こんにちは。今回はすしわかめさんの「おばけのロッソ」のレビューをお送りしたいと思います。

rosso1

オススメ!
ジャンル:シリアス寄り謎解きアドベンチャーゲーム
プレイ時間:8時間
分岐:エンディング3種
ツール:WOLF RPGエディター
リリース:2024/10


先週の「SHADOW」は非常にダークな展開と手法が魅力的な作品でした。本作「おばけのロッソ」は同じく謎解き系のアドベンチャーゲームでありながら真逆ともいえる、まっすぐできれいな真相や結末が多くの方にお勧めできる作品だと思いましたので記事にしてみました。こちらも道中に悲しかったり腹立たしかったりする事件が起こりますが、そこからこうも感動的な結末へとつなげられるものかという点に良さがあると思います。


ではいつものようにあらすじの紹介から。
不慮の事故で亡くなってしまった主人公は生前の記憶も失い、気付くと真っ白な部屋の中で”神さま”を自称する怪しげな人物に出会ってロッソという名前をもらいます。亡くなる運命にある人たちの”本当の願い”を一つ叶えることで悔いのないようにあの世へ送り出すという神さまの”仕事”を手伝うことになったロッソは、先輩であるマリネ、ペスの2人とともに対象者が本当に願うことを引き出すという役割を担うことになります。
”ゴースト”と呼ばれる存在となったロッソたちは、対象者の本当の願いを見つけるという任務の傍ら、自身の死因も生前の人生も思い出せないロッソが成仏できるようにその正体や抱えていた後悔を探ることにします。愛する娘に先立たれたおじいちゃんから孤児院でけなげに生きる子供まで様々な対象者を調べていく中で生前のロッソが巻き込まれた事件が徐々に明らかとなり、ゴーストという存在、神さまの仕事の意味などの真相にも近づきます。果たしてロッソは真実を明らかにして無事に成仏することができるのでしょうか…

rosso2

こんなところでしょうか。
”本当の願い”を見つける仕事は毎回3つのステップに分かれています。まずは対象者の自宅などかかわりの深い場所を調査して、どのような環境にあったのかや直近の生活の様子などを明らかにします。次に、”ココロの部屋”と呼ばれる重要な部屋に入り、願いの核心となる証拠を手に入れます。最後に対象者と直接対峙し、自身が死にゆく運命であることを納得させたうえで願いを素直に口に出せるように手助けをします。

最初のステップは通常の謎解き系のアドベンチャーゲームと同じシステムです。部屋の中に散らばるアイテムや謎の手がかりを見つけていって、日記や手紙といった資料を探し当てます。それぞれの謎解きの難易度は難しくなく、ある程度慣れているプレイヤーならストレートに考えた結果がそのまま答えになるといってよいでしょう。
出てくる謎は暗証番号を推測する系のものが多いのが特徴的でしょうか。特定のものを数えたり、数字につながるヒントを見つけたり、比喩になっている部分を紐解いたり、シンプルに論理パズルや数学パズルっぽい問題になっていたり様々なパターンがあります。上級者でも飽きることなく解き進めていけるでしょう。

rosso3

難しい要素としては、行動範囲がやや広めかつ入手できるヒントとそれによって解けるギミックが離れた場所にあったりするので、紙にせよデジタルにせよメモはほぼ必須という点があるでしょう。これは作品紹介などにも明記されています。私はスクリーンショットなどでの記録で対処しました。
どこのギミックに対応するヒントなのかがわからないこともあるでしょう。この辺りはプレイヤーの経験と勘が重要かもしれません。

次の”ココロの部屋”の探索ステップでは、前段階で入手したヒントをもとに対象者が最も思い入れのある部屋を調査して核心につながる資料を入手します。このステップには時間制限があるのが特徴的でしょう。その長さは毎回異なりますが、大体3分前後で対象者の身の回りに起こった出来事や現在望んでいることを把握する必要があります。そのためにはギミック解明に時間をかける余裕はありません。前段階で入手したヒントを頭の中もしくはメモに入れておき、ギミックはスムーズに解く、その上で重要資料を読んで状況を理解する必要があります。
謎解き要素自体は最初のステップと同じような内容で特別難しくはありませんが、ココロの部屋に入ってからでは入手できないヒントもあったりするのでメモはしっかり残しましょう。

rosso5

最後のステップでは対象者と直接会話することによって、”最後の審判”を行います。素直に願いを口に出せなかったり、自分自身でも願いを分かっていなかったりする本人に一つ一つ事実を確認していくことによって、最終的に願いの内容を明らかにしていきましょう。途中いくつか選択肢が出てきますが、先ほどまでの探索で明らかになった事実から正解が1つに定まるようになっています。3回間違えると失敗となってしまうので気を付けましょう。途中の章からは、1回間違えただけでゲームオーバーになってしまう赤い選択肢も登場するので少し難易度が上がります。

