こんにちは。
Twitterなどでも少し触れましたが、先日フリーゲームの殺戮の天使を原作とする舞台を観ましたのでその感想などについて書いていきたいと思います。

3年ほど前、東京大学ミュージカルサークルClavisさんがフリーゲームのIbを舞台化した時、ゲームを舞台にするという発想にまず驚き配信での鑑賞を申し込みました。もともと好きだった作品というのもありますが、ミュージカルにするにあたってゲームでは実現できない表現手法が用いられていたり、原作へのリスペクトが感じられたりと良い内容だったのでこのブログでも感想を書きました。
それから、趣味というほどではないですが2~3回ほどプロのミュージカルを観る機会があり、以前よりは見方も分かってきたかなという状態だった去年、今度は殺戮の天使をやると聞いてこれも見なければなと思っており、抽選の申し込みをしていました。当選の連絡をいただいてとても嬉しかったです。前は新型コロナウイルスの厳戒態勢の時期で、一般客は現地鑑賞は叶いませんでしたが今回は直接この目で見られたのも良かったですね。
Ibの時との比較とか、原作の再現具合とかについて書いていけたらと思います。
今回現地鑑賞が叶わなかった方も、配信があるそうなので興味のある方はぜひ申し込んでみてください。動画を観る前にまずは自分で原作をプレイしてみるのもお忘れなく。
本公演を主催したのは厳密にはClavisさんではない(派生した有志団体とかかな?)ようでしたが、重複メンバーも多いようで、特にダニー先生の方はIbのギャリ―を演じていた方と同一?のようで、フリーゲームへの愛を変わらず持ってくれているようでうれしくなりました。
さて、本公演の原作である「殺戮の天使」は星屑KRNKRNさんの制作したフリーホラーゲームで、ゲームマガジンに連載形式で公開されました。有名なので本ブログを見に来られるような方なら聞いたことあるのではないかと思います。私も知ってはいたのですが、実はプレイしたことがなく内容を知りませんでした(ホラー自体そんなに得意ではないし…)。しかし本公演の話を聞いて絶対にプレイしなければという気持ちになりPC版でプレイしました。
プレイしてみると、やはり有名になるだけあって細かいところまでよく作り込まれた良作で、特にシナリオに深みがあると感じました。しかしそうするとこれを舞台化するのはIbよりも難しいのではないかという感想も正直ありました。Ibは絵画の中の世界にとらわれてしまった主人公のイヴが脱出を目指すというシンプルで分かりやすいシナリオで、その中でギャリ―やメアリーといったほかのキャラとの交流だったり思惑の交差が描かれたり、絵画や彫刻などの美術作品の世界観に包まれたりといった部分が魅力的な作品でした。それに対して殺戮の天使は主人公のレイは単純に脱出を目指しているわけではないし、登場人物も多くしかも倫理的でなかったりと複雑度合いが高いなと感じました。舞台化するにあたりこのストーリーを表現するのは大変だっただろうと想像します。上演時間が3時間にも及ぶというのはその苦労の結果であったように思えます。しかし、やはり原作の重要な部分を逃さずミュージカルの形に再構成して、さらにミュージカルの強みを生かした公演とする手腕は見事だったと感じました。
具体的な話に移りましょう(以下本格的にネタバレあります。ネタバレ回避はこちらへ)。
全部のシーンを覚えているわけではないので印象的だったことをいくつか。
(以下ネタバレあり)
メインの登場人物が6人とIbの時から倍増しているわけですが、ちゃんと皆表現力のある役者さんが演じられていて良かったです。私が衝撃を受けたのはキャシー役の方です。歌がうますぎます。明らかに声楽の経験者とかじゃないと無理でしょあれは…。私は一応ピアノと合唱の経験者で、そこそこ熱心にやっていたと思うのですが、あれはすごい。自分の合唱団にあんなソプラノがいたらなあと終始思わされました。普通にファンになります。歌の場面だけでなく、サディスティックなキャラとしての所作であったり、原作中でも何度も聞くことになるあの高笑いだったりと全てに賛辞を贈りたいと思います。マジで上手い。ソロ曲聴きたい。原作プレイしてた時にはうざったくていけ好かないとさえ思ってたのに突然好きなキャラになってしまいました。
歌という面でいうとザック役の方もすごかったと思います。粗暴な人物らしさを前面に表現したあの喉を潰すような声。多分私がまねしたら3分で喉を潰して声が出なくなると思うのですが、それを3時間の公演中持たせるのは相当な技術がいるでしょう。私は普段フリーゲームをプレイしているときにボイスにはさほど注目せずに聞き流してしまうことが多く、ボイス待ちの時間をじれったく感じることすらあるのですが、今回の公演では見事にザックという人柄や感情を声によって表現しているように感じました。
Ibの時、バックコーラスについて音域が合っていないんじゃないかと感想にちょろっと書きましたが、今回はその面でも少しよくなっていたように思います。当時のメンバーより低い声の出る男声が増えたのだろうか? このあたりに関してはどうしても自分の経験上厳しく見てしまいがちなので嬉しかったです。
声についてもう少し書いておくと、レイの演技も良かったです。演じられているのは大学生以上の大人だと思うのですが、13歳の少女らしいあどけない声で、ザックとの対比が映えていたように感じます。
他のキャラとの掛け合いのあるシーンでもすっと耳に届きました。
ところで原作に誕生日の設定ってありましたっけ??
