フリーゲームの森

フリーゲームのレビューブログです。 ノベルゲーム・アドベンチャーゲームを中心にお勧めの作品を紹介します。
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ブラウザ

こんにちは。今回はしゅんてさん・青木ととさんによるパズルゲーム「Squirrel Board」のレビューをします。リンク先で即プレイ可能なブラウザゲームです。音量注意。
記事後半に攻略情報あります。

squirrel1


ジャンル:ボードゲーム
プレイ時間:1プレイ3分程度
ツール:Unity(ブラウザゲーム)
リリース:2022/9


今回の作品はたまたまTwitterで流れてきて知りました。サクッとプレイできそうだったのでちょっとやってみるか~と思ってリンク先に飛んでみると、想定以上の楽しさでした。



本作のルールは難しくありません。主人公のリスは冬に備えるため、盤面上の木になっているどんぐりを回収していきます。1ターンの間に動けるマスはサイコロを振って決められます。初期状態では4が出れば4マス、6が出れば6マス進めます。どんぐりは木の生えているところに4ターンごとに再び落ちてきます。
そうして盤面を移動していくとパワーを使います。1ターンごとにげんきが1減少し、0の時に帰宅できないと今貯めていたどんぐりを全ロストしてしまいます。げんきの残りに気を配って、欲張りすぎずに家に帰りましょう。

またターンの間には今ほおぶくろにしまっているどんぐりを食べることができます。種類によって食べることで特殊効果を発揮するものがあるのと、次に述べるスピードを上げるために身軽にする効果があります。

そしてもう一つ重要な概念がスピードです。リスくんはどんぐりを回収していくたびにその重さのためにスピードが低下します。1個回収するたびにスピードは0.1低下し、これは動けるマスの範囲に影響してきます。1ターンで動けるマスは((スピードの基礎値) - (今もっているどんぐりの数) ÷ 10) × (サイコロの目)で表されます。この仕様のため、げんきが余っているからと言って1周で欲張ってたくさん回収しようとすると、スピードが低下して身動きが不自由になってしまいます。やはり定期的に家に帰って蓄えたどんぐりをしまっておき、体の方は身軽にしましょう。

スピードの基礎値は特殊効果のあるどんぐりを食べる、または一定数のどんぐりを蓄えたときのレベルアップボーナスによって上げることができます。これが大きくなると1ターンでマップの端まで移動できたりして行動範囲は広がります。

30ターン経過で冬がやってきます。それまでにできるだけたくさんのどんぐりを回収し、家に蓄えておきましょう。どんぐりのレア度に応じて点数が加算されます。文章で説明するとややこしいですが、チュートリアルが丁寧なのでルールの理解は難しくないでしょう。チュートリアルのスキップはQキーで可能です。

1つ操作性の上での要望があって、マウスのみorキーボードのみで操作が完結するようにしてほしかったです。現状でも右手でマウス、左手でwasdキーでスムーズに操作することはできますが、若干違和感が。マウス移動なども実装されたら片手でも遊べますしね。


さて、ルールを理解したところでプレイしていきましょう。
私の初回プレイは40~50点くらいでした。終了後の評価では、まあちょっと少なめだけど冬を越すのに問題はないかな~みたいな意味のコメントがあったような記憶があります。
しかしやり込んでいくうちにどんどん点数を伸ばせて達成感がありました。運要素が大きい本作、射幸性をあおるのも成功してますね。しかし運だけでは点数にも限界があります。ある程度のセオリーはしっかり押さえた状態で運のいい配置・出目を待つ必要があります。
その後数時間やり込んだところ、昨日なんと614点というハイスコアを達成しランキング1位を獲ったので、攻略情報についても記しておきたいと思います。自力で頑張るという方はここでブラウザバックでお願いします! 見る方は画面下スクロールで!

