フリーゲームの森

フリーゲームのレビューブログです。 ノベルゲーム・アドベンチャーゲームを中心にお勧めの作品を紹介します。
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その他

こんにちは。
Twitterなどでも少し触れましたが、先日フリーゲームの殺戮の天使を原作とする舞台を観ましたのでその感想などについて書いていきたいと思います。

MST

3年ほど前、東京大学ミュージカルサークルClavisさんがフリーゲームのIbを舞台化した時、ゲームを舞台にするという発想にまず驚き配信での鑑賞を申し込みました。もともと好きだった作品というのもありますが、ミュージカルにするにあたってゲームでは実現できない表現手法が用いられていたり、原作へのリスペクトが感じられたりと良い内容だったのでこのブログでも感想を書きました。
それから、趣味というほどではないですが2~3回ほどプロのミュージカルを観る機会があり、以前よりは見方も分かってきたかなという状態だった去年、今度は殺戮の天使をやると聞いてこれも見なければなと思っており、抽選の申し込みをしていました。当選の連絡をいただいてとても嬉しかったです。前は新型コロナウイルスの厳戒態勢の時期で、一般客は現地鑑賞は叶いませんでしたが今回は直接この目で見られたのも良かったですね。
Ibの時との比較とか、原作の再現具合とかについて書いていけたらと思います。

今回現地鑑賞が叶わなかった方も、配信があるそうなので興味のある方はぜひ申し込んでみてください。動画を観る前にまずは自分で原作をプレイしてみるのもお忘れなく。



本公演を主催したのは厳密にはClavisさんではない(派生した有志団体とかかな?)ようでしたが、重複メンバーも多いようで、特にダニー先生の方はIbのギャリ―を演じていた方と同一?のようで、フリーゲームへの愛を変わらず持ってくれているようでうれしくなりました。
さて、本公演の原作である「殺戮の天使」は星屑KRNKRNさんの制作したフリーホラーゲームで、ゲームマガジンに連載形式で公開されました。有名なので本ブログを見に来られるような方なら聞いたことあるのではないかと思います。私も知ってはいたのですが、実はプレイしたことがなく内容を知りませんでした(ホラー自体そんなに得意ではないし…)。しかし本公演の話を聞いて絶対にプレイしなければという気持ちになりPC版でプレイしました。
プレイしてみると、やはり有名になるだけあって細かいところまでよく作り込まれた良作で、特にシナリオに深みがあると感じました。しかしそうするとこれを舞台化するのはIbよりも難しいのではないかという感想も正直ありました。Ibは絵画の中の世界にとらわれてしまった主人公のイヴが脱出を目指すというシンプルで分かりやすいシナリオで、その中でギャリ―やメアリーといったほかのキャラとの交流だったり思惑の交差が描かれたり、絵画や彫刻などの美術作品の世界観に包まれたりといった部分が魅力的な作品でした。それに対して殺戮の天使は主人公のレイは単純に脱出を目指しているわけではないし、登場人物も多くしかも倫理的でなかったりと複雑度合いが高いなと感じました。舞台化するにあたりこのストーリーを表現するのは大変だっただろうと想像します。上演時間が3時間にも及ぶというのはその苦労の結果であったように思えます。しかし、やはり原作の重要な部分を逃さずミュージカルの形に再構成して、さらにミュージカルの強みを生かした公演とする手腕は見事だったと感じました。


具体的な話に移りましょう(以下本格的にネタバレあります。ネタバレ回避はこちらへ)。
全部のシーンを覚えているわけではないので印象的だったことをいくつか。












(以下ネタバレあり)

メインの登場人物が6人とIbの時から倍増しているわけですが、ちゃんと皆表現力のある役者さんが演じられていて良かったです。私が衝撃を受けたのはキャシー役の方です。歌がうますぎます。明らかに声楽の経験者とかじゃないと無理でしょあれは…。私は一応ピアノと合唱の経験者で、そこそこ熱心にやっていたと思うのですが、あれはすごい。自分の合唱団にあんなソプラノがいたらなあと終始思わされました。普通にファンになります。歌の場面だけでなく、サディスティックなキャラとしての所作であったり、原作中でも何度も聞くことになるあの高笑いだったりと全てに賛辞を贈りたいと思います。マジで上手い。ソロ曲聴きたい。原作プレイしてた時にはうざったくていけ好かないとさえ思ってたのに突然好きなキャラになってしまいました。

歌という面でいうとザック役の方もすごかったと思います。粗暴な人物らしさを前面に表現したあの喉を潰すような声。多分私がまねしたら3分で喉を潰して声が出なくなると思うのですが、それを3時間の公演中持たせるのは相当な技術がいるでしょう。私は普段フリーゲームをプレイしているときにボイスにはさほど注目せずに聞き流してしまうことが多く、ボイス待ちの時間をじれったく感じることすらあるのですが、今回の公演では見事にザックという人柄や感情を声によって表現しているように感じました。

Ibの時、バックコーラスについて音域が合っていないんじゃないかと感想にちょろっと書きましたが、今回はその面でも少しよくなっていたように思います。当時のメンバーより低い声の出る男声が増えたのだろうか? このあたりに関してはどうしても自分の経験上厳しく見てしまいがちなので嬉しかったです。

声についてもう少し書いておくと、レイの演技も良かったです。演じられているのは大学生以上の大人だと思うのですが、13歳の少女らしいあどけない声で、ザックとの対比が映えていたように感じます。
他のキャラとの掛け合いのあるシーンでもすっと耳に届きました。
ところで原作に誕生日の設定ってありましたっけ??
突然私と同じ誕生日が叫ばれたので結構びっくりしました。

別の方向から見てみますと、エディに関してはダンスによる表現が良かったように思います。大きなシャベルをうまく扱いながら曲中に自由自在に動き回る感じがまた原作のエディらしさに結び付きました。ザックのパートなどもそうですがかなり激しい振り付けも多く、これを昼夜で2公演もやる体力半端ないなと思いました。あとエディのバックダンサーの効果もあると思います。全体的にきりっとした動きが気持ち良かったです。あとどなたか名前は分かりませんがバックダンサーで一人表情が輝いている方がいてとても良かったです。

