こんにちは。今回はまんまるくまさんの「PROTOCOL」をご紹介します。

オススメ!
ジャンル:長編本格SF脱出アドベンチャー
プレイ時間:6時間
分岐:なし
ツール:Flash
リリース:2017/5
今回ご紹介する作品は、個人製作とは思えないほど作りこまれた大作で、その良さをどこから語っていったらいいか迷ってしまうほどです。
まずはあらすじの説明をしましょう。主人公はある宇宙船の中で目を覚まします。周囲に人の気配はなく、何らかの事故に遭ったと思しき状況ですが、記憶を失っている主人公には避難方法が分かりません。なんとか小型のポッドを調べて人工知能チップを見つけた主人公は、AI"レア"と協力して生還への道を求めて探索を続けていきます。次第に明らかになっていく船内の状況と過去の事故。果たして生還は叶うのか……
上のスクリーンショットを見てもらっても分かると思いますが、本作のグラフィックはかなりハイレベルです。宇宙空間を漂う宇宙船だったり、目の前に浮かび上がるスクリーンだったり、episode 2の終わりで登場するアンドロイドだったりとあらゆる面でその技術が発揮され、作品世界に入り込みやすいのです。
他にもいくつかゲーム画面を見ていただきましょう。




さらにはスクリーンショットでは伝わらないようなアニメーションも凝っており、登場する人工知能であるレアなどにはボイスまでついています。プロモーションムービーも魅力的なので貼り付けておきましょう。
このような美しいグラフィックで全編描かれたフリーゲームというだけで驚異的ですが、脱出のためのギミックやストーリーといった面でも高水準な作品です。
脱出ゲームの定番のギミックと言えば、なぜか散らばったキーアイテムを収集したり、暗号として残されたヒントを解読したりといった内容になると思いますが、本作では事故のあった宇宙船から避難するというストーリーになっているため状況に不自然さが感じられません。プレイヤーが主人公になり切って脱出を目指すための強いモチベーションになります。やや発想が難しいギミックもありますが、人工知能と協力するということができるので、ヒントをもらいつつ世界観に浸りやすくなっています。
ストーリーの面においても良くできていて、人間である主人公と人工知能であるレアが協力して脱出・生還を目指す展開は気持ちが良いです。人工知能であることを活かしてデバイスを移行したり、かなり人間に近いアンドロイドであることを活かして主人公との信頼関係などといった内容を描いたりもできるのが素晴らしいところで、ゲーム的なギミックとの組み合わせも生かされていて大変に魅力的な内容になっていると思います。
本作の脱出ゲームとしての難易度ですが、総合的に見るとかなり高く、ボリュームもあるのでやりごたえ満点といったところでしょう。episode 1から5までの5章構成となっていて、1では宇宙船への入船、2では食糧確保のための居住区への移動など各章で目的が決まっています。そしてそれぞれの章で難易度が結構異なります。episode 4がおそらく最難関で、事故のあった宇宙船の細くて入り組んだ通路の中をマッピングしながら探索し、適切な場所でアイテムを使ったり謎解きをしたり、SF要素を活かして時間を飛び越えたりしなくてはなりません。
しかしマップ上で意味のある地点は色付きになるなど、難しいだけでなくプレイヤーに親切であるのも確かです。
難易度を高くしているのは、本作の独特のシステムであるコマンド選択方式もあると思います。
通常の脱出ゲームの場合、対象のアイテムを観察したり文字を読んだり、持ち上げてみたりアイテムを取得してみたり使用してみたりといった行動は全てクリックで行うと思います(稀にドラッグというパターンもありますね)。しかし本作の場合は対象をクリックする前に使用するコマンドを選択しておかなくてはなりません。調べる、動かす、開ける、取るなど、事前に適切なアクションを選択しておく必要があるため、とにかく画面をクリックしてみるといった方法での進行が難しいのです。
さらにクリックポイントもややシビアなので、あきらめずにいろいろ試行錯誤してみる必要があります。
とこのように高難度である本作ですが、攻略中に詰まった場合ゲーム内の"システム"にある"思考モード"を使うとヒントがもらえます。調べればよい箇所などを教えてもらえるので詰まったらどんどん使っていきましょう。
それでも分からなければ、フリーゲーム夢現の公開サイト内で攻略関連のコメント一覧を見るといろいろな情報が見られます。どうしてもわからないところを質問してみるのもアリでしょう。

逆にepisode 3は探索要素が少なくて一番簡単な章です。小さなチップだったAIのレアがアンドロイドの体を得て、突然ラブコメが始まったのかというくらいほのぼのとした雰囲気になります。
しかし単なる息抜きだけでなく、ストーリー上重要なポイントが詰め込まれています。前述したコマンド選択制であることを活かしたギミックもあって、感動ポイントの1つとなっています。
本作で唯一欠点に感じられるのは動作の重さでしょうか。これだけ独自のシステムや綺麗なアニメーションなどが搭載されていたら仕方ないかもしれませんが、スペックが低いPCだと辛いかもしれません。
あとは一部のギミックに前提知識が必要であるように感じましたが、作内のヒントを使えば乗り越えられるでしょう。
エンディングを迎えた後で作内の世界観などの解説が聞けるモードがあるなど、SFの世界観を見事に表現している本作、大変お勧めですのでぜひプレイしてみてください。
ちなみに本作の制作にはFlashが使われていますが、ブラウザを介さずに起動できるので現在でもプレイに支障はありません。
それでは。