突然私と同じ誕生日が叫ばれたので結構びっくりしました。
別の方向から見てみますと、エディに関してはダンスによる表現が良かったように思います。大きなシャベルをうまく扱いながら曲中に自由自在に動き回る感じがまた原作のエディらしさに結び付きました。ザックのパートなどもそうですがかなり激しい振り付けも多く、これを昼夜で2公演もやる体力半端ないなと思いました。あとエディのバックダンサーの効果もあると思います。全体的にきりっとした動きが気持ち良かったです。あとどなたか名前は分かりませんがバックダンサーで一人表情が輝いている方がいてとても良かったです。
ダニーとグレイに関してはバランス型か?っていうくらい全体的に良かったですね。歌い方に関してもそうですし、グレイについては自分を神と表現するほどの絶対的に自信にあふれ、自らが正しいと考える堂々とした(傲慢ともいう)姿勢だったり、ダニーのあの気味が悪いほどの眼球への執着だったりが一つ一つの動きや声色から感じられたように思います。
キャラクターに注目した話が続いたので、全体的な構成やシーンの作り方について。
シナリオの密度が高い原作をミュージカルにするにあたって、どうしても尺の問題はあったと思うのですが、原作のエッセンスの部分はしっかりと演技で表現しつつ状況の説明などはアナウンスで済ませてしまうのが潔かったなと思います。原作は私でクリアまで4時間程度かかったのですが、さすがにそのまま舞台化するのは長すぎるのでいい判断だと思います。個人的にはもう少し削って、”間”みたいなものを味わわせてくれてもいいかなと感じました。例えば最序盤のレイがB6に放たれて小鳥を匿うシーンですが、直前のシーンが終わって即小鳥に食べ物をあげるような流れで、息つく暇もないなあ、と若干思いました。
また、今回は現地での観劇が叶ったからこそだと思うのですが、客席まで含めて会場をゲームの中の空間にするような構成が良かったです。第1幕で上の階に登っていくために周辺を探索しているシーンなどで演者さんがかなり観客に近づいてきたり。あとは電気椅子のシーンで”観衆の目”を潰すシーン。あれ原作では人形を切り倒すなどしましたが、公演で切られたのは我々観客ですよね。そういった演出はやはりゲームには出せないオリジナリティの溢れる部分だったなと感じます。
オリジナリティと言えば、エピローグで突然始まったアレには驚きました。ここはアイドルのライブ会場になったのかと。原作になかったシーンですがなるほどと思いました。
原作エピローグで表現したかったのは、誰もレイの願いを真面目に聞いてくれないし、表面的に”いい話”にするだけでレイのことを誰も真に理解してくれないという孤独と虚しさだと思います。そこにいきなりレイが望んでもいないライブが始まることでより華やかさの内側に潜む空虚を表現しているように感じました。あとはシンプルに明るい曲も1曲やりたかったのかなとも思いましたが。
あとはこのゲームについては、表情というものが大事になってくると思います。嬉しそうな顔をした人をザックは殺したくなるといった点であったり、ダニーが執拗にレイの瞳を求めたりといった点だったりしますが、ミュージカルの距離感だとさすがに細かい表情まで観客に伝えるのは難しいのかなと感じました。逆にバックダンサーで明らかにキラキラした表情の切り替えが伝わってきたあの人は何者なんだ…という話でしょうか。
Twitterなどでも少し触れましたが、先日フリーゲームの殺戮の天使を原作とする舞台を観ましたのでその感想などについて書いていきたいと思います。

3年ほど前、東京大学ミュージカルサークルClavisさんがフリーゲームのIbを舞台化した時、ゲームを舞台にするという発想にまず驚き配信での鑑賞を申し込みました。もともと好きだった作品というのもありますが、ミュージカルにするにあたってゲームでは実現できない表現手法が用いられていたり、原作へのリスペクトが感じられたりと良い内容だったのでこのブログでも感想を書きました。