ダニーとグレイに関してはバランス型か?っていうくらい全体的に良かったですね。歌い方に関してもそうですし、グレイについては自分を神と表現するほどの絶対的に自信にあふれ、自らが正しいと考える堂々とした(傲慢ともいう)姿勢だったり、ダニーのあの気味が悪いほどの眼球への執着だったりが一つ一つの動きや声色から感じられたように思います。


キャラクターに注目した話が続いたので、全体的な構成やシーンの作り方について。

シナリオの密度が高い原作をミュージカルにするにあたって、どうしても尺の問題はあったと思うのですが、原作のエッセンスの部分はしっかりと演技で表現しつつ状況の説明などはアナウンスで済ませてしまうのが潔かったなと思います。原作は私でクリアまで4時間程度かかったのですが、さすがにそのまま舞台化するのは長すぎるのでいい判断だと思います。個人的にはもう少し削って、”間”みたいなものを味わわせてくれてもいいかなと感じました。例えば最序盤のレイがB6に放たれて小鳥を匿うシーンですが、直前のシーンが終わって即小鳥に食べ物をあげるような流れで、息つく暇もないなあ、と若干思いました。

また、今回は現地での観劇が叶ったからこそだと思うのですが、客席まで含めて会場をゲームの中の空間にするような構成が良かったです。第1幕で上の階に登っていくために周辺を探索しているシーンなどで演者さんがかなり観客に近づいてきたり。あとは電気椅子のシーンで”観衆の目”を潰すシーン。あれ原作では人形を切り倒すなどしましたが、公演で切られたのは我々観客ですよね。そういった演出はやはりゲームには出せないオリジナリティの溢れる部分だったなと感じます。

オリジナリティと言えば、エピローグで突然始まったアレには驚きました。ここはアイドルのライブ会場になったのかと。原作になかったシーンですがなるほどと思いました。
原作エピローグで表現したかったのは、誰もレイの願いを真面目に聞いてくれないし、表面的に”いい話”にするだけでレイのことを誰も真に理解してくれないという孤独と虚しさだと思います。そこにいきなりレイが望んでもいないライブが始まることでより華やかさの内側に潜む空虚を表現しているように感じました。あとはシンプルに明るい曲も1曲やりたかったのかなとも思いましたが。

あとはこのゲームについては、表情というものが大事になってくると思います。嬉しそうな顔をした人をザックは殺したくなるといった点であったり、ダニーが執拗にレイの瞳を求めたりといった点だったりしますが、ミュージカルの距離感だとさすがに細かい表情まで観客に伝えるのは難しいのかなと感じました。逆にバックダンサーで明らかにキラキラした表情の切り替えが伝わってきたあの人は何者なんだ…という話でしょうか。




(ネタバレここまで)

色々書いてきましたが、とても楽しめた公演でした。
原作の中でシナリオや表現上重要な部分を取捨選択し、ゲームにはないミュージカルという方法で肉付けするテクニックはIbの時から変わらず健在のように感じました。原作の台詞も要所要所で印象的に用いられながら、ミュージカルとして違和感のないようにアレンジされていたと思います。ちゃんと原作へのリスペクトも感じられる内容で、原作ファンも満足されるのではないでしょうか。

ホール入り口付近に原作で散らばっていた履歴書風の演者紹介が貼られていたりといった工夫も良かったですね。

履歴書を見てたら隣の方がダニーのぬいぐるみと一緒に写真を撮っていたのでなんだそれはと聞いてしまったりしました。レアグッズなのかと思いきや手作りぬいぐるみということで2度びっくり。客席でも隣の方がレイチェルコーデでいらっしゃるなど、私よりもずっと熱量の高いファンたちがいて圧倒されました(私もフリーゲーム全体への愛は負けませんよ!)。
100席前後の小さい会場ではありましたがほぼ満席で埋まっていて、こんなに同じ作品への愛の密度が高い空間があるだろうかといった意味でも刺激的でしたね。


Ib, 殺戮の天使と有名フリーホラーゲームのミュージカル化が続くとなんか今後も期待しちゃいますね!
私が好きな作品でいうと「奥様は惨殺少女」とか「蒼の屋敷」とか「まぢちる」とかになるんですがさすがにミュージカル化は難しそうなので、「包丁さんのうわさ」「七ツ怪」とか観たいな~と勝手に希望を書いておきます。知名度でいうと「魔女の家」かなあ。


というわけで今回はここまでです。
興味を持った皆さんはぜひ配信の方をお見逃しなく!

それでは

こんにちは。
先週行われたコミックマーケット(2日目)に行ってきたのでその時のまとめです。


コミケは去年の夏に初めて行きました。あの時は正午過ぎくらいにビッグサイトに到着したのですが、早いところだとすでに完売しているサークルもあったので今回はなるべく早めに入ろうと思い、午前入場開始の30分前(10時半頃)に会場へ到着しました。しかしもうその時刻には入場待ちの長い行列ができており、実際に入場できたのはその1時間以上後になりました。猶予30分では足りなかったか~。
しかし去年の反省を生かして水分を多めに(計2.5リットル)持ち込んでいたのでコンビニに並んだり自販機を探したりせずに済みました。


さて、入場して真っ先に同人ソフトのエリアに向かいます。最初に見つけたのはルピナスパレットの水原梓さんでした。以前このブログで「インビジブル」のレビューを書いたのをよく覚えていてくださって嬉しかったです。最新のレビュー記事で扱った「おさななじみ Childhood Love」の話を出したところ、「アル管理人の恋」シリーズも面白いよとの言葉をいただいたので帰宅してからDLしました。作者のMirinさんとは仲がいいとのことで、制作者同士の繋がりがあるの良いな~と思いました。
もちろんルピナスパレットさんの新作「ストレイ・メモリア」を購入してお別れしました。サウンドトラックは売り切れてしまったとのことで残念。やっぱりもっと早く来る他ないのか…