(10/3追記:現在の記録は1715点です。ついに4桁の大台を突破。9/19にゲームが更新され、リセットボタンなど再チャレンジしやすい環境が整ったためハイスコアチャレンジもより効率的にできるようになりました)
squirrel boardランキング1位


















チュートリアルで明らかにされない仕様について


どんぐりの種類と特殊効果・得点

本作では5種類のどんぐりが出現します。レア度の低いものから順に
  • 茶色…1点。食べても特殊効果なし
  • 水色…2点。食べるとげんきを1回復
  • 緑色…3点。食べるとスピード0.1上昇
  • 赤色…4点。食べるとスピード0.2上昇
  • 虹色…5点。食べると制限時間を2ターン延長
となっています。

おうちレベルアップ時のボーナス


一定のどんぐりを集めるとボーナスがもらえる。拾ったタイミングではなく、家に備蓄したタイミングでカウント。必要などんぐりの数は以下(レア度は問わない。多少のずれはあるかも)。Lv2,4になるタイミングで盤面が1段階広くなる。
  • Lv1→2…3個
  • Lv2→3…8個
  • Lv3→4…16個
  • Lv4→5…26個
  • Lv5→6(MAX)…41個

ボーナスは以下のうち3つの選択肢が出現。1つだけ選べる。ただし同じグループから複数の選択肢は同時に登場しない。
  • スピードアップ系
    • 駆け足…ベース値0.1アップ
    • 俊足…ベース値0.2アップ
    • 電光石火…ベース値0.3アップ
  • 最大げんきアップ系
    • 元気もりもり…最大げんき1アップ
    • 頑強…最大げんき2アップ
  • マップ強化系
    • 芽吹く木々…マップに木を2本追加
    • 自然豊か…マップに木を3本追加
  • 時空の超越…制限時間3ターン延長
  • 頑丈ほっぺ…1度だけげんき0になった時のアイテムロストを無効に
  • 恵みの雨…すべての木にどんぐりが即時になる

30ターン経過後の行動について

冬が到来し、それ以上木にどんぐりがならなくなる。すでになっているものを回収するのは可。
一度おうちに帰るとそこでゲーム終了になる。にじどんぐりの時間巻き戻し効果も無効。おとなしく持ち帰って5点にしよう。

なるどんぐりのレア度について

明らかに家からの距離が遠い木ほどレア度の高いどんぐりがなる確率が高い。Lv3以下の盤面だと赤・虹どんぐりはほとんど期待できない。
Lv4以降の盤面の右下・左下のマスに木が生えれば7~8割くらいの確率で虹、そうでなくても赤どんぐりがなるので非常に有利。

移動できるマス数の計算

前述のとおり
(ベース値 - ほおぶくろにあるどんぐりの数÷10) × サイコロの出目
で計算できる。小数点以下は四捨五入。サイコロの出目は4~6で均等だと思われる。

具体的な戦略について

最初の2~3ターンのうちにLv2に上げる。2ターンでできるのが理想。ボーナスはげんきアップ系を選ぶ。これ以降げんきアップ系のボーナスは必要ない(それを選ぶよりもスピードアップの方が恩恵が大きい)。
序盤のうちはスピードが低くどんぐりの重さの影響を受けやすい。目標とするどんぐりを定め、それ以外のどんぐりを避けながら進み、家に帰る途中で行きに避けてきたどんぐりを回収できると理想的。
Lv4に上がるまではレベルアップを優先したい。遠くの水どんぐりを回収するより近くの茶どんぐりをたくさん回収して備蓄しレベルアップしよう。緑は効果が大きいので回収に行って良い。レベルアップボーナスはスピードアップ系かマップ強化系。マップ強化系で新たに生えた木が家から遠いと前述の仕様によりレアなどんぐりができやすく有利。ここは完全に運。

Lv4以降はなるべく家から遠くの赤・虹どんぐりを真っ先に回収してその場で即食べることを繰り返す。4ターンごとになるのでなったターンですぐに採取するのが理想。スピードは2.5~3.0くらいまで上げたら十分なのであとは食べずに備蓄に回す。虹どんぐりはなるべく食べる。この時他の必要ないどんぐりを食べなくていいように回収順に気を付ける。どんぐりがなるまであと1ターンのマスに止まると、その瞬間にどんぐりがなって問答無用で回収してしまうので次に虹・赤を回収するつもりの場合は気を付ける。
ボーナスは時空の超越(3ターン延長)か自然豊か(木が3本生える)を選びたい。特に遠くに木が生えた状態でなるべく長くターンを回すのがハイスコアへの王道。右下、左下の両方のマスに木が生えているような状態では高確率で4ターンで2個の虹どんぐりを回収でき、実質ターン経過しないような状態を作り出すことができる。

squirrel board途中経過
↑私が600点overの記録を出したときの盤面です。虹どんぐり出現の可能性の高いところに木が3本も生えているので時間制限を延長しまくります。