それから、趣味というほどではないですが2~3回ほどプロのミュージカルを観る機会があり、以前よりは見方も分かってきたかなという状態だった去年、今度は殺戮の天使をやると聞いてこれも見なければなと思っており、抽選の申し込みをしていました。当選の連絡をいただいてとても嬉しかったです。前は新型コロナウイルスの厳戒態勢の時期で、一般客は現地鑑賞は叶いませんでしたが今回は直接この目で見られたのも良かったですね。
Ibの時との比較とか、原作の再現具合とかについて書いていけたらと思います。
今回現地鑑賞が叶わなかった方も、配信があるそうなので興味のある方はぜひ申し込んでみてください。動画を観る前にまずは自分で原作をプレイしてみるのもお忘れなく。
本公演を主催したのは厳密にはClavisさんではない(派生した有志団体とかかな?)ようでしたが、重複メンバーも多いようで、特にダニー先生の方はIbのギャリ―を演じていた方と同一?のようで、フリーゲームへの愛を変わらず持ってくれているようでうれしくなりました。
さて、本公演の原作である「殺戮の天使」は星屑KRNKRNさんの制作したフリーホラーゲームで、ゲームマガジンに連載形式で公開されました。有名なので本ブログを見に来られるような方なら聞いたことあるのではないかと思います。私も知ってはいたのですが、実はプレイしたことがなく内容を知りませんでした(ホラー自体そんなに得意ではないし…)。しかし本公演の話を聞いて絶対にプレイしなければという気持ちになりPC版でプレイしました。
プレイしてみると、やはり有名になるだけあって細かいところまでよく作り込まれた良作で、特にシナリオに深みがあると感じました。しかしそうするとこれを舞台化するのはIbよりも難しいのではないかという感想も正直ありました。Ibは絵画の中の世界にとらわれてしまった主人公のイヴが脱出を目指すというシンプルで分かりやすいシナリオで、その中でギャリ―やメアリーといったほかのキャラとの交流だったり思惑の交差が描かれたり、絵画や彫刻などの美術作品の世界観に包まれたりといった部分が魅力的な作品でした。それに対して殺戮の天使は主人公のレイは単純に脱出を目指しているわけではないし、登場人物も多くしかも倫理的でなかったりと複雑度合いが高いなと感じました。舞台化するにあたりこのストーリーを表現するのは大変だっただろうと想像します。上演時間が3時間にも及ぶというのはその苦労の結果であったように思えます。しかし、やはり原作の重要な部分を逃さずミュージカルの形に再構成して、さらにミュージカルの強みを生かした公演とする手腕は見事だったと感じました。
具体的な話に移りましょう(以下本格的にネタバレあります。ネタバレ回避はこちらへ)。
全部のシーンを覚えているわけではないので印象的だったことをいくつか。
(以下ネタバレあり)
メインの登場人物が6人とIbの時から倍増しているわけですが、ちゃんと皆表現力のある役者さんが演じられていて良かったです。私が衝撃を受けたのはキャシー役の方です。歌がうますぎます。明らかに声楽の経験者とかじゃないと無理でしょあれは…。私は一応ピアノと合唱の経験者で、そこそこ熱心にやっていたと思うのですが、あれはすごい。自分の合唱団にあんなソプラノがいたらなあと終始思わされました。普通にファンになります。歌の場面だけでなく、サディスティックなキャラとしての所作であったり、原作中でも何度も聞くことになるあの高笑いだったりと全てに賛辞を贈りたいと思います。マジで上手い。ソロ曲聴きたい。原作プレイしてた時にはうざったくていけ好かないとさえ思ってたのに突然好きなキャラになってしまいました。