続いてClear Colorの川澄シンヤさんに会いに行きました。過去作の副読本とシナリオ付きイラスト集(漫画とは少し違う?)を購入し、「お姉さんと夜あそび」の先行版DLカードをいただきました。これらは未プレイの過去作に関する部分を除きすでに全部読んでしまいました。ツイートもしましたがレイナのコメントにあった「作者も大好き、みんなも大好き(断定)なレイナさんです」が妙に面白くて笑ってしまいました。ロシアンたこ焼きで当たりを引いたレイナのスチルが見てぇよ~
「お姉さんと夜あそび」は後日フリー版も公開されると聞いているので、余裕があったら違いを発見してみたいですね。「リバース・ゲームFinale含む)」以外の作品もまたプレイしていこうと思います。


もう順番があいまいですが浦田一香さんにもお会いしました。「世界で一番不幸せな子ども」のDLカードをいただきます。同作はノベコレでも公開されていることは知っていたのですが、コミケに行くことは決めていたのでせっかくなら会場で頂こうと思っていた作品です。
浦田さんの作品はこれまでに5作ほどプレイしていますが、どれも明確な悪意に依らない人間の怖さみたいなものを描く手法にインパクトがあって、唯一無二の作風だなと感じています。軽くそんな話をお伝えした後、またほかのサークルを回っていきました。

周辺サークルを回っていたところ、ユキハラ創作企画の雪原たかしさんにお声掛けいただきました。お話を伺っているとなんと雪原さんはノベルゲームエンジンのLight.vnの開発や運営を行っているとのことで、自サークルの作品「春に生きれば」のみならずらいとゔぃえん祭の告知なんかも受けました。確かに技術者っぽいシャツ着てるな~なんて言ったり、ツール開発のハプニングの話なんかも聞けたりして楽しかったです。帰宅して「春に生きれば」のディスクを解凍してみると、Light.vn物語のスクリプトファイルやエディターが同梱されていて、その強火のツール推し熱量を感じられました。これはノベルゲーム作れってことかな。


そして島の端の目立つところにスペースを構えていたポロンテスタのうめこぽんちょさんにお会いしました。昨年「道徳ビデオ」のレビューを書いたりコミケでお会いしたりといった交流はあったのですが、それをよく覚えていてくださって感激しました。道徳ビデオの製品版と新作「ヤギ症候群」(18禁)のパッケージ版を購入しました。そしてなんといつもレビューに元気と創作のエネルギーをもらっているとの嬉しい言葉とお土産のお菓子をいただいちゃいました。ありがとうございます。
基本は面白い作品を多くのプレイヤーに知ってもらいたいという気持ちで書いているレビューですが、作者の方にこうして喜んでいただけたり新作への糧になるというのならそれも大変うれしいです。
ちなみに帰宅してから開封したところ、めちゃくちゃ厳重に梱包&袋詰めされていて、そういえばYouTubeで袋詰め大好きなんて言ってたな~と思い出しました(どの動画だったかは忘れた)


→Quantize_の紅音久遠さんともお話しできました。→Quantize_と言えば「臨界天のアズラーイール」シリーズが有名かと思うのですが、私は「ラビっとはーと!」が結構好きなんですよね。新作「朱色に染まる、美しき社で」はDLカードによる販売だったのですが、カード単体でなく台紙についた状態で全体のデザインが考えられていてセンスを感じました。
えるりんごさんのスペースでは、前回と同じくM.Mさんがいらっしゃったのでレビュー見てますって話をしたり「ぽんぽんランド」よかったですよ~なんて話をしたりしました。ネームプレート(名刺?)を着けていて一目で本人と分かったのも話しかけやすかったポイントですね。新作の「魔王、エロ漫画を描く。」を購入してお別れしました。

驚いたのはその近くにいた花麒麟ソフトの方に声をかけられたときです。「純愛じゃなきゃ許せません!」の体験版を無料配布しているという事でQRコードをもらったのですが、作品紹介のところをよく見ると「そしてパンになる」(18禁)の文字を発見。意外な発見にびっくりしてつい音読してしまいました。私が過去にレビューを書いた作品ではないですか。そこで初めて花麒麟ソフトはカビ布団さんが立ち上げたサークルだという事を知りました。初めて書いたエロゲのレビューだった、みたいな細かいことまで覚えていてくださって、嬉しいのと同時に適当なこと書けないなと気の引き締まる思いもしました。
そして「純愛じゃなきゃ許せません!」がカビ布団さんの作品とすると…一体どんなとんでもない展開が待ち受けているのかと身構えてしまいますね。「私作品名で嘘はつかないんで」とはカビ布団さんの談ですが果たして…

大体知っているサークルさんは見終わってふらふらしていると、活動漫画屋さんのスペースに目が留まりました。頒布されていた「いえのかぎ」にどこか見覚えがあったのです。売り子さんに説明を聞いてとりあえず最新作の「大阪義体遊」と一緒に購入。プレイしてみたところ、これまたとんでもない作品でした。感想軽くツイートはしたのですが、もしかしたらブログでも何か書くかもしれません。
そしてどこで見たのか思い出しました。アライコウさんが最近始められたブログで紹介されていたのでした。その記事を読んでみると、同意するところも多いのと同時に私とはけた違いな分析力を感じてさすがだなと思いました。


そして今回コミケに行って最も驚いたのはLucid A96さんに出会ったことです。私は全然知らなかったのですが、あの「かたわ少女」(18禁)を作ったFour Leaf Studiosのメンバーというのです。あの後個人で同人誌を出したりしていたそうなのですが、ほぼゲームしか眼中にない私は全く知らず。しかし「かたわ少女」は素晴らしい作品だったので感想をお伝え出来てよかったです。
しかも日本語がめちゃくちゃうまかった。作品の多言語化を担当したのが彼だったのかは分かりませんが、さすが海外掲示板に投稿された日本のイラストからインスピレーションを得てゲーム制作をし、4言語対応したうえ日本のコミケにも参加される方だなと感じました。
そんなかたわ少女はつい昨日Steamでもリリースされたとのニュースがありました。私が最初にプレイしたのはもう8年ほど前で、今使っているPCにデータは残っていないので久々にプレイしてみようかなという気持ちになりました。