相当な幸運だったと思うので、この記録はなかなか破られないんじゃないでしょうか。
ランキング抜いたぜって方はぜひ教えてください。それでは。

こんにちは。今回は、コトリノスさんのMimicをご紹介します。

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ジャンル:可愛い系脱出ゲーム
プレイ時間:私の初見ノーヒントプレイで脱出まで1時間半ほど
分岐:なし
ツール:Unity(ブラウザ・iPhone・Android版あり)
リリース:2021/3


今回ご紹介する「Mimic」は本格脱出ゲームです。操作はいたってシンプル。マウスクリックのみです。ドラッグやキーボード操作不要・PCでもスマホでもプレイ可とお手軽ながら、中身はしっかりとボリュームとクオリティを両立させた作品となっています。

脱出ゲームで何より大事なのは、部屋に仕込まれた謎を解いたときの快感ですよね。分からないなあと悩むのも楽しいですが、ずっと分からないままでは次第にイライラしてきて、最後には投げてしまいます。私自身、脱出系の謎解きはそれほど得意ではないので、これまでプレイした数多くの脱出ゲームの中には、途中でにっちもさっちもいかなくなり諦めたり、攻略サイトに手を出したりしたものもいくつもあります。
しかし本作を作られたコトリノスの作品群は、ちょうどよい難易度に収まっていて解けた時の快感を味わいやすいです。「そんなの分かるか!」と言いたくなるような理不尽・意地悪な展開は滅多にないし、やけにクリックポイントが小さいアイテム探しや、画面の見にくさで難易度をあげるような部分も一切なく、プレイしていてほとんどストレスがありません。一度済んだ謎解きが再度要求されるようなこともなく、いろいろな面で直感に沿った構成になっているのです。もちろん簡単すぎるわけではなく、与えられたヒントを十分に観察し、関連しそうなアイテムが無いか部屋中を探索していく必要があります。
本作でうまいなと感じたのは、脱出間際の最後の謎です。実はプレイ中盤くらいでその形に気付いたとき、「こういうデザインなのか~おしゃれだな」などと思っていたのですが、進行上意味のあるデザインだったことに気付かされ感嘆しました。あとは魚の絵ですね。それを見た時、当然ながら似た形や配置のものを探したわけですが全然見つからず、絵とにらめっこしていたらふとひらめいたときの驚きと、検証してその通りだった時のしてやったりという気持ちは脱出ゲームの醍醐味でしょう。


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そして本作の特徴といえば、グラフィックが可愛らしいところでしょう。作者さんの他の作品はどちらかというとスタイリッシュなデザインだったりシンプルな内装だったりというイメージがあるのですが、本作では色鉛筆画のような優しい絵柄がまず目を引きます。そして画面下にいつもいる謎の小動物。今回は彼が脱出の主人公なのです。彼が閉じ込められるとはどういう状況だったのか、またタイトルの意味なんかも脱出すると分かります。
ちなみに脱出に使うアイテムの中にも、ぬいぐるみ(?)があってなかなか癒しを与えてくれます。この猫のぬいぐるみにもまさかの機能があるので、拾ったアイテムはしっかり詳細画面で調べましょう。本作は所持しているアイテムが自動で使用されるシステムではないので、ここに使えそうかなと思ったらどんどん試していくという姿勢も大事です。
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ちなみに私はブラウザでプレイしましたが、スマホアプリ版では高画質な上ヒント機能も使用可能なようです。ノーヒントでは行き詰まりそうという方はスマホで試すといいかもしれません。