オススメ!
ジャンル:長編本格SF脱出アドベンチャー
プレイ時間:6時間
分岐:なし
ツール:Flash
リリース:2017/5
今回ご紹介する作品は、個人製作とは思えないほど作りこまれた大作で、その良さをどこから語っていったらいいか迷ってしまうほどです。
まずはあらすじの説明をしましょう。主人公はある宇宙船の中で目を覚まします。周囲に人の気配はなく、何らかの事故に遭ったと思しき状況ですが、記憶を失っている主人公には避難方法が分かりません。なんとか小型のポッドを調べて人工知能チップを見つけた主人公は、AI"レア"と協力して生還への道を求めて探索を続けていきます。次第に明らかになっていく船内の状況と過去の事故。果たして生還は叶うのか……
上のスクリーンショットを見てもらっても分かると思いますが、本作のグラフィックはかなりハイレベルです。宇宙空間を漂う宇宙船だったり、目の前に浮かび上がるスクリーンだったり、episode 2の終わりで登場するアンドロイドだったりとあらゆる面でその技術が発揮され、作品世界に入り込みやすいのです。
他にもいくつかゲーム画面を見ていただきましょう。




さらにはスクリーンショットでは伝わらないようなアニメーションも凝っており、登場する人工知能であるレアなどにはボイスまでついています。プロモーションムービーも魅力的なので貼り付けておきましょう。
このような美しいグラフィックで全編描かれたフリーゲームというだけで驚異的ですが、脱出のためのギミックやストーリーといった面でも高水準な作品です。
脱出ゲームの定番のギミックと言えば、なぜか散らばったキーアイテムを収集したり、暗号として残されたヒントを解読したりといった内容になると思いますが、本作では事故のあった宇宙船から避難するというストーリーになっているため状況に不自然さが感じられません。プレイヤーが主人公になり切って脱出を目指すための強いモチベーションになります。やや発想が難しいギミックもありますが、人工知能と協力するということができるので、ヒントをもらいつつ世界観に浸りやすくなっています。
ストーリーの面においても良くできていて、人間である主人公と人工知能であるレアが協力して脱出・生還を目指す展開は気持ちが良いです。人工知能であることを活かしてデバイスを移行したり、かなり人間に近いアンドロイドであることを活かして主人公との信頼関係などといった内容を描いたりもできるのが素晴らしいところで、ゲーム的なギミックとの組み合わせも生かされていて大変に魅力的な内容になっていると思います。
本作の脱出ゲームとしての難易度ですが、総合的に見るとかなり高く、ボリュームもあるのでやりごたえ満点といったところでしょう。episode 1から5までの5章構成となっていて、1では宇宙船への入船、2では食糧確保のための居住区への移動など各章で目的が決まっています。そしてそれぞれの章で難易度が結構異なります。episode 4がおそらく最難関で、事故のあった宇宙船の細くて入り組んだ通路の中をマッピングしながら探索し、適切な場所でアイテムを使ったり謎解きをしたり、SF要素を活かして時間を飛び越えたりしなくてはなりません。
しかしマップ上で意味のある地点は色付きになるなど、難しいだけでなくプレイヤーに親切であるのも確かです。
難易度を高くしているのは、本作の独特のシステムであるコマンド選択方式もあると思います。
通常の脱出ゲームの場合、対象のアイテムを観察したり文字を読んだり、持ち上げてみたりアイテムを取得してみたり使用してみたりといった行動は全てクリックで行うと思います(稀にドラッグというパターンもありますね)。しかし本作の場合は対象をクリックする前に使用するコマンドを選択しておかなくてはなりません。調べる、動かす、開ける、取るなど、事前に適切なアクションを選択しておく必要があるため、とにかく画面をクリックしてみるといった方法での進行が難しいのです。
さらにクリックポイントもややシビアなので、あきらめずにいろいろ試行錯誤してみる必要があります。
とこのように高難度である本作ですが、攻略中に詰まった場合ゲーム内の"システム"にある"思考モード"を使うとヒントがもらえます。調べればよい箇所などを教えてもらえるので詰まったらどんどん使っていきましょう。
それでも分からなければ、フリーゲーム夢現の公開サイト内で攻略関連のコメント一覧を見るといろいろな情報が見られます。どうしてもわからないところを質問してみるのもアリでしょう。

逆にepisode 3は探索要素が少なくて一番簡単な章です。小さなチップだったAIのレアがアンドロイドの体を得て、突然ラブコメが始まったのかというくらいほのぼのとした雰囲気になります。
しかし単なる息抜きだけでなく、ストーリー上重要なポイントが詰め込まれています。前述したコマンド選択制であることを活かしたギミックもあって、感動ポイントの1つとなっています。
本作で唯一欠点に感じられるのは動作の重さでしょうか。これだけ独自のシステムや綺麗なアニメーションなどが搭載されていたら仕方ないかもしれませんが、スペックが低いPCだと辛いかもしれません。
あとは一部のギミックに前提知識が必要であるように感じましたが、作内のヒントを使えば乗り越えられるでしょう。
エンディングを迎えた後で作内の世界観などの解説が聞けるモードがあるなど、SFの世界観を見事に表現している本作、大変お勧めですのでぜひプレイしてみてください。
ちなみに本作の制作にはFlashが使われていますが、ブラウザを介さずに起動できるので現在でもプレイに支障はありません。
それでは。