そのほかにもいくつかのサークルを回って最終的な戦利品はこんな感じに。
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これらを消化するだけでかなりの間楽しめそうです。
また次も行きたいなと思える楽しいイベントでよかったです。

それでは。

こんにちは。前回の予告通りタイムアタックをやっていこうと思います。
対象の作品は、Shadow's Silhouetteさんの「勇者はG○○gle翻訳で世界を救うことにした。」です。
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ゲームの内容は前回細かく紹介したので軽く触れるだけにします。
言葉の通じない異世界に勇者として召喚された主人公の鈴木は、スマホのG〇〇gle翻訳を駆使して人々の依頼を解決しお金を得ていきます。スマホのバッテリーは1秒ごとに減少し、充電にはお金がかかるためなるべく素早い探索と依頼解決が必要になります。十分お金を貯めてレベルアップし装備を整えたら勇者としての役目を全うするため最後のボス戦イベントに行くことになりますが、はっきり言ってこれはおまけみたいなもの。本作のメインはやや不自然な言葉から元の内容を推測して依頼を達成したり、適切な行動順を発見して最速で依頼達成を目指したりといった部分でしょう。

単にクリアするだけならタイムアタックを極めるまでやる必要はないのですが、私は全依頼達成にかかるまでのタイムをどこまで短縮できるかに興味を持ってしまいました。1回の探索で受けることができる依頼は全部で70個。「ありすえすけーぷ」を作者さんに「人間やめてるレベル」と評されるまでやりこんだ私の好奇心は本作についても発揮されました。


レビューでは触れませんでしたが、本作ではいくつかの手法で「秘宝」を手に入れることができます。移動速度を3段階で調整できたり、一度行った地点を記録してそこへワープできるようにしたりといった機能が使えますが、当然ゲーム開始時点では使うことはできません。そこで今回私は2つのレギュレーションでタイムアタックに挑むことにしました。
  1. 秘宝禁止縛り
    初期状態と同じく移動速度は普通、ワープは不可という縛りです。タイムアタック中にメニュー画面を開くと時間の計測が止まるのですが、今回はそれも使用不可ということにしました。
  2. 秘宝解禁
    秘宝の使用ができるレギュレーションです。探索開始前に移動速度を調整しておくのも良しとします。探索中のセーブとロードは使用不可という、一発勝負でその他の縛りなしのルールです。


先に結論を書いておくと、私の記録は①10分29秒、②3分55秒です。
以下ではそれに至るまでの私の研究と手順を書いていこうと思います。言うまでもないですがネタバレ多数なので自力で挑みたい方は注意です。