というわけで今回はMimicをご紹介しました。しっかりと骨がありながらも気持ちよく解ける脱出ゲーム、ぜひプレイしてみてください。

こんにちは。今回は、「ほしのの。」のご紹介です。

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オススメ!
ジャンル:田舎でお姉ちゃんと仲良くなる恋愛ゲーム
プレイ時間:2時間
分岐:なし
ツール:Flash/スマホアプリ
リリース:2007/7(原作Flash版)


今回はついに、私にとって思い出の作品「ほしのの。」を取り上げます。それまでRPGなどを中心にプレイしていてノベルゲームは存在すら知らなかった私は、前回の記事で紹介したたんしおレモンのゲーム紹介掲示板のようなコーナーから本作を知りました。そして見事にはまってしまったわけです。
本作は最初にむきりょくかん。さんによる原作のFlash版が公開され、その後株式会社テンクロスによるスマホアプリ版が公開されています。Flashのサポートは終わってしまいましたが、現在でもスマホアプリ版はダウンロードすることができます。スマホアプリにしては珍しい完全無料&広告なしなので、フリーゲームの枠内に十分入っているなと判断してのご紹介です。また、原作も一応まだプレイ可能です(詳細は後述します)。


本作のストーリーを単純化すると、両親のが亡くなってしまったため田舎の親戚に預けられることになった主人公の川島結城が、最初は鬱陶しく感じていた従姉の榛奈との距離を次第に縮めていくという内容です。よくあるギャルゲーのパターンとして、主人公がひょんなことから女の子を自身の家に住まわせることになる、いわゆるボーイミーツガール系がありますが、それとは関係が逆なわけです。しかしそれ以外の点においては典型的なギャルゲーと変わらず、上のあらすじを読んだだけでは何がそんなに良い作品なのかというのがあまり伝わらないと思います。そこで、私がよいと感じた点をいくつか順に紹介していきます。


まずは何といっても、シナリオの丁寧な作りです。物語開始時点の結城は、和泉家での田舎暮らしに強い抵抗感を抱いています。中学生で反抗期の最中ということもあり、1つ年上で世話焼きな従姉の榛奈に対しても邪険にするシーンが多く登場します。両親との死別という導入がこれらの"受け入れられなさ"と結びついて描かれ、ただの同居のきっかけ以上にシナリオの方向性を示しています。
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最初はこんな感じだった結城も、当然話が進むごとに和泉家になじんでいくわけですが、その過程にしっかりとした説得力があるんですよ。都会では触れることのなかったことを"ダサい"ではなく"新鮮"と捉える描写だったり、榛奈との"雨降って地固まる"的な出来事だったり。こうした一つ一つのエピソードが点ではなく線でつながり、榛奈と距離を縮めていくというまとまった物語の流れとして感じられるのです。
そうそう、田舎の描写や農作業に関する記述なんかも嘘っぽくなくていいですね。作者さんの実体験に基づいているようで、このシナリオの質にもうなずけます。


そして登場人物が魅力的です。ヒロインの榛奈はもちろん大変にかわいいです。私は4話での浴衣を着た榛奈の笑顔に心奪われました。
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また、立秋さんや委員長といったサブのキャラクターも単に登場しましたというだけの人物ではなく、しっかりと結城の思いに影響を与えています。委員長に関してはその個性的なキャラクター性から、気持ちの良いコメディー展開ももたらしてくれます。
あと忘れられないのは「ごがつのそら。」にも登場した神明みのり。1話と2話の間に引っ越してしまう彼女ですが、その後にも榛奈からの話題に出てきたり、結城と榛奈の間を仲介する役割を持ったりする重要人物になっています。