歌という面でいうとザック役の方もすごかったと思います。粗暴な人物らしさを前面に表現したあの喉を潰すような声。多分私がまねしたら3分で喉を潰して声が出なくなると思うのですが、それを3時間の公演中持たせるのは相当な技術がいるでしょう。私は普段フリーゲームをプレイしているときにボイスにはさほど注目せずに聞き流してしまうことが多く、ボイス待ちの時間をじれったく感じることすらあるのですが、今回の公演では見事にザックという人柄や感情を声によって表現しているように感じました。
Ibの時、バックコーラスについて音域が合っていないんじゃないかと感想にちょろっと書きましたが、今回はその面でも少しよくなっていたように思います。当時のメンバーより低い声の出る男声が増えたのだろうか? このあたりに関してはどうしても自分の経験上厳しく見てしまいがちなので嬉しかったです。
声についてもう少し書いておくと、レイの演技も良かったです。演じられているのは大学生以上の大人だと思うのですが、13歳の少女らしいあどけない声で、ザックとの対比が映えていたように感じます。
他のキャラとの掛け合いのあるシーンでもすっと耳に届きました。
ところで原作に誕生日の設定ってありましたっけ??
突然私と同じ誕生日が叫ばれたので結構びっくりしました。
別の方向から見てみますと、エディに関してはダンスによる表現が良かったように思います。大きなシャベルをうまく扱いながら曲中に自由自在に動き回る感じがまた原作のエディらしさに結び付きました。ザックのパートなどもそうですがかなり激しい振り付けも多く、これを昼夜で2公演もやる体力半端ないなと思いました。あとエディのバックダンサーの効果もあると思います。全体的にきりっとした動きが気持ち良かったです。あとどなたか名前は分かりませんがバックダンサーで一人表情が輝いている方がいてとても良かったです。
ダニーとグレイに関してはバランス型か?っていうくらい全体的に良かったですね。歌い方に関してもそうですし、グレイについては自分を神と表現するほどの絶対的に自信にあふれ、自らが正しいと考える堂々とした(傲慢ともいう)姿勢だったり、ダニーのあの気味が悪いほどの眼球への執着だったりが一つ一つの動きや声色から感じられたように思います。
キャラクターに注目した話が続いたので、全体的な構成やシーンの作り方について。
シナリオの密度が高い原作をミュージカルにするにあたって、どうしても尺の問題はあったと思うのですが、原作のエッセンスの部分はしっかりと演技で表現しつつ状況の説明などはアナウンスで済ませてしまうのが潔かったなと思います。原作は私でクリアまで4時間程度かかったのですが、さすがにそのまま舞台化するのは長すぎるのでいい判断だと思います。個人的にはもう少し削って、”間”みたいなものを味わわせてくれてもいいかなと感じました。例えば最序盤のレイがB6に放たれて小鳥を匿うシーンですが、直前のシーンが終わって即小鳥に食べ物をあげるような流れで、息つく暇もないなあ、と若干思いました。
また、今回は現地での観劇が叶ったからこそだと思うのですが、客席まで含めて会場をゲームの中の空間にするような構成が良かったです。第1幕で上の階に登っていくために周辺を探索しているシーンなどで演者さんがかなり観客に近づいてきたり。あとは電気椅子のシーンで”観衆の目”を潰すシーン。あれ原作では人形を切り倒すなどしましたが、公演で切られたのは我々観客ですよね。そういった演出はやはりゲームには出せないオリジナリティの溢れる部分だったなと感じます。
オリジナリティと言えば、エピローグで突然始まったアレには驚きました。ここはアイドルのライブ会場になったのかと。原作になかったシーンですがなるほどと思いました。
原作エピローグで表現したかったのは、誰もレイの願いを真面目に聞いてくれないし、表面的に”いい話”にするだけでレイのことを誰も真に理解してくれないという孤独と虚しさだと思います。そこにいきなりレイが望んでもいないライブが始まることでより華やかさの内側に潜む空虚を表現しているように感じました。あとはシンプルに明るい曲も1曲やりたかったのかなとも思いましたが。
あとはこのゲームについては、表情というものが大事になってくると思います。嬉しそうな顔をした人をザックは殺したくなるといった点であったり、ダニーが執拗にレイの瞳を求めたりといった点だったりしますが、ミュージカルの距離感だとさすがに細かい表情まで観客に伝えるのは難しいのかなと感じました。逆にバックダンサーで明らかにキラキラした表情の切り替えが伝わってきたあの人は何者なんだ…という話でしょうか。
(ネタバレここまで)
色々書いてきましたが、とても楽しめた公演でした。
原作の中でシナリオや表現上重要な部分を取捨選択し、ゲームにはないミュージカルという方法で肉付けするテクニックはIbの時から変わらず健在のように感じました。原作の台詞も要所要所で印象的に用いられながら、ミュージカルとして違和感のないようにアレンジされていたと思います。ちゃんと原作へのリスペクトも感じられる内容で、原作ファンも満足されるのではないでしょうか。
ホール入り口付近に原作で散らばっていた履歴書風の演者紹介が貼られていたりといった工夫も良かったですね。
履歴書を見てたら隣の方がダニーのぬいぐるみと一緒に写真を撮っていたのでなんだそれはと聞いてしまったりしました。レアグッズなのかと思いきや手作りぬいぐるみということで2度びっくり。客席でも隣の方がレイチェルコーデでいらっしゃるなど、私よりもずっと熱量の高いファンたちがいて圧倒されました(私もフリーゲーム全体への愛は負けませんよ!)。
100席前後の小さい会場ではありましたがほぼ満席で埋まっていて、こんなに同じ作品への愛の密度が高い空間があるだろうかといった意味でも刺激的でしたね。
Ib, 殺戮の天使と有名フリーホラーゲームのミュージカル化が続くとなんか今後も期待しちゃいますね!
私が好きな作品でいうと「奥様は惨殺少女」とか「蒼の屋敷」とか「まぢちる」とかになるんですがさすがにミュージカル化は難しそうなので、「包丁さんのうわさ」「七ツ怪」とか観たいな~と勝手に希望を書いておきます。知名度でいうと「魔女の家」かなあ。
というわけで今回はここまでです。
興味を持った皆さんはぜひ配信の方をお見逃しなく!
それでは
色々書いてきましたが、とても楽しめた公演でした。
原作の中でシナリオや表現上重要な部分を取捨選択し、ゲームにはないミュージカルという方法で肉付けするテクニックはIbの時から変わらず健在のように感じました。原作の台詞も要所要所で印象的に用いられながら、ミュージカルとして違和感のないようにアレンジされていたと思います。ちゃんと原作へのリスペクトも感じられる内容で、原作ファンも満足されるのではないでしょうか。
ホール入り口付近に原作で散らばっていた履歴書風の演者紹介が貼られていたりといった工夫も良かったですね。
履歴書を見てたら隣の方がダニーのぬいぐるみと一緒に写真を撮っていたのでなんだそれはと聞いてしまったりしました。レアグッズなのかと思いきや手作りぬいぐるみということで2度びっくり。客席でも隣の方がレイチェルコーデでいらっしゃるなど、私よりもずっと熱量の高いファンたちがいて圧倒されました(私もフリーゲーム全体への愛は負けませんよ!)。
100席前後の小さい会場ではありましたがほぼ満席で埋まっていて、こんなに同じ作品への愛の密度が高い空間があるだろうかといった意味でも刺激的でしたね。
Ib, 殺戮の天使と有名フリーホラーゲームのミュージカル化が続くとなんか今後も期待しちゃいますね!
私が好きな作品でいうと「奥様は惨殺少女」とか「蒼の屋敷」とか「まぢちる」とかになるんですがさすがにミュージカル化は難しそうなので、「包丁さんのうわさ」「七ツ怪」とか観たいな~と勝手に希望を書いておきます。知名度でいうと「魔女の家」かなあ。
というわけで今回はここまでです。
興味を持った皆さんはぜひ配信の方をお見逃しなく!
それでは
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