①秘宝禁止縛り


本作のマップは大きく城内、北の街、南の街の3つに分けられます。このマップの端から端まで移動するには移動速度標準で15秒以上かかるため、なるべくエリア移動が少なくなるようにめぐっていく必要があります。厄介なのは「名画を探して」「鶏のかくれんぼ」の依頼2つです。「名画を探して」では最終的に城と名画の間を5往復する必要があります。「鶏のかくれんぼ」は3つの依頼に分かれていてそれぞれマップ上の様々な場所を順番にめぐる必要があり、その数は驚異の合計14か所です。終盤ではエリアをまたいだ移動が必要となるので、いかにほかの依頼を片付けるついでに回るかが時間短縮の鍵となります。名画依頼では城→南の街→城→北の街→城→北の街→城→南の街→城→北の街→城という順に指定された地点を訪れる必要があり、かくれんぼ依頼では北の街×4→南の街×4→城→南の街→北の街→南の街→北の街→南の街という順序になります。この最低限必要なエリア移動のほかには極力エリア移動しなくて済むように依頼をこなす順番を組み立てていきます。
最終的に私がたどり着いたチャートはこんな感じ。
北の街墓参り受諾、蝶5匹集めて受諾、掃除して受諾・完了、手紙を渡して受諾、眠気覚まし受諾、同僚のサボり受諾、お酒を運んで受諾・完了、落とし物受諾、ポスティングして受諾、蝶、ポスティング1、悪霊を退治して受諾、巨大花を摘んできて受諾、蝶、手紙を渡して完了、落とし物拾う、ポスティング2、商品を届けて受諾、鶏のかくれんぼ1受諾、犬を捕まえて受諾、ポスティング3、花を摘む、体を探して受諾、蝶2、犬、墓参り、犬捕まえる、かくれんぼ1、墓参り完了、ポスティングして完了、落とし物完了、かくれんぼ2まずは拠点から出てすぐの北の街を探索。町の南東から時計回りに回っていくイメージで進めると二度手間になりにくいです。北の街から出ずに解決できる依頼はたったの7個ですが、すでに15個も依頼を受けています。
鶏のかくれんぼ1完了、モンスター討伐1~5、蝶、お札もらう、書類を届けて受諾、名画を探して受諾レベル3以上で進める城エリア。アクション要素の強いモンスター討伐依頼があり、ここでうまくいかなかったらリセットしてしまうのも手でしょう。「名画を探して」依頼も厄介で、計5個の絵画を探しその都度王子に届ける必要があります。
北の街猫から鍵奪う、悪霊倒す、服を選んで受諾・完了、悪霊を退治して完了、巨大花を摘んできて完了北西の民家にある用事をここで全て済ませておきます。これを済ませないと武器屋の商品が手に入らない。
南の街野菜を買ってきて受諾、回覧板を届けて1受諾、鶏のかくれんぼ2受諾、ハーブを探して受諾、伝説のレシピ受諾、カフェオレ求む受諾、コーヒー回収、配膳を手伝って1~5完了、貴婦人の絵画回収、盗品を取り返して受諾、旦那の浮気調査受諾、体を回収、聖剣を抜いてくれ受諾、蔵書を探して受諾、ピエロさんのクイズ1~4完了、かくれんぼ1、ダンサー回収、浮気調査実行、牛乳回収、客の探し物は?受諾・完了、好みの服装は?受諾・完了、人参たべたい受諾、回覧板を届けて1完了、2受諾、忍ぶ者の捜索受諾南の街へはレベル10ないと入れません。町の入り口から時計回りに依頼を受けていきます。図書館の奥へは他の依頼のついでに入りたいので今回は行きません。
北の街仲間を3人集めて受諾、忍ぶ者の捜索完了、翻訳を頼む1~3完了、体を探して完了、ラブレターを渡して受諾、仲間1基本的に1つの用事をするためだけに建物に入るのは避けます。今回でいうとギルドには仲間を集める依頼を受ける・忍者を発見する・曲のタイトルを翻訳するという3つの用事を一気に済ませています。残りの3つはすべて墓地の用事です。
書類を届けて完了、注文書を届けて受諾、仲間2、名画を探して1完了、2受諾、料理の味見完了、レシピを聞く城2階の裏側へ回る用事は今回で全て終わらせます。
北の街注文書を届けて完了、防具を届けて受諾、武器を回収、犬を捕まえて完了、聖剣回収、野菜を買う、蝶5匹集めて完了、王様の絵画回収北の街の南側あたりの用事を集中的に済ませます。聖剣の回収が忘れやすいので注意。
南の街野菜を買ってきて完了、回覧板を届けて2完了、3受諾、かくれんぼ2、本回収、回覧板を届けて3完了、4受諾、人参回収、人参たべたい完了、ハーブ回収、鶏のかくれんぼ2完了、宝石回収、仲間3南の街2回目。今回は回覧板依頼を順にこなしていき、同時にかくれんぼ2を終了させます。
北の街ここで初めて素通り
商品を届けて完了、防具を届けて完了、指輪を届けて受諾、名画を探して2完了、3受諾、鶏のかくれんぼ3受諾ここでかくれんぼ3の依頼を受けておくのが大事。以降のエリア移動はかくれんぼに行かせるかどうかを最優先で判断。
北の街仲間を3人集めて完了、指輪を届けて完了、王に手紙を受諾、俺を見てくれ!完了、眠気覚まし完了、同僚のサボり完了、花の絵画回収これで北の街の用事もほとんど完了となります。
王に手紙を完了、王妃にワインを受諾、名画を探して3完了、4受諾これで城には名画を渡しに来る以外の用事がなくなりました。
南の街かくれんぼ1、伝説のレシピ完了、ハーブを探して完了、カフェオレ求む完了、山の絵画回収、ラブレター渡そうとする絵画の回収が主目的。同時に喫茶店内の用事もすべてこなせるように事前に準備しておきます。
北の街再び素通り。
名画を探して4完了、5受諾
北の街王妃にワインを完了、かくれんぼ2、ラブレターを渡して完了、海岸の絵画回収ここで墓地に行ってラブレター依頼の結果報告をするのを忘れがちなので注意。最後に漏れているのに気づいて泣くのを3回くらいやりました。
名画を探して5完了城の用事が完全に終了
北の街素通りの回数はなるべく減らしたいですが私のチャートだと3回必要になっています。
南の街旦那の浮気調査完了、盗品を取り返して完了、聖剣を抜いてくれ完了、蔵書を探して完了、回覧板を届けて4完了、かくれんぼ3、何の本か教えて1~3完了宝飾品店から図書館の奥場へ行くルートを有効活用し、かくれんぼと本のタイトルの翻訳の依頼を片付ける。
北の街かくれんぼ4北の街の用事終了
南の街鶏のかくれんぼ3完了、受け取ってくれ完了これで全依頼達成。お疲れさまでした。

この結果どんなプレイングになるかを動画にしました。
今受けている依頼の一覧を常に表示するなど編集も頑張ってみたので是非ご覧ください。


②秘宝解禁


基本的なことは秘宝禁止縛りの時と同じで、なるべく移動にかかる時間を減らすために一か所で同時にたくさんの用事をこなすことを心がけます。①と大きく違うのは、ワープが解禁されているためよく立ち寄る場所を登録しておくことでそこへの移動時間が0になることです。具体的には、城2階の謁見の間を登録しておくことで、①の時はそれを中心にチャートを考慮せざるを得なかった名画回収依頼の負担が大幅に軽減します。かくれんぼ依頼については同じ場所を訪ねさせるわけではないので①の時とそれほど状況は変わりません。
そのほかメニュー画面を開くことによってできるテクニックがいくつかあるのでそれを紹介します。
まずは魔物討伐依頼の攻略法が大きく変わります。唯一目的地が動くこの依頼では、メニュー表示中はタイムが進まないことを利用してメニュー画面を小刻みに開き、自分と魔物の位置関係を0秒で把握するというテクニックが有効になります。文章では何を言っているのかわからないと思いますのでこちらの動画をご覧ください。

この動画の1:45~3:35までが該当部分です。実時間では110秒かかっていますが、メニュー画面を開いていない間のみタイム計測が進むためたったの34秒で5つのモンスター討伐依頼をクリアしています。

これと似たテクニックとして、罠だらけの市場で野菜を買う依頼においてアイテム使用中は罠は移動するがタイム計測は行われないという仕様を利用するものがあります。上の動画で6:40~7:01がその実演となります。実時間で21秒ですがゲーム内時間では5秒で終わっています。

これに加え、移動速度は「速め」を使うことになるためキーボード捌きの正確性の要求水準が格段に上がっています。ここは練習あるのみです。


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いかがだったでしょうか。皆さんの挑戦をお待ちしています。3分55秒を切ったら是非教えてくださいね。