これらの人物の立ち絵については、原作版とアプリ版で全く違うので、両方で味わってみるのもいいでしょう。アプリ版には、原作ではなかった立秋さんと委員長の立ち絵もついています。あれだけふざけた発言をしていた委員長がまさかのイケメン(笑)
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作品を通して雰囲気だったり季節感といったものがはっきりと感じられるのも本作の良いところでしょう。例えば、夏の暑さにうんざりするシーンでは、文章で描写するだけでなく、セミが鳴く環境音が入ってくる。青い空と白い雲のコントラストのきいた背景写真が使われている、など作品全体から夏を感じられるんです。また、半年経ったことを表現するのに単にそう書くのではなく、「年が明け、桜の花が咲き、散り、紫陽花の季節になった。」とすることでよりイメージしやすく物語に入り込みやすかったり、何が起きたかだけを伝える脚本のような文章ではなく、味わいのある小説としての魅力を帯びてきているように感じます。ちなみに好きな文というと、1話終わりの「返って来た「おかえり」の声を聞いて初めて、僕は"家"に帰ったのだと。そう思った。」がかなり好きです。これから和泉家になじんでいくきっかけというか、予感みたいなものを感じさせられますよね。
また、効果音について少しだけ触れましたが、BGMについても大変雰囲気に合った選曲で、曲まで好きになってしまいます。原作版の話になりますが、エンディングテーマの「あたりまえ かわりばえ」が作品世界にぴったりマッチしているということに関しては、音楽素材について書いたこちらの記事でも触れています。この記事に書かなかった曲で好きなものというと、1話プロローグ直後のシーンのBGMでしょうか。両親を失ったという大きな喪失感を抱えた状態で榛奈と寝る前の会話をするシーンですが、ここで使われているこの物悲しいピアノ曲がすごく好きです。しかも曲名が"good night"だと知った時には、うますぎるだろ…と思いました。サウンド全体に関しての評価がすごく高いです。

このサウンドだったり背景だったりといった部分については、アプリ版では全く違うので原作ファンの私としてはやや残念なところではあります。
ちなみに以前はスマホアプリ版でなくガラケーアプリ版も存在していました。数年ぶりに起動してみたところ、タイトル画面のBGMがTAM Music Factoryの「秋の野」であることに気付き、ゲームのタイトルに合わせてきたとすると面白いなと思いました。


本作の好きなところについていろいろと語ってみました。原作のプレイはやや厳しいですが、興味を持った方はぜひアプリ版からプレイしてみてください。繰り返しますが、スマホアプリも広告なし完全無料ですのでぜひ。
ちなみにFlashのサポート終了に伴い現在ではそのままでは原作をプレイすることはできない状態ですが、一応プレイ可能な方法が2通りあります。1つはブラウザにRuffleを導入すること。私が普段使っているブラウザはGoogle Chromeですが、拡張機能としてRuffleを入れることで問題なくプレイ可能であることは確認しました。(確認した環境:Windows 10 Home 20H2, Chrome 92.0.4515.159, Ruffle nightly 2021-07-03)
もう一つは、原作ページで用意されているDL版のswfファイルをDLしてきてローカルで再生する方法です。flash playerのexeファイルが必要ですが、このサイトなどから持ってくることができます。DL版のほうが画質が良いようなので、こちらをお勧めします。
同じFlash版でも、ブラウザ版とDL版ではエンドロールでの手紙の内容にほんの少しだけ違いがあります。気になった方は注目してみるといいでしょう。このエンドロールの演出もすごく好きですね。エンディングテーマのリズムに合わせて文面が表示されるのも気持ちがよいところでしょう。ただし、DL版の"看護士"は"看護師"が正しいでしょう。同じ手紙内で"看護婦"という表現も残っていて統一されていなかったのもあり、少し気になりました。ちなみに一応調べたのですが、法改正により看護婦という呼称を使用しなくなったのは2002年のようですね。2021年現在の感覚では看護師という呼び方はかなり定着しているように思いますが、作品公開時点(2007年)でどうだったかは覚えていないのでそんなに厳しく突っ込むところではないでしょうか。


長くなってきたので、今回はここまでにします。私はこの作品をプレイするまで、本格的なノベルゲームをやったことがなく、1話プレイ開始時点では適当な選択肢を選ぶミニゲーム的なものだと思っていました。それが1話を読み終えるころには純粋に物語に夢中になっていました。物語が終盤に近付くにつれ、まだ終わってほしくない、もっと読んでいたい、と強く思ったのを昨日のことのように思い出すことができます。ぜひ皆さんにもこの気持ちを味わっていただきたいと思っているところです。

それでは。

今回は、むきりょくかん。さんのごがつのそら。です。

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オススメ!
ジャンル:のんびり日常ちょっぴり恋愛ノベルゲーム
プレイ時間:2時間
分岐:基本一本道
ツール:NScripter
リリース:2005/8(NScripter版)


