

ジャンル:ラブコメ推理パズル?
プレイ時間:私の初見プレイでTRUE ENDまで1時間半
分岐:エンディング2種
ツール:RPGツクール
リリース:2022/9
さて、本作の作者であるパルソニックさんと言えば、有名作「かわいいは壊せる」でお馴染みです。(私もそのうちプレイしなきゃな~と思っていつつ実はまだプレイしていないのです)
ある日ふりーむをいろいろと探索しているとき、たまたま本作が目に入りました。論理パズルは割と好き(得意分野でもある)ので興味を惹かれ、作者名を見ると見覚えのある方だったのでびっくり。早速ダウンロードしてプレイしてみたところ、バカゲーに見えてかなりよく練られた作品だったので今回ご紹介しようと思います。
いつものように本作の大まかな内容を最初にお話ししましょう。
主人公であるヒトリは最強の勇者。姫であるヒロを救うための冒険を続け、ついに魔王との対決に挑みます。ところが最強であるヒトリの力もわずかに及ばず、捨て身の攻撃でも魔王をしとめるには至らずに負けてしまいます。
そんなときに突然現れたのは神を名乗る人物。”世界の真実”を解き明かせばヒトリを生き返らせてくれると言います。当然その条件をのんだヒトリでしたが、要求されていたことはなんと、この世界において誰と誰がカップルであるかを全て突き止めることだったのです。
誰と誰が付き合っているのか、怪しいところを調べて証拠をつかみ、世界の真実を見つけ出せるのか、ヒトリの第2の冒険が始まる……

というわけで本作は推理ゲームとなっています。
魔王との決戦前夜、パーティーを組む仲間たちや村に住む人々の家を探っていく勇者のヒトリ。勇者というよりは泥棒みたいです(普通のRPGでも割とよくある光景ですが…)。そして翌朝には村人たちも起きて活気のある村を再度探索、会話などからヒントを探っていきます。一見ラブラブに見える2人が本当にカップルであるのか、あの家に住んでいるのは誰なのか、誓いのアイテムを持っているのは誰なのか……、いろいろ考えることがあってこの推理部分が良くできている作品だと思いました。
特に、本作においては魔王戦後の答え合わせで間違えると再度神に決戦前夜まで戻されるループシステムを採用しています。このシステムがなければ解けないような謎が仕掛けられているのが上手いなと思ったポイントでした。翌朝手に入るはずの情報をもって夜のうちに行動を起こすとどうなるのか、夜と朝で会話内容の整合性をとるにはどういった前提が必要なのかなど考えながら進めていきましょう。
RPGツクールのシステムもうまく生かしていて良いですね。

という感じで、推理部分がなかなか難しめに作られています。ミスリードを誘う展開もあったりして、1度や2度では正解にたどり着けないでしょう。(私は5答目で正解しました)
しかしこのあたりの推理の苦手な方でも安心な要素として、神からのヒントがあります。2度目以降誤答するごとに1つヒントがもらえます。そのまま答えがもらえるわけではありませんが、ヒントの通りに行動してみれば決定的な場面に立ち会うことができるでしょう。

さて、本作のゲーム部分は今まで書いてきたように結構真面目に作られており、解きごたえがあるのですが、全体的な雰囲気を見るとかなりふざけています。神様の俗っぽい言葉遣いだったり、自分一人だけ相手のいないヒトリが嫉妬に狂ったり、分かりやすすぎるすれ違いカップルだったりには苦笑させられたりも。ループものにおいて主人公が過去の周回の経験をもとに現在の状況についてツッコむというパターンは多いですが、それがこんなに笑える作品は珍しいと思います。
さらになんとおしがまイベントあり(特にそれがメインとかじゃないです)。こんなクレジット表記初めて見ましたよ…(笑)

ちょっと気になる点について。内容というか宣伝文句についてなんですが、「論理パズル」というのとはちょっと違うかなと思いました。私が最初に見たときはそのように紹介されていて、論理パズルだったら得意分野だなと思って手を出したのですが、本作はサスペンス・探偵もの寄りなので期待していたものとちょっと違いました。論理パズルというと、Dominion's Restさんの「魔女っこと封印の石版」ですとか、にほへさんの「ミミックロジック」などを思い浮かべます。こうしたゴリゴリのパズルとは違った作品でしたが、別の意味での面白さは十分にあったので結果オーライです。
あと、解答画面の操作方法がやや直感的じゃないかなと感じました。男性キャラの位置はデフォルトのまま変更できず、女性キャラの位置だけ変更できるようです。つまり画面上で右半分だけしか操作できないのです。慣れるまで全然思い通りに動いてくれませんでした。
そういえば、本作でいう”カップル”は男女の組み合わせのみです。同性の組み合わせがあったら難易度が爆上がりしていたと思うので助かりました。
ゲーム内でいう”カップル”の定義もしっかり提示されるのでそこに悩むことはありません。ゲームとして楽しみやすくなっていると思います。
本作のエンディングは2種類あります。
1周目はTRUE ENDは無理なので普通に頑張ってエンディングまで行きましょう。クリアデータを使えばTRUE END回収は難なくできるはずです。ある真実が明らかになるTRUE ENDでは、ヒトリの最後の行動が180度変わります。ヒトリの苦労が報われるのか、ぜひいろいろ試して頑張ってみてくださいね。
どちらのエンディングでもラブコメの王道的な展開で楽しい気分で終えられる後味の良い作品となっています。
それでは。

ジャンル:ラブコメ推理パズル?
プレイ時間:私の初見プレイでTRUE ENDまで1時間半
分岐:エンディング2種
ツール:RPGツクール
リリース:2022/9
さて、本作の作者であるパルソニックさんと言えば、有名作「かわいいは壊せる」でお馴染みです。(私もそのうちプレイしなきゃな~と思っていつつ実はまだプレイしていないのです)
ある日ふりーむをいろいろと探索しているとき、たまたま本作が目に入りました。論理パズルは割と好き(得意分野でもある)ので興味を惹かれ、作者名を見ると見覚えのある方だったのでびっくり。早速ダウンロードしてプレイしてみたところ、バカゲーに見えてかなりよく練られた作品だったので今回ご紹介しようと思います。
いつものように本作の大まかな内容を最初にお話ししましょう。
主人公であるヒトリは最強の勇者。姫であるヒロを救うための冒険を続け、ついに魔王との対決に挑みます。ところが最強であるヒトリの力もわずかに及ばず、捨て身の攻撃でも魔王をしとめるには至らずに負けてしまいます。
そんなときに突然現れたのは神を名乗る人物。”世界の真実”を解き明かせばヒトリを生き返らせてくれると言います。当然その条件をのんだヒトリでしたが、要求されていたことはなんと、この世界において誰と誰がカップルであるかを全て突き止めることだったのです。
誰と誰が付き合っているのか、怪しいところを調べて証拠をつかみ、世界の真実を見つけ出せるのか、ヒトリの第2の冒険が始まる……

というわけで本作は推理ゲームとなっています。
魔王との決戦前夜、パーティーを組む仲間たちや村に住む人々の家を探っていく勇者のヒトリ。勇者というよりは泥棒みたいです(普通のRPGでも割とよくある光景ですが…)。そして翌朝には村人たちも起きて活気のある村を再度探索、会話などからヒントを探っていきます。一見ラブラブに見える2人が本当にカップルであるのか、あの家に住んでいるのは誰なのか、誓いのアイテムを持っているのは誰なのか……、いろいろ考えることがあってこの推理部分が良くできている作品だと思いました。
特に、本作においては魔王戦後の答え合わせで間違えると再度神に決戦前夜まで戻されるループシステムを採用しています。このシステムがなければ解けないような謎が仕掛けられているのが上手いなと思ったポイントでした。翌朝手に入るはずの情報をもって夜のうちに行動を起こすとどうなるのか、夜と朝で会話内容の整合性をとるにはどういった前提が必要なのかなど考えながら進めていきましょう。
RPGツクールのシステムもうまく生かしていて良いですね。

という感じで、推理部分がなかなか難しめに作られています。ミスリードを誘う展開もあったりして、1度や2度では正解にたどり着けないでしょう。(私は5答目で正解しました)
しかしこのあたりの推理の苦手な方でも安心な要素として、神からのヒントがあります。2度目以降誤答するごとに1つヒントがもらえます。そのまま答えがもらえるわけではありませんが、ヒントの通りに行動してみれば決定的な場面に立ち会うことができるでしょう。

さて、本作のゲーム部分は今まで書いてきたように結構真面目に作られており、解きごたえがあるのですが、全体的な雰囲気を見るとかなりふざけています。神様の俗っぽい言葉遣いだったり、自分一人だけ相手のいないヒトリが嫉妬に狂ったり、分かりやすすぎるすれ違いカップルだったりには苦笑させられたりも。ループものにおいて主人公が過去の周回の経験をもとに現在の状況についてツッコむというパターンは多いですが、それがこんなに笑える作品は珍しいと思います。
さらになんとおしがまイベントあり(特にそれがメインとかじゃないです)。こんなクレジット表記初めて見ましたよ…(笑)

ちょっと気になる点について。内容というか宣伝文句についてなんですが、「論理パズル」というのとはちょっと違うかなと思いました。私が最初に見たときはそのように紹介されていて、論理パズルだったら得意分野だなと思って手を出したのですが、本作はサスペンス・探偵もの寄りなので期待していたものとちょっと違いました。論理パズルというと、Dominion's Restさんの「魔女っこと封印の石版」ですとか、にほへさんの「ミミックロジック」などを思い浮かべます。こうしたゴリゴリのパズルとは違った作品でしたが、別の意味での面白さは十分にあったので結果オーライです。
あと、解答画面の操作方法がやや直感的じゃないかなと感じました。男性キャラの位置はデフォルトのまま変更できず、女性キャラの位置だけ変更できるようです。つまり画面上で右半分だけしか操作できないのです。慣れるまで全然思い通りに動いてくれませんでした。
そういえば、本作でいう”カップル”は男女の組み合わせのみです。同性の組み合わせがあったら難易度が爆上がりしていたと思うので助かりました。
ゲーム内でいう”カップル”の定義もしっかり提示されるのでそこに悩むことはありません。ゲームとして楽しみやすくなっていると思います。
本作のエンディングは2種類あります。
1周目はTRUE ENDは無理なので普通に頑張ってエンディングまで行きましょう。クリアデータを使えばTRUE END回収は難なくできるはずです。ある真実が明らかになるTRUE ENDでは、ヒトリの最後の行動が180度変わります。ヒトリの苦労が報われるのか、ぜひいろいろ試して頑張ってみてくださいね。
どちらのエンディングでもラブコメの王道的な展開で楽しい気分で終えられる後味の良い作品となっています。
それでは。