それでは。

もう1週間たってしまいましたが、先週東京ゲームダンジョン5に行ってきたのでその感想や出会った作品たちなどについて書いておきます。


会場は東京都立産業貿易センター浜松町館というビルで、ビッグサイトのように巨大な施設ではありませんでしたが綺麗でよかったです。


事前に入場チケットを買っておいたので入り口でQRコードを見せて入場します。パンフレットももらいました。まず入ると目の前にたくさんの出展者のビラが並んでおり期待が高まります。
会場は2フロアにわたっていたのですが、まずは入り口のある4階のブースを端から見ていくことにしました。


まず見つけたのはNutrientsさんでした。私が実際にプレイしたことがあるのは「おいなりっ!」のみという状態でしたが、ノベコレでの活躍はよく耳にしますしお話しできてよかったです。とりあえずその場で頒布されていた「Eclipse:Fall -神の断罪-」のパッケージ版を購入しました。
次にプレイするフリー作品は何がおすすめか聞いてみたところ、「こと国シスターズ!!」がおいなりっ!同様にコメディ寄りで楽しめるんじゃないかということだったので、帰ってからノベコレでDLしました。
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さて会場をまた歩いていくとBagueGamesさんにお声掛けいただき、「私が死ぬための乙女ゲーム」の10ページほどあるしっかりしたパンフレットをいただきました。インパクトあるタイトルで、おそらくTwitter上かどこかで見たことがあったのですがプレイはしていませんでした。せっかくの機会なのでプレイリストに加えておきます。A4フルカラー10ページのパンフレットで紙も上質だったのでうれしくなりますね。
そしてすぐに神歩月さんにもお声掛けいただきました。ノベコレで配信されているようだったのですが存じ上げないサークルだったのでやや申し訳ない気持ちがありつつも、自己紹介なんかをしました。代表(個人サークルさんかな?)のカンナさんの名刺もいただいてしまって、これは紹介されていた「MonstrousPark」をプレイするほかないなという思いを抱いて一旦別のブースへ。

続いて以前から知っているサークルである箱庭ゾーイトロープさんのブースを発見しました。「七ツ怪」や「黄泉廻道」なんかをプレイしたことをお話しできました。とっさに作品名が出てこなかったりしてテンパって、感想とかの中身は全然言えなかったのが悔やまれます。どちらの作品も立ち絵がかわいらしく作りこまれていたなという印象をよく覚えています。お着換えできたりLive2Dがうまくなじんでいたり。
現在制作中という「心情ノイズ」もCi-en上などでたびたび目にするので、期待しています。


またまた歩いていき、ToAgeさんのところでシンプルな2Dアクションゲームの「To my forever Love」を試遊することにしました。マウスで遊ぶ高難度2Dアクションという触れ込みだったので、私は「ニュー・スーパーフックガール」を通しSランククリアし裏スノーマンストリートだってクリアしてるんだぞ、やってやるぜ、という気持ちでプレイしてみました。手紙をマウスクリックで弾くようにしてゴールまで導くという内容で、確かになれるまでが難しい! これまでにやったことがある似たゲームでは連続してはじくことができる仕様のものが多かったのですが(SunflatGamesさんや星探の中のミニゲームなどがすぐに思い浮かびました)本作では一度弾いた後は着地して安定するまでは再度操作できないルールとなっており、一度の操作の正確性が強く求められるバランスでした。ゴルフみたいなイメージと言ったら伝わるでしょうか。


もうどんな順番で回ったか忘れてしまいましたが、ほかにもいろいろなブースでお話を聞いたり展示品を試遊したりすることができました。

鈴木賢さんの「異次元盤上遊戯カオスボード」は将棋やオセロなどの定番ボードゲームの駒が勢ぞろいしたオリジナルのボードゲーム。似た試みの作品はほかにも見たことがありますが、本作にはカードゲーム的要素が加えられており、カオスの名にふさわしい爆発力のあるゲームといった印象でした。数分レクチャーを受けながら遊んでみただけだとルールの把握も難しい感じでしたが、コンセプトとしては良さそう。開発する側にとってもバランス調整が相当難しそうだったので今後に期待でしょうか。

壁面にかけられた展示で異彩を放っていたのはYouTopiaさんの「キャバ嬢に貢ぐRe」。イラストの塗りが独特でパッと目についたほか、ブースで配布されているチラシに付属の札束を模した投票券を登場する各キャバ嬢に献上できるシステムが面白い。後日発表された集計結果はこんな感じ。



にしすけさんの「カップルメーカー」も気になりますね。会場で遊ぶことはかないませんでしたが、割と自分好みのパズルのにおいを感じます。「決戦前のヒトリ ~主人公以外全員『カップル』がいるアドベンチャー~」のレビューも書きましたしね。…と思っていたらAndroid版がもう配信済みなんですね。後でやってみます。

伏見のヒナタはんさんにもお会いしました。ミステリー風コメディのシリーズや、立ち絵が変なギャルゲーを作っている方と認識はしていたのですが実は未だプレイしたことがなく、この機会にやってみようと思いました。何からやるのがいいか聞いてみたところ、シリーズ1作目の「まったく証拠は無いですが、あなたが犯人です。」からがいいんじゃないかとのお言葉をいただいたのでDLしておきました。


他に未リリースみたいだけど気になるなと思ったものもいくつか。
しゃけ。さんの「マジックナンバーズ」がぱっと見良さそうな印象を受けました。トランプっぽいシンプルな見た目に魔法系ローグライクカードゲームというジャンル。ほっとフクロウさんの「カードの不思議なダンジョン/黄泉からの帰還」をかなりやりこんだので、こんな感じに楽しめるんじゃないかなと期待。今調べてみると、作者さんはunityroomで多数の作品を投稿されていることに気づきました。unityroomはたまにしか見に行かないので知らない作者さんばかりですね。
白火夢野さんの「Twinkle★Nights」も可愛らしい絵と、「もう一度、世界を好きになる物語。」というコピーが気になります。
っっっtさんの「クロノスの孤島」も面白そう。7月デモ版配信予定ということなので期待。



