こんにちは。今回はくろいのうとさんの「Sample087」のご紹介をしようと思います。

ジャンル:短編脱出ホラー
プレイ時間:30分以内
分岐:なし(ゲームオーバーあり)
ツール:Wolf RPGエディター
リリース:2015/8
今回の作品は王道な脱出ホラーものとなります。
主人公の黄瀬花香は怪しげな実験施設のような場所で目を覚まします。ベッドと机と小さな箱が1つしかない殺風景な部屋に閉じ込められている花香は、机の上にあった不穏な置き書きのようなものを発見します。そんな置き書きから目を離してみると、部屋の隅から謎のスライムが侵入してくるではありませんか。
命の危険を察知した花香はこの施設からの脱出を試みます。果たして無事に帰ることはできるのでしょうか…
このように本作の筋はいたってシンプルです。
敵キャラ(?)であるスライムは一瞬触れただけで即ゲームオーバーなので、操作を誤らないよう慎重に進みましょう。初見殺しの箇所もいくつかあるのでセーブは細かく分けておきましょう。
脱出のヒントとなる謎解き部分もオーソドックスなもので、この手のゲームに慣れた方なら迷わずに解くことができるでしょう。難しいわけでもないので不慣れな方でも安心です。

こんな感じで、本作はいたって普通な脱出ホラーといった作品なのですが、それだけだったらレビューを書こうとは思わなかったと思います。プレイ時間にして20~30分の中で、いいなと感じた点が2つありました。順に説明していきましょう。
まず1つ目。本作には体力・思考力というパラメーターが存在しています。初期状態では両方とも40です。そして探索中に水やカンパンなどの食料を発見することがあります。それらをアイテム一覧から使用することによって、体力・思考力を回復することができるのです。
本作には戦闘要素は一切ありません。敵に何らかの攻撃をして退治する場面などはありませんし、敵に一瞬でも接触されたら即ゲームオーバーです。ではこのパラメーターは何に使われるのかというと、探索なのです。

脱出のためにはいくつかの謎を解いていかなくてはなりません。置き書きを読んだり、謎のポスターを観察したり、室内のアイテムを見つけていったりするわけですが、その際に得られる情報量が思考力の影響を受けるのです。思考力40の初期状態では見たままの情報しか得られなかったのが、カンパンを使ってすこし思考力が増した状態だと、隅に書かれた小さい文字まで読めたりといった細かい設定がされているのです。これは非常に珍しい仕掛けだなと思いました。
基本的にパラメーターが高くて損をすることはないので、見つけた食料は有効活用していきましょう。
体力も同様で、体力が低い状態では解決に手間がかかった仕掛けをパワーで解決するといったことが可能な場面があります。なかなか面白いですね。
そしてもう1点。これは本作の最後の最後で明らかになります。
突然このような危険な施設に監禁され、この世界の理不尽を呪っていた花香ですが、最後の部屋で脱出へのかすかな希望でさえ打ち砕かれて絶望に染まってしまいます。結局どんなに手を尽くしても脱出は叶わないのか。そんな悲しいエンディングを迎える本作……しかし、本作には実は脱出エンドが存在しています。この際花香が希望を取り戻す演出がとても気持ち良かったです。BGMも切り替わり、花香の生きのびるという決意が感じられます。その場面でふつう選ばないだろうという選択肢を試したりもしたのですが、そういう時のメッセージもしっかり設定されていて良かったです。
おそらく初見で脱出成功させるのは難しいと思います。最後の部屋にたどり着いた段階で戻ることはできなくなってしまうので、詰んだと思ったら少し前のセーブデータからやり直してみましょう。
脱出成功後にTo be continued...の表示が出るのに(しかも続編で意味を持ってくると思われるロッカーのパスワードまで入手できるのに)結局続編にあたる作品が出てなさそうなのだけ残念です。
今回は短めですがここまでです。
短い中に面白いギミックを仕込んだ作品だと思うので、ぜひプレイしてみてください。
それでは。