今回は、5月になったら扱おうと温めていた作品です。むきりょくかん。さんは私がノベルゲームに出会うきっかけとなったサイトで、強い思い出補正のある好きなサイトの1つです。本作も大好きで、もう10回以上は読んでいます。というわけで、レビューというよりは好きなものについて語るだけになってしまった感じがありますが、ご容赦ください。



本作はあまりはっきりしたあらすじはなく、登場人物ののんびりとした会話をずっと眺めているような展開が続きます。主人公の溝口春樹は大学を出たての新社会人。5月病でやる気が出ずにふらふら歩いていると、神社でピアノを弾いていた巫女バイトの高校生神明みのりに出会い、そこから2人の交流が始まります。この出会いの場面では当然ですがみのりはよそよそしく、溝口さんとは距離を感じます。しかし、溝口さんが暇つぶしにみのりのピアノを聞きに来るたびに、次第に距離を縮めていきます。このあたりの描写がとても丁寧なんですよね。いわゆるギャルゲーでは、ヒロインは出会った当初から主人公に好感度MAX、みたいな作品も多いですが(もちろんそういう作品も楽しいです)、本作では主人公もヒロインも割と普通で(みのりはちょっと暴力的な気がしないでもないですが)、心を通わせていく様子がしっかり示されることで感情移入しやすい作品になっていると思います。何か派手な出来事が起きるわけではないけど、日常シーンを通して交流を深めていく、この雰囲気・空気感の演出が抜群なんです。

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この2人が徐々に近づいていく様子が、ビジュアルの面でも同時に表現されているのは素晴らしい仕掛けですね。本作はかなりの部分が、溝口さんとみのりが神社の石段に腰かけてだべるシーンで構成されますが、2人の心理的距離感がそのまま物理的距離に比例して描かれているのです。これはほかの作品ではあまり見ることのない演出ではないでしょうか。本編読了後にはスチル閲覧モードが解放されるので、ぜひみのりの位置が次第に溝口さんに寄っているのを確認してみてください。

さて、こうした丁寧な文章描写とビジュアルの演出に加え、音楽もかなりいい仕事をしています。みのりがピアノを弾くという設定もあってか、本作のBGMはほぼすべてピアノ曲で構成されています。特に、2人が出会った時にみのりが弾いていた「世界が色づき始めるとき」は本作のテーマでもあり、なかなか印象的です。私は趣味でピアノを弾くので、作曲者のfokaさんのサイトに楽譜が公開されているのを見つけると、自分でも練習して弾けるようになりました。同じく本作のBGMに使われている「緑の小道」と、「これまでも これからも」(こちらは本作には使われていませんが)もあわせて、今でも時々弾いています。

こうしたテキスト・ビジュアル・音楽の合わせ技が最も有効に働いたのは、なんといっても4話ラストのシーンでしょう。作者さん自身が"とどめの一枚"と呼んだスチルと、ずいぶん柔らかくなったみのりの態度、そして幻想的で暖かな音楽。これらの織り成す雰囲気に呑まれ、"他人以上、友達未満で……恋人"な2人の関係で交わされる言葉を大変切なく感じました。

本編読了後には、おまけシナリオである「はちがつのゆき」がプレイ可能になります。こちらは本編よりずっと甘々な恋愛ものとなっているので、本編じゃあちょっと淡泊だと感じた方も、晴れて恋人同士となった溝口さんとみのりのやり取りににやにやできるでしょう。神社の外の話なので当然みのりの服装が普段と違ったり、背景写真が加工なしになっているなどといった意味でも本編と違いがあります。

さて、本作をプレイして唯一気になった点は、雲の話です。2人が空を見上げて、あれは巻層雲っていうんだよ、というようなシーンがあるのですが、巻層雲は別名をうす雲とも言うように薄く層状に広がる雲で、あまりきれいな雲というイメージが無かったので、物語中のイメージとあまり合わなかったかな、という。一般的にイメージされる雲といえばだいたい積雲(わた雲)ですし、巻層雲と同じく高い位置にできるという意味なら巻雲(すじ雲)の方がきれいかな、と思っています。該当シーンの背景写真もどちらかというと巻雲っぽいですし。まあ、非常にマニアックな話ですが、ちょうど私が高校で地学を習って出てきた範囲だったりしたので、そこは印象に残っています。


