フリーゲームの森

フリーゲームのレビューブログです。 ノベルゲーム・アドベンチャーゲームを中心にお勧めの作品を紹介します。
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恋愛

こんにちは。今回は緑茶弐捌號さんの「今日はヴァレンティヌスが処刑された日だよっ!」のレビューとなります。

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ジャンル:バレンタインラブコメノベルゲーム
プレイ時間:フルコンプまで30分程度
分岐:3ルート+α
ツール:ティラノスクリプト
リリース:2025/2


前回に引き続き、東京ゲームダンジョンで知った作品です。緑茶弐捌號(りょくちゃにーはちごう)さんのブースの前を通りかかって、なんか可愛い女の子が表情豊かに動き回っているなあと眺めていると、代表ののりやきさんに声をかけていただきゲームの内容やサークルの説明なんかをお聞きすることができました。そして受け取ったチラシには、"前身となるサークル"の作品紹介として6page.さんの「バス停の先輩」「僕と君とのソリロキー」が載っていてびっくり。どちらも以前フリーゲーム夢現で知っていた作品で、公開年のうちにプレイしてとても良かったので次回作も期待していたのですが、僕と君とのソリロキーver.2以降更新の気配もなく、ReadMeやフリーゲーム夢現に記載のリンクもドメインごと失効している状態だったので新作はあまり期待できないかなあと残念に思っていたのでした。
しかし今回まさかの別のサークルとして活動を続けられているという事が明らかとなりかなりテンションが上がりました。DLしてプレイしてみると期待にたがわず良い作品だったのでブログで扱いたいと思います。


いつも通り簡単にあらすじを説明するとこんな感じ。
主人公の明は高校2年生。バレンタインチョコを貰えるかソワソワしながら学校に行くと、なんと予定外にも都合3個のチョコレートを貰って大満足。しかし、いい気分で帰ろうとしたところにトラックが突っ込んできてなすすべなく死亡してしまいます。
そんな明の目の前に現れたのがバレンタインの天使を名乗る謎の人物、チョコリエル。チョコの貰い過ぎにより愛のエネルギーがオーバーフローして死に繋がったというのです。そんなチョコリエルの力で時間を戻って2月14日をやり直すことになった明は、死を避けるためにせっかく立てた女の子とのフラグを本命を除いて折らないといけなくなってしまったのです! 果たして明は無事にバレンタインデーを乗り切ることができるのでしょうか。そして女の子とのフラグを進められるのか?



タイトルのノリとか上の説明でも感じられたかと思いますが、本作はバレンタインフラグへし折り系のコメディです。ちょっと、というか大分無理がある設定にも思えますが笑顔のチョコリエルの圧の前にそんな違和感は些細なもの。
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有無を言わさず2度目のバレンタインデーが始まることになります。

そんなコメディの雰囲気通り、シナリオはサクサクっとテンポよく進んでいきます。幼馴染の湖池メイ、憧れの先輩井村赤城、謎の中二病後輩江永莉子の3人(全員製菓会社の名前をもじった感じですね)からのチョコイベントがどんどん進行していきます。チョコリエルを含め彼女らの立ち絵が良く動くこと動くこと、台詞に合わせて口や表情も変わっていくものですから、まるで喋っているときの空気圧まで感じられるような臨場感になっています。チョコレート色の制服も可愛らしいですね。

しかし生き残るためには3つのうち2つのチョコレートは断らなくてはならない明。苦渋の決断を迫られます。
受け取れば分かりやすくヒロインたちに喜んでもらえますし、逆にフラグを折るとショックを受けたモーションが入ってプレイヤーである私自身もなにか申し訳ない気持ちになっちゃいます。
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コメディ作品らしく攻略は簡単。狙いの女の子からのチョコだけを貰って他を断ればそのヒロインとのエンディングが見られます。私は莉子ルートが好きですね。相手のどんなところも受け入れてあげる姿勢が素敵だなと感じました。関係性の前進という意味でも彼女のルートが一番ですしね。

私の全てが、中二病莉子がふっと我に返って頬を赤らめるこの瞬間を見るためにあるんだろうな(大げさ)
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逆に言うと、チョコの受け渡し以外にはほとんどヒロインの出番もなくサクッとエンディングまで到達してしまうので、シナリオの深みとかを求める方には物足りなさがあるかもしれません。しかし本作はチョコを受け取ったり断ったり(チョコリエルと喧嘩したり)のラブコメ要素とエンディングの少しだけ心が温まるやり取りだけで十分まとまっていると思いますので、短編で手軽に楽しみたいという需要にぴったりだと思います。

あとは細かいですが、タイトル画面に戻るたびにランダムで表示されるデフォルメキャラも可愛くていいですね。タイトルコールと対応しているようで小技が効いています。この辺りは「僕と君とのソリロキー」でも感じられたセンスが生かされていますね。


さて、これまでにこの記事では意図的に触れるのを避けてきましたが、本作のエンディングはヒロイン3人のみではありません。もう一つだけ特殊エンドがあるのです。
そのルートへの入り方は難しくはないのでぜひこれかな、と思った方法を皆さんで試してみてください。きっとすぐに見つかるでしょう。そして私はこのルートが一番好きです。爽やか青春もので終わったノーマルルートとの対比であのオチには笑いました。ぽっ、じゃねえよ! 最後は日常系コメディ定番のアレが待ってます。やっぱ最高だよ。


というわけで今回は「今日はヴァレンティヌスが処刑された日だよっ!」でした。
バレンタインの時期は大幅に過ぎてしまいましたが、そんなのお構いなしにチョコを貰いに行きましょう!あるいはチョコを断りましょう!
どんなルートに進んでも愉快な展開が待っていること間違いなしです。

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あとここのチョコリエルのいたずらっぽい表情好きです。

それでは。

こんにちは。今回はソロフィリアさんの「PaintPain ~少女はメイドの手をとって~」のレビューとなります。

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ジャンル:芸術家の百合ノベルゲーム
プレイ時間:2時間
分岐:なし
ツール:ティラノスクリプト
リリース:2024/8


本作は今年の夏のコミケで知った作品になります。一目で百合と分かるインパクトあるイラストを中央に持ってきたチラシ、しかもいい紙に印刷されているものを貰い、後でプレイしようと会場で名前を覚えたサークルさんです。実際にプレイするまで1か月かかってしまいましたが、単に可愛らしい女の子同士がイチャイチャしている作品ではなくしっかりとしたテーマと確かな文章力のある作品でしたのでご紹介します。


まずはいつも通りあらすじをご説明。

主人公の六華嗣治(読みは りっか・つぐはる でいいのかな?)は大金持ちの家系に生まれ、一応投資家を生業としているものの稼ぎを出さなくても問題ないため自由にやっているというなんともうらやましい人物です。祖父が芸術系の高校である六華学園に多額の出資をしており、嗣治は学園祭に招待されていました。そんな彼が学園祭で出会ったのは月崎若葉という生徒。彼女の描く絵に一目ぼれした彼は、経済的支援は惜しまないからぜひ芸大へ進んでほしいと提案。さらに大学へ進んだ彼女を住み込みの家政婦として雇い、屋敷の家事を任せる代わりにアトリエや画材を好きに使ってもらうことにします。
そして3年後、同じく若葉の絵に心を動かされて六華学園に進んだ親戚の茶山モカは嗣治へ金銭支援を依頼しに来た日、彼の屋敷で絵を描く若葉と対面。弟子にしてほしいと頼み込みます。そんなモカを追ってきた彼女の友人の黄原めるも混ざって屋敷は突然の百合入り乱れ。彼女らがこれまで積み重ねてきた経験と信念をもとに芸術論を交わし、そして開花する絵画への熱意と才能。芸術を軸に絡まりあって成長する百合物語が始まるのだった…

こんな感じでしょうか。


本作の序盤はコメディ的雰囲気多めで進行していきます。ヒロイン若葉は機械が苦手でコーヒーメーカーから白湯を出したりしてますし、なぜか趣味でメイド服を着ています。嗣治は悪い人ではないですが何かとからかわれがちなキャラ。お金持ちなのに家電選びが異様に優柔不断ですし、学園祭で初めて若葉にあった時には変態扱いされて(実際かなり奇特な行動でしょう)、モカちゃんには引きこもりとか暇人とか言われたい放題。特にこのモカちゃんはかなり気の強い毒舌キャラなため、彼女との絡みは特に笑えます。まあ、それは言いすぎじゃない?っていうのもありますが…
そんなモカが若葉と出会うシーン。ここから物語が大きく動き始めます。

自身に進路を決意させた若葉を前にして心酔した様子のモカ。対する若葉の方も、強い決意や行動力を秘めたモカの姿に胸を高鳴らせます。出会って早々に百合カップルの誕生か…? と思いきやそう簡単に事は運びません。今度はとにかくモカのことが大好きな少女黄原めるが乱入しまさかの百合三角関係が発生するのでした。
しかも翌朝には、若葉の趣味で女の子は全員メイド服姿に。めるはいいとして若干不満そうな表情ながらもきっちりメイド服を着こなしたモカを見てなんか笑っちゃいました。

これ、その時の立ち絵自体がふざけていて面白いのかというとそうではなくて、モカのキャラクター性と衣装の不一致(あと表情と台詞)が面白いんです。つまり、これは本作において各キャラクターが活き活きと描かれていることの証左だと思うのです。そして、それぞれの人物がどのような背景と考え方を持っているのかという描写は、後半の展開へとつながるカギとなります。


とはいえここまで読んだ私の感想としては、これは可愛い女の子たちがイチャイチャしてるのを眺める萌え系コメディだろうと思っていたのです。実際この後もしばらくは甘々ラブコメが続いていきます。
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作品ページのサムネイルにも使われているこのキスシーン。なんという甘さでしょうか。
モカちゃんの方から勢い余ってしてしまったという、いかにもラブコメでありそうな展開なのですが、このあたりから本作の別の顔が見えてくるのです。


翌日、画材を買いに行く道中で若葉がモカの過去を聞いたり、モカに若葉の新しい絵のモデルになってもらったりといった過程で次第に明らかになってくる皆の絵画への思いと人生観。若葉がなぜメイドにこだわるのか、モカの強気な性格の源泉は何なのか、絵画の作風と表現対象への思い入れ。そういった要素が物語としての展開や人間関係につながってくるところが非常にうまいと感じました。


これについてはあまり書きすぎるとネタバレになるので1つだけ挙げておきましょう。
若葉が幼いころに聞いたおとぎ話には決まってお嬢様とそのお世話をするメイドが登場しました。しかしどんなお話もお嬢様は王子様に見初められ、最後には結婚して幸せに暮らすのです。そこに彼女を支えてきたメイドの姿はありません。そんなお決まりの運命に逆らうために、若葉はメイドとお嬢様だけの物語を紡ぐことを決めたのでした。
なるほどここまで聞くと、彼女がメイドの姿で美少女の絵を描き、嗣治に対してもメイドを演じる理由が分かります。しかしこの設定はそれだけではないのです。

おとぎ話の世界から綺麗なお嬢様を絵画という形で顕現させるのが自分の使命だと思っていた若葉。ファンタジーの世界から形ある絵としてこの世に生み出すという方法でこれまで制作を行っていたため、彼女の絵にもともとモデルは不要だったのです。しかしそこに突然現れたモカはあまりに彼女の理想とするお嬢様に近すぎました。”可憐でありながら、湧き出るマグマのように力強い瞳を持った少女”であるモカに自身の理想を重ねて同一視するようになります。これはモカにとっては残念なことでありました。

初登場時に出てきたように、モカは若葉の描く絵に惚れたのです。そんな彼女が絵を描くことへの興味を失い、モカの存在を見るだけになってしまった。しかも彼女が見ているのはそれまでの人生と人脈と芸術観を持った個性ある人間としてのモカではなく、若葉の脳内に存在する理想のお嬢様の残像でしかないのです。このすれ違いが明らかになりモカはショックを受けて一人自宅へと帰ってしまうのです。


このシーン、私はすごく唸らされたんです。ついさっきまで仲良し百合を見せられていたのに、しかも2人とも美術という同じ業界にいることに意気投合していたのに。こんなことになるとは想像できなかった。しかし同時に納得感のある展開でもあるんです。それぞれの人物の考え方がしっかり伝わるシナリオとなっている故でしょう。このように、人物にまつわる設定が発展してほかの人物と絡まりあって物語を前進させていく、そうしたところに本作の良さが詰まっているように感じるのです。

演出手法についてもよく考えられていて、前半におとぎ話とか映画に関連するエピソードが出てきたのを受けて、終盤でレトロ映画風のシーンが挟まったりといった気持ちよさが随所に感じられます。

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ここまでレビューであまり触れてこなかっためるについても同様です。むしろ終盤は彼女の見せ場。感情が高ぶれば校舎や校門にまで絵を描いて歯止めが利かない問題児のめるでしたが、その独特な芸術観と感情の機微を見逃さない観察眼はすれ違いを起こした若葉とモカを救ってくれました。猪突猛進で多少言葉が悪かったりもしますが、彼女の熱意がなければ若葉とモカはあそこから前に進むことはできなかったでしょう。本当にいいキャラしてるなと思います。

そんな3人がこの件をどのように消化して芸術への糧にするのか、それはぜひ皆さんの手で見届けてあげてください。


話は変わりまして本作のイラストなどシナリオ以外の部分について。
絵を描く少女たちの話なだけあって大変可愛らしい立ち絵がそろっています。メイド服も細かいところまで書き込まれていて凄い。制服立ち絵だけ左右反転時に胸ポケットの位置が矛盾するのが気になる、といったところでしょうか。
背景は写真素材です。お屋敷や美術館の品のある感じが演出されていてピッタリなんじゃないでしょうか。BGMに関してはピアノ曲中心でやや渋めの選曲。これも芸術というテーマにマッチしているように感じます。
システムに関してはもう少し頑張ってほしかったというところでしょうか。レビュー執筆のために特定のシーンを読み返そうと文章スキップしたらフリーズしたとか、背景が真っ黒で動かないとかの状況が多発してしまいました。


というわけで今回は「PaintPain ~少女はメイドの手をとって~」でした。
以前ちらっと言った、ノベルゲームの総合芸術的な面が生きた作品となっていますので、ぜひプレイしてみてください。

それでