こんにちは。今回はどこかの箱庭さんの「螢火の庭」のレビューをお送りします。

ジャンル:和風ホラーアドベンチャー
プレイ時間:初回3時間程度/フルコンプまで5時間程度
分岐:ED4種
ツール:Wolf RPGエディター
リリース:2017/8
備考:第13回ふりーむゲームコンテスト探索アドベンチャー部門銀賞受賞作
本作は、主人公の秋月ほたるが盗まれた祖父の遺品を取り返すために彼岸を探索して回る和風のホラーアドベンチャーゲームとなっています。
いきなりですが、ホラーゲームの主人公ってだいたいかわいそうな運命を背負っていたりします。作内で物語を進めているうちにそうした境遇が分かってくるタイプのものが多いように感じるのですが、本作では作品の導入段階でほたるの不遇さが明らかになります。
両親は家族の反対を押し切って結婚し、娘のほたるも誕生し幸せに暮らしていたのですが、交通事故に遭い2人とも亡くなってしまいます。結局結婚に反対していた家族たちに引き取られて生活するようになるのですが、祖父以外の叔父や叔母には疎ましく思われています。
しかし唯一の見方であった祖父の晴臣もその後他界。それまで家族で揃って行っていたお祭りの螢火流しも留守番しているようにと言われてしまいます。そんな留守番中、お祭りに乗じて彼岸からやってきた妖怪たちに大切な祖父の遺品を盗まれ、ほたる自身もさらわれてしまいます。妖怪の手から逃れ、おじいちゃんの遺品を回収して此岸に帰ってくることはできるのでしょうか…。
このような導入になっているので、私は本作をプレイし始めてから早い段階でほたるを応援しながらゲームを進めることができました。別に主人公には酷い目に遭っていて欲しいというわけではないのですが、ほたるがおじいちゃんの思い出の品と約束を守って健気に進んでいくさまを見るとやはり私も前向きな気持ちになることができます。
立ち絵やマップ上のドットも可愛らしいですしね。

他の登場人物たちも和服を着てますし、マップ上の雰囲気も含めて和風ホラーの演出が上手いなと感じます。
そんな他の人物たちも少し紹介しましょう。
まずはほたるが此岸に帰れるように全体を通して協力してくれる朽名(くちな)さん。なぜか常にお面をかぶっています。人間の子をしっかりと此岸まで送り届けるのが仕事だと言ってほたるを送ってくれるだけでなく、祖父の遺品”螢火のおくりもの”探しも手伝ってくれます。彼の素顔は一体どんなものでしょうか。
異国の薔薇貴族もなかなかインパクトがあります。紳士的だが女好きがひどすぎて周りから距離を置かれるようになり、いまでは屋敷で引きこもっているそうです。彼もまた胸の内に隠した思いがあるようですが一体何なのか、それは物語の後半で明らかになります。
その他にも姉妹の温泉宿の女将さんとか、なぜか動いて喋る人形とかお面とか、いろいろな人物(?)が登場しますが、みな可愛らしくて良いですね。
本作のエンディングはゲームオーバーを除いて4つあります。終焉4については序盤のうちに分岐します。せっかく此岸に帰ってくることができてもこれではあまりにも浮かばれないだろうという結果。ぜひ大切な品は回収してから帰りましょう。
その他のエンディングについては中盤以降に分岐します。初見だとそこで分岐するとは分からない箇所もあると思いますので、セーブはいくつかに分けておくといいでしょう。回収できなければ同梱のヒントが役に立ちます。
終焉2と4についてはほとんど同じ展開になりますが、最後の最後で結末が変わってきます。分岐したシーンは時間にして30秒とかそれくらいだと思いますが、このシーンの有無で後味が全然違いました。やはり物語の締めって大事だなあと思わされます。ぜひベストな結末を目指して探索してください。
ホラーや探索アドベンチャーとして見たときの謎解きやアクション要素の難易度は高くはないといったところでしょう。全体を探索していればきちんとヒントとなるものが出てきますし、理不尽な初見殺し要素などもありません。ただし謎解きに関しては公式でヒントが用意されていないので詰まると大変かも。エンディング分岐についてはすぐ上で書いたようにホームページや同梱のテキストに詳しく記載されているので、迷ったら読んでみるとよいでしょう。
ホラー具合についてもゆるめで、ホラーがやや苦手な私でも問題なく最後までプレイできる程度でした。突然怖い画像が表示されるとか大きい音が出るとか、何かに追いかけられるとかはないです。暗いマップを探索したり、予告があっての追いかけられ要素だったり、物が落ちる・窓が割れる程度の表現などはあります。
というわけで今回は「螢火の庭」でした。ホラー要素というよりは雰囲気重視系の作品なので、よっぽど苦手な方じゃなければプレイしやすいと思います。ぜひほたるの物探しを手伝ってあげてください。泣ける!というタイプのシナリオではないですが、じんと心が温かくなるような結末があなたを待っています。
それでは。

ジャンル:和風ホラーアドベンチャー
プレイ時間:初回3時間程度/フルコンプまで5時間程度
分岐:ED4種
ツール:Wolf RPGエディター
リリース:2017/8
備考:第13回ふりーむゲームコンテスト探索アドベンチャー部門銀賞受賞作
本作は、主人公の秋月ほたるが盗まれた祖父の遺品を取り返すために彼岸を探索して回る和風のホラーアドベンチャーゲームとなっています。
いきなりですが、ホラーゲームの主人公ってだいたいかわいそうな運命を背負っていたりします。作内で物語を進めているうちにそうした境遇が分かってくるタイプのものが多いように感じるのですが、本作では作品の導入段階でほたるの不遇さが明らかになります。
両親は家族の反対を押し切って結婚し、娘のほたるも誕生し幸せに暮らしていたのですが、交通事故に遭い2人とも亡くなってしまいます。結局結婚に反対していた家族たちに引き取られて生活するようになるのですが、祖父以外の叔父や叔母には疎ましく思われています。
しかし唯一の見方であった祖父の晴臣もその後他界。それまで家族で揃って行っていたお祭りの螢火流しも留守番しているようにと言われてしまいます。そんな留守番中、お祭りに乗じて彼岸からやってきた妖怪たちに大切な祖父の遺品を盗まれ、ほたる自身もさらわれてしまいます。妖怪の手から逃れ、おじいちゃんの遺品を回収して此岸に帰ってくることはできるのでしょうか…。
このような導入になっているので、私は本作をプレイし始めてから早い段階でほたるを応援しながらゲームを進めることができました。別に主人公には酷い目に遭っていて欲しいというわけではないのですが、ほたるがおじいちゃんの思い出の品と約束を守って健気に進んでいくさまを見るとやはり私も前向きな気持ちになることができます。
立ち絵やマップ上のドットも可愛らしいですしね。

他の登場人物たちも和服を着てますし、マップ上の雰囲気も含めて和風ホラーの演出が上手いなと感じます。
そんな他の人物たちも少し紹介しましょう。
まずはほたるが此岸に帰れるように全体を通して協力してくれる朽名(くちな)さん。なぜか常にお面をかぶっています。人間の子をしっかりと此岸まで送り届けるのが仕事だと言ってほたるを送ってくれるだけでなく、祖父の遺品”螢火のおくりもの”探しも手伝ってくれます。彼の素顔は一体どんなものでしょうか。
異国の薔薇貴族もなかなかインパクトがあります。紳士的だが女好きがひどすぎて周りから距離を置かれるようになり、いまでは屋敷で引きこもっているそうです。彼もまた胸の内に隠した思いがあるようですが一体何なのか、それは物語の後半で明らかになります。
その他にも姉妹の温泉宿の女将さんとか、なぜか動いて喋る人形とかお面とか、いろいろな人物(?)が登場しますが、みな可愛らしくて良いですね。
本作のエンディングはゲームオーバーを除いて4つあります。終焉4については序盤のうちに分岐します。せっかく此岸に帰ってくることができてもこれではあまりにも浮かばれないだろうという結果。ぜひ大切な品は回収してから帰りましょう。
その他のエンディングについては中盤以降に分岐します。初見だとそこで分岐するとは分からない箇所もあると思いますので、セーブはいくつかに分けておくといいでしょう。回収できなければ同梱のヒントが役に立ちます。
終焉2と4についてはほとんど同じ展開になりますが、最後の最後で結末が変わってきます。分岐したシーンは時間にして30秒とかそれくらいだと思いますが、このシーンの有無で後味が全然違いました。やはり物語の締めって大事だなあと思わされます。ぜひベストな結末を目指して探索してください。
ホラーや探索アドベンチャーとして見たときの謎解きやアクション要素の難易度は高くはないといったところでしょう。全体を探索していればきちんとヒントとなるものが出てきますし、理不尽な初見殺し要素などもありません。ただし謎解きに関しては公式でヒントが用意されていないので詰まると大変かも。エンディング分岐についてはすぐ上で書いたようにホームページや同梱のテキストに詳しく記載されているので、迷ったら読んでみるとよいでしょう。
ホラー具合についてもゆるめで、ホラーがやや苦手な私でも問題なく最後までプレイできる程度でした。突然怖い画像が表示されるとか大きい音が出るとか、何かに追いかけられるとかはないです。暗いマップを探索したり、予告があっての追いかけられ要素だったり、物が落ちる・窓が割れる程度の表現などはあります。
というわけで今回は「螢火の庭」でした。ホラー要素というよりは雰囲気重視系の作品なので、よっぽど苦手な方じゃなければプレイしやすいと思います。ぜひほたるの物探しを手伝ってあげてください。泣ける!というタイプのシナリオではないですが、じんと心が温かくなるような結末があなたを待っています。
それでは。
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