また、本作は株式会社テンクロスによってスマートフォンアプリ版が開発されました(かつてはガラケーアプリ版もありました)。こちらは前編無料、後編有料という形なのでフリーゲームとは言えませんが、"スタンプ集め"をすることで後編も無料でプレイ可能なので、気になった方はぜひプレイしてみてください(要は広告に出てくるアプリをいくつかインストールすればよい)。プレイ中にバナー広告や動画広告を見せられることが無いので、結構快適にプレイできますよ。
シナリオはほとんど原作と変更がありませんが、ビジュアルと音楽は一新されています。また、おまけシナリオにはほしのの。の2人がゲスト出演しているので、ほしのの。好きの方はプレイして損はないと思います。

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スマートフォンアプリ版のお話をしましたが、本作には実はinsaniさんによる英語版もあります。この英語版は完全無料です。高校時代にダウンロードして日本語版と同時に起動し、英語の勉強を兼ねて読んだのは良い思い出です。教科書で見るような正確な英語ばかりでなく、砕けた表現なども多く結構大変でした。
ちなみに、日本語版で終盤に「この格子戸を開けると、私の恋は終了する」というみのりの台詞があります。この台詞自体も綺麗だなと思ったのですが、その英訳が”When I rise and open that door, I ... close the door on my love.”でなかなか美しいなと感動した覚えがあります。


というわけで、蛇足も多かったですが今回はごがつのそら。のご紹介でした。私がこの作品に出合った時にはみのりより年下だったのに、いつの間にか溝口さんよりも年上になってしまいました。それだけ時間が経っても、最初に読んだ時の感動はよく覚えています。皆さんもぜひその感動を味わってください。

今回はHojamaka Gamesさんのマモノスイーパーをご紹介します。
これまではノベルゲームを続けてご紹介してきましたが、今回はパズルです。mamono1


★favo
ジャンル:マインスイーパー系パズルゲーム
プレイ時間:1プレイ1分~
ツール:HTML5(ブラウザゲーム、スマホ可ただし相当プレイしにくい(後述))、Androidアプリ版もあり
リリース:2016/8(HTML5版。Flash版は2010年)


マインスイーパーというパズルゲームをご存じでしょうか。盤面を地雷原に見立て、マスに書かれた数字を基に地雷の位置を推理して地雷以外のマスを全て開くとクリアとなるゲームで、Windows7までのPCに標準搭載されていました。先日閉幕したティラノフェスでも、ティラノスクリプトでこのゲームを再現してしまったという作品(ありすすいーぱー、レビューはこちら)が話題になりました。
そんなマインスイーパーですが、オリジナルのルールでは残機のような概念はなく、一度でも地雷を踏むとゲームオーバー、最初からやり直しでした。また、地雷の種類のようなものもありませんでした。このマモノスイーパーは端的に説明すると、マインスイーパーに敵の強さと自身のレベル・体力というRPG的な要素を加えたパズルゲームです。
すなわち、盤面に潜んでいる魔物たちには1~5のレベルがあります。そしてマスの数字は、周囲8マスに潜む魔物のレベルの合計を表すのです。普通のマインスイーパーでは、5という数字を引いたら周囲8マスのうち5マスは地雷が埋まっていることが確定します。しかしマモノスイーパーでは、レベル1のスライムが5匹隠れているかもしれませんし、レベル5のドラゴン1体かもしれません。こんな感じで、単調だったマインスイーパーにより可能性と戦略性が増して面白いゲームになっているのです。誰でも思いつきそうだけど今まで見たことなかった、そんなアイデアを実現した作品です。

自分のレベルは最初は1です。この状態ではスライムならノーダメージで倒せますが、レベル2以上の魔物に当たるとダメージを食らいます。体力に多少余裕はあるものの、何度も当たると死んでしまうので、スライムを一定数倒してレベルアップしておく必要があります。すると今度はレベル2のゴブリンもノーダメージで倒せるようになるのです。これを繰り返して、最終的にすべての魔物を倒せばクリアです。
と、長々文章で説明してきましたが、実際にやってみれば一発で分かるのでとりあえずやってみてください。

本家では旗を立てることによって地雷の目印をつけることができましたが、本作では右クリックでマスに数字を書いて敵のレベルをマークしておくことができます。スクリーンショットで黄緑色の数字として表示されているものがそれです。マーキングしたい数字と同じ回数右クリックしなくてはいけないのが若干面倒ですが、クリアには実質必須(特に難易度の高いモード)なので確定したマスには必ず印をつけましょう。

記事冒頭の画像はEASYモードのものですが、それよりサイズの大きいものもあります。HUGEモードだとこんな感じです。
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単に盤面が大きいだけでなく、魔物の最大レベルも9となっており、より足し算も大変になっています。その他、魔物の密度が増したEXTREMEモード、自身のレベルが0のため魔物を一切倒せないBLINDモードもあり、さらにHUGE×BLINDモードなどの超高難易度モードも用意され、上級者も満足の内容でしょう。BLINDモードはオリジナルのマインスイーパーに近い仕様ですね(本作の方が難しいですが)。

さて、ある程度マインスイーパーをやったことがある方なら、次のような場面に見覚えがあるはずです(本家の画像です)
minesweeper2
地雷が右上と左下にある可能性と、左上と右下にある場合の2通りがあって論理的に絞れないパターンですね。上級盤面の最後にこれが残って、
あああ!2択を外してクリア逃したチクショー!!!
となった経験のある方も多いでしょう。しかし本作ではこの現象は起こりにくくなっています。なぜなら、地雷(魔物)の強さの差によって判別できる可能性があるからです。
また、こんな状態もよくありますよね。
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空きマスの右か左にレベル7の魔物がいる可能性のある状態です。自身のレベルが6以下のときは安全にマスを開く方法が無いように思えます。実際、オリジナルのマインスイーパーではこの状態は運を天に任せるしかありません。しかし本作では、すでに倒した魔物をクリックすることで、数字マスと同じようなヒントを得ることができるのです。

ゴブリンをクリックするとこんな感じになります。
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すると、上のドラゴン(レベル5)と新たに得られた6の情報から、空きマスの右側にはスライム(レベル1)がいることが分かり、安全に開くことができるのです。この6のマスをもう一度クリックすれば、元に戻すこともできます。

こんな風に、マインスイーパーでは頻繁に現れる論理的に解けない状況を、このマモノスイーパーではかなりの割合で回避して解ききることができます。パズル好きの方にとってはたまらないのではないでしょうか。

UIについては、少々改善の余地があるでしょうか。ズーム機能があるだけで相当プレイしやすくなると思います(ブラウザのズームで代用はできる)。また、画面下に表示される残り魔物数カウントを、倒したものだけでなくマーキングしたものも減らしてくれるとより終盤に悩むことが減るように思います。BLINDモードではこの仕様なのになぜほかのモードでは違う仕様になっているのでしょうか。本家では実装されている、マウスの左右両方のボタンを同時に押すことで周囲のマスをまとめて開く機能もあると嬉しいところです。マーキングした数字未満のレベルのときはそのマスを開けないのは、誤クリックの危険性を緩和してくれる良い仕様ですね。

このゲームはもともとFlashで制作されており、そのままだと遊べなくなってしまう所でしたが、HTML5移植版が制作され、現在も遊べるようになっています。作者の方に感謝です。
ちなみにブラウザゲームなのでスマートフォンのブラウザ上でもプレイできますが、右クリックがしづらい、マスが小さく誤タップが多発するなどの理由であまりお勧めしません。スマートフォンから遊びたい場合は、UIがスマホ向けとなったAndroidアプリ版をDLしましょう(残念ながらiPhone版は現在はなさそうです)。

また、効果音やBGMなどはないので、好みに応じて音楽などを聴きながらプレイするといいでしょう(Android版は効果音のみあり)。いつの間にか時間を忘れて夢中になっていること間違いなしです。

それでは。

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