ジャンル:短編脱出ホラー
プレイ時間:30分以内
分岐:なし(ゲームオーバーあり)
ツール:Wolf RPGエディター
リリース:2015/8
今回の作品は王道な脱出ホラーものとなります。
主人公の黄瀬花香は怪しげな実験施設のような場所で目を覚まします。ベッドと机と小さな箱が1つしかない殺風景な部屋に閉じ込められている花香は、机の上にあった不穏な置き書きのようなものを発見します。そんな置き書きから目を離してみると、部屋の隅から謎のスライムが侵入してくるではありませんか。
命の危険を察知した花香はこの施設からの脱出を試みます。果たして無事に帰ることはできるのでしょうか…
このように本作の筋はいたってシンプルです。
敵キャラ(?)であるスライムは一瞬触れただけで即ゲームオーバーなので、操作を誤らないよう慎重に進みましょう。初見殺しの箇所もいくつかあるのでセーブは細かく分けておきましょう。
脱出のヒントとなる謎解き部分もオーソドックスなもので、この手のゲームに慣れた方なら迷わずに解くことができるでしょう。難しいわけでもないので不慣れな方でも安心です。

こんな感じで、本作はいたって普通な脱出ホラーといった作品なのですが、それだけだったらレビューを書こうとは思わなかったと思います。プレイ時間にして20~30分の中で、いいなと感じた点が2つありました。順に説明していきましょう。
まず1つ目。本作には体力・思考力というパラメーターが存在しています。初期状態では両方とも40です。そして探索中に水やカンパンなどの食料を発見することがあります。それらをアイテム一覧から使用することによって、体力・思考力を回復することができるのです。
本作には戦闘要素は一切ありません。敵に何らかの攻撃をして退治する場面などはありませんし、敵に一瞬でも接触されたら即ゲームオーバーです。ではこのパラメーターは何に使われるのかというと、探索なのです。

脱出のためにはいくつかの謎を解いていかなくてはなりません。置き書きを読んだり、謎のポスターを観察したり、室内のアイテムを見つけていったりするわけですが、その際に得られる情報量が思考力の影響を受けるのです。思考力40の初期状態では見たままの情報しか得られなかったのが、カンパンを使ってすこし思考力が増した状態だと、隅に書かれた小さい文字まで読めたりといった細かい設定がされているのです。これは非常に珍しい仕掛けだなと思いました。
基本的にパラメーターが高くて損をすることはないので、見つけた食料は有効活用していきましょう。
体力も同様で、体力が低い状態では解決に手間がかかった仕掛けをパワーで解決するといったことが可能な場面があります。なかなか面白いですね。
そしてもう1点。これは本作の最後の最後で明らかになります。
突然このような危険な施設に監禁され、この世界の理不尽を呪っていた花香ですが、最後の部屋で脱出へのかすかな希望でさえ打ち砕かれて絶望に染まってしまいます。結局どんなに手を尽くしても脱出は叶わないのか。そんな悲しいエンディングを迎える本作……しかし、本作には実は脱出エンドが存在しています。この際花香が希望を取り戻す演出がとても気持ち良かったです。BGMも切り替わり、花香の生きのびるという決意が感じられます。その場面でふつう選ばないだろうという選択肢を試したりもしたのですが、そういう時のメッセージもしっかり設定されていて良かったです。
おそらく初見で脱出成功させるのは難しいと思います。最後の部屋にたどり着いた段階で戻ることはできなくなってしまうので、詰んだと思ったら少し前のセーブデータからやり直してみましょう。
脱出成功後にTo be continued...の表示が出るのに(しかも続編で意味を持ってくると思われるロッカーのパスワードまで入手できるのに)結局続編にあたる作品が出てなさそうなのだけ残念です。
今回は短めですがここまでです。
短い中に面白いギミックを仕込んだ作品だと思うので、ぜひプレイしてみてください。
それでは。
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