このステップでは対象者の願いを本人が認めるのが目的となるため、探索ステップでの謎解きの進行状況は直接はフラグにならないのが特徴的だと思います。一部解けていない謎や開けられていない鍵があったとしても、対象者の状況を正しく把握し願いを言い当てることができれば成功扱いとなってストーリーは進んでいきます。


さて、本作ではそれぞれの章で一人の対象者の調査を行っていくわけですが、対象者は年齢も抱える事情も様々です。最初の章では愛する娘に先立たれ、山小屋でつつましく暮らす優しいおじいさんが対象者となります。もうすぐ寿命を迎えることはすでに察している様子ですが一つだけ心残りがあるようです。その心残りとはどんなものなのでしょうか……。それを解き明かした後には、神さまの手によって願いが叶えられた様子が見られます。最初のストーリーにふさわしいストレートに感動的なシーンとなっていると思います。

rosso4

続いて制作活動に行き詰ってしまった同人作曲家や、孤児院でトラブルに耐えながらも親と仲良く過ごすことを夢見る少女などが登場。一部胸糞悪いエピソードもありますが概ね優しい心を持つ対象者と健気な願いに、寂しいながらも希望を感じさせるような内容となっています。

4章からは後半戦。ロッソ自身にまつわる事実やゴーストとは何かといった根本的な事柄について次第に明らかになっていきます。6章では神さまの目的が明かされ、最終7章ではロッソの身に起こった事件に関する決着をつけることになります。7章の探索や審判の結果によってエンディングはABCの3つに分岐します。Aがいわゆるトゥルーエンドというべきエンディングとなっており、作中で登場した様々な断片的な事実や設定が1本の線にまとまって感動的なエンディングと言えるでしょう。このエンディングだけエンドロールにスチルがついています。これまでの章で出てきた対象者のその後が明らかになったりと細かいながらも技ありのエンディングと思いますのでぜひこれを目指して頑張ってほしいなと思います。
BCについてはほぼバッドエンドと言っていいと思います。Bは途中まではいい感じなのですが最終的にはかなり後味悪い感じに。対象者を救えなかった悲しい末路となっています。

エンディング分岐は最終章で起きるので、序盤からセーブを分けておく必要はありません。探索ですべての暗号や鍵を解除して審判でも正しい選択肢を選べばエンドAに到達することができます。最初のステップで登場する謎が一部はココロの部屋での手がかりを用いないと解けないものがあり、この点はこれまでの章より難易度が上昇しているかと思います。
どうしてもエンドAに到達できない場合、同梱のファイル内に攻略ヒントが用意されていますのでそちらを見れば安心です。

本作の良かった点として、メインのストーリーと章ごとのストーリーがどちらもしっかりしていて、相互に作用しながら進んでいく点を挙げておきたいと思います。章ごとのストーリーでは対象者は複雑な事情を抱えていたり、周囲の人間に恵まれなかったりしていますが、彼の本当の願いを明らかにすれば概ね美談に近い話になっています。「SHADOW」と対照的と書いたのはこの意味が大きいです。
しかしながらこうした美談でも繰り返すうちに意義に疑問を感じるようになっていきます。3章の終わりにはロッソの先輩であるマリネはこの疑問に関して極論に走ってしまい、ロッソや神さまの仕事に対しての常識を疑うような展開となっていきます。4章でマリネの説得に成功してからはより強固になったロッソたちの結束をもとにこの仕事のもたらす影響を考え、メインストーリーの目的であるロッソにまつわる真実の解明へのモチベーションへとつながっていくのです。
こうした重要なシーンで専用のスチルがついている場合もあり、なかなか印象的ですね。


というわけで今回は「おばけのロッソ」のレビューをお送りしました。
感動ものが好きな方、色々な謎をサクッと解いて気持ちよくなりたい方、ぜひプレイしてみてください。ボリュームも私の初見プレイでコンプリートまで8時間ほどとかなりありますのでたっぷり楽しめると思います。

それでは。