あまり時間がなかったのでゆっくりとは見れませんでしたが、それでも10以上はブースを回れて作者さんとお話しできたりもしたのでよかったです。ゲームという私の興味のあるジャンルに絞り込んでいるイベントのため、コミケなどよりも規模は小さいのに見て回りたい場所はとても多かったです。即売会ではないので試遊ができたり、道を歩いていたら作者さんの側から声をかけていただいてお話を聞けたりしたので満足度はかなり高かったです。
帰る前に入り口付近にあった大量のビラから気になるものを選んで持ち帰りました。

名刺をたくさんいただいてしまったのですが返せるものがなくちょっと悩んだりもしました。冬瓜名義の名刺を作るか…?
しかし宣伝するものはこのブログくらいしかないしアイコンもフリー素材だし見栄えしないなあ……


さて、帰宅後に実際にやってみた作品もいくつかあるのでここでご紹介しましょう。


神歩月さんの「MonstrousPark」はTrue End、Extraまでプレイしました。不気味なお話と立ち絵がマッチしている感じがよかったです。特定の主人公がいない群像劇という形式をとっているうえにちょっと登場人物が多すぎて、キャラクターを覚えるのが大変でした。また、遊園地の謎がだんだん解き明かされていくという感じではなく突然重要な事実が明らかになってしまうので、次第に謎が解けていく快感みたいなのは薄いかなと感じました。
選択肢がかなりたくさんあるのですが、一度選ぶと好感度の変化量がわかるようになるシステムがとても親切でいいですね。これがないと多分True Endはかなりきつかったでしょう。
monstrous1png


続いてかみんのかんみさんの「つなげてすてーしょん」をプレイしてみました。会場で気になりつつもブースに行けなかったのですが、unityroomで公開されていたので簡単に遊べました。
スタート地点からゴールまでいい感じに線路を引いて電車を誘導するパズルでごく王道な感じだったのですが、途中から出てくる特殊パネルのようなものの意味が最後まで分からなかったのが残念でした。さすがにルール説明なしではきつかったです。
station

試遊で最初の何面かをやった「To my forever Love」はSteamで200円と安価で販売されていたので購入してやってみました。最初のうちは手紙の近くをはじくだけの操作でしたが、ステージが進むと近くの壁をつかむ操作や動くギミックが登場し、難易度はさらに上がってきたように感じます。しかし往路は30分ほどでクリア。ニュースーパーフックガールを倒した私の敵ではないわ!
返事の手紙を届けるステージがまだ残っているようなのでこちらもこれからクリアしていきたいです。
the_letter2
障害物や穴のあるステージ上で手紙を宛先へと誘導します。ルール説明がデザインで完結していて直感的に遊べます。

the_letter
無事届けることができました。


楽しかったのでまたイベントあったら行きたいですね。
その時までに、これまで買ったりもらったりした作品たちはしっかりプレイしておきたいです。今回Overcastさんのブースで「あ、去年コミケで買った「クラウディ・デイズ」まだやってない!」と気づいてしまったので……


それでは。

こんにちは。
むきりょくかん。さんの「ほしのの。」という作品は私にとって思い出の作品であるという話は過去に何度かしたことがあります。物語の舞台である栃木県栃木市星野に行ってみたいなあという気持ちは以前からあったのですが、川崎(「ごがつのそら。」の舞台)や新横浜(「Normalize Human Communication」の舞台)に比べると交通の便が悪く、作者の吉村さんも「車で行ったほうがいいレベルの田舎」と過去に言っていたのでなかなか実際に行くにはハードルが高くて足を運べませんでした。

しかし先月ついに現地へ行ってみたので今回の記事はその時の記録です。
(この記事タイトルですが行ったのはGW中ではないです。カタクリの開花時期に合わせたかったので…)
開花時期



さて、今回の聖地巡礼対象である「ほしのの。」については3年前にレビューを書いたので細かいことはそちらに譲りますが、軽く説明をしておくと、

交通事故で両親を亡くした中学生の主人公川島結城が星野に住む祖父母一家に引き取られて生活することになり、慣れない田舎暮らしやおせっかいな従姉に悩まされながらも順応して距離を縮めていくというほのぼの系ギャルゲー。

といった感じでしょうか。


というわけで今回は栃木駅から出発です。写真は行きで撮り忘れたので帰りの時のものです。もう真っ暗。
station

東武日光線とJR両毛線が通っています。急行も止まるようですし駅舎も大きく、付近には商業施設も並んでいて別に全然田舎ってほどじゃないなと思いました。


まずは駅周辺を散策してみます。作内の描写にもあった通り、「蔵の街」というのを前面に押し出しているのがよく感じられました。時折古そうな蔵造りの建物が並び、スタバもなんかシックな外観だったり。
ゆーちゃんがお姉ちゃん命令に負けて寒い中自転車を漕いで向かった幸来橋まで歩きます。

koraibashi1
当然冬蛍は光っていないわけですが、なんだかゆーちゃんとはるねぇを近くに感じられる気がします。
遊覧船に乗る時間はないので付近を少し歩きます。

koraibasi2

なるほどなるほど。この蔵造りが並ぶ情緒溢れる通りを凍えながら、温かい紅茶を飲んだりして歩いて行ったわけですね。そしてチャリを盗まれる、と。どこに停めてたんだろう。
そういえばスマホアプリ版では鍵をなくしたことになってましたね。盗まれるのはネガティブなイメージが強いから変更されたんでしょうか。


そしてここから星野へ向かっていきます。市営のふれあいバス寺尾線に乗って40分ほど。途中はほかの乗客も何人もいましたがだんだん降りていき途中からは私一人に。だんだんと建物が少なくなっていく様子がよくわかります。確かにここまでくればかなり田舎と言っていいでしょう。
10km以上乗っても200円しかかからないのはかなり安いですね。

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星野遺跡前で降りると文字通り目の前に星野遺跡記念館が。休日のみしか入れませんが入館無料ということで見ていきます。
私が建物に入ってみると受付みたいなところにすら誰もおらず、これ勝手に見て行っていいってことかなと少し悩んでいたら、さっき駐車場の車内で暇をつぶしていたっぽい男性が入ってきて、どうぞと言ってくれました。なるほど普段あまり人が来ないから、入館者が来た時だけ受付にいるようにするという感じみたいです。

展示内容は星野周辺など栃木市で出土した打製石器と発掘調査について、といった感じでした。日本列島に旧石器時代はあったのか、未だ確固とした結論が出ていないというのは少し意外ですね。中学校とかで習ったのかもしれませんが完全に忘れていました。

小さめで地味な展示ですがちゃんと見ると1時間近くかかりました。地質や岩石の話は結構分かるところも多かったですね。
その間他のお客さんは2人組が1回来て私より先に帰ったくらいで他には誰も来ませんでした。う~ん、みのりんに同意。
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遺跡を出た後は周辺散策です。
まずは和泉家がある(という設定)の星宮神社へ。

shrine.MP

うん、ほしのの。マップで見た構図と完全に一致してますね!
神社内は聞いていた通りボロボロで、賽銭箱すら見当たりませんでした。階段が狭くて急で、手入れもされてなさそうでちょっと怖い。でもこの近くにゆーちゃんが住んでると思うと特別なものに見えてくるから不思議です。


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鹿沼市との境界付近。1話で川遊びしたポイントはもっと上流らしいです。



hosinobasi
星野橋。ゆーちゃんがはるねぇとけんかした日にみのりんと話した場所ですね。
作内では夜にしか出てこないので昼に撮ったこの写真とは雰囲気が違いますね。まあここに夜来るには本当に車を用意してこないと詰みそうなので再現は厳しい…


ほしのの。検定(中級編)に誤答選択肢として出てきた星野河川公園付近を歩いていると不意に音楽が聞こえてきました。時間を見るとちょうど5時。なるほど夕方に「夕焼け小焼け」が流れるみたいなやつね…と思いつつ全く聞いたことのない曲だったので頑張って歌詞を聞き取ってググってみるとなんと「栃木市民の歌~明日(あす)への希望~」という市歌であることが判明!
思いもしない方向からローカルな雰囲気に包まれてなんか感動しました。旅行の醍醐味の一つではないでしょうか。

久石譲さん作曲、その娘の麻衣さん作詞・歌唱というこの豪華な市歌は、栃木市のホームページから無料でDLできるほか歌の楽譜や伴奏譜、合唱譜、吹奏楽譜などもDLできます。すごい。太っ腹。

この市歌は平成27年制定ということでかなり新しいみたいですね。ほしのの。の公開が2007年(平成19年)なので公開当時は存在していなかったはず。その頃は別の曲が流れていたのでしょうか。


road
ひたすらまっすぐな道と両脇に畑や山が広がる様子。ゆーちゃんも言っていた通りこれなら1度通れば迷うこともないですね。


そして私は4話後半の名シーン、夏祭りの帰りに星空を見上げて最後にははるねぇとの関係を一つ先のステージへ進めたあの場所に行こうと思い探してみました。
星野自然村の脇を通るという情報があったのでそれをもとに探すのですが、その周辺は私有地につき立ち入り禁止の立て札が立っていたりしてどうも違いそう。いろいろ探索してみますが見つけられません。
カタクリの群生地としても知られるらしいので、その情報がないかとネット上を検索していると、やはり立ち入り禁止の先が該当の場所っぽいという結論に至りました。さすがに不法侵入して通報されるわけにもいかないので今回は諦めます。自然村に正規の客として予約して行ったりすれば入れるんでしょうか? しかしどう見ても開花時期はキャンプ場のオフシーズンで開いてなさそうなんだよな…

谷倉山に登る動画を探してみると、この動画の人が一番私が行った近くを通っているのですが、私が行った時には結構目立つように取り付けられていた立ち入り禁止の札が動画内では見当たらないので、動画撮影から現在までの3年くらいの間に設置されたんでしょうか。行けなくて残念でした。



そんなことはありながらも帰路につきます。帰りは再びバスで栃木駅前まで。そこで私は、レモン牛乳飲んでない!と気づきました。1話で登場したレモン牛乳は正式名称を「関東・栃木レモン」と言い、はるねぇの好物でもあります。ゆーちゃんの口には合わなかったようですが私も味わってみたい! ということで売っている店舗がないか探してみます。コンビニやスーパーを3店舗ほど回りましたが見つからなかったので、帰りに調べながら通販で購入しました。栃木県内ならどこでも売っているというわけではないみたいです…。

届いたギフトセットがこちら。

gifts
結構ボリュームあります。レモン牛乳に加え、ヨーグルトなどもセットになっています。


milk1
はるねぇの好物

milk2
グラスに注いだレモン牛乳。きれいな薄い黄色で甘いにおいの中に僅かに柑橘っぽい香り。
飲んでみると全く酸っぱさはなく甘い牛乳といった感じ。私は結構好きでした。


yogurt
ヨーグルトのほうは…一般にヨーグルトと言って想像されるものよりも固くてずっしりしてました!
濃厚で舌にまとわりつく感じがします。私は牛乳その他乳製品は好きなので、この濃さに満足です。
凍らせてみるのもありじゃないかと思い1つ冷凍庫へ入れてみた結果…金属製スプーンも入らないほどカチコチに! 少し解かして食べました。凍らせるくらいまで冷やすと甘味より酸味が目立つ味わいで、私は普通に冷蔵で食べたほうがおいしいかなと感じました。


今回の記事は以上になります。
道中で人と出会わないので堂々とfokaさんの「あたりまえ かわりばえ」を歌いながら散歩できたのも気持ちよかったです。みんなも栃木に行ってほしのの。を感じよう!
星待スポットはそのうちリベンジしたいですね。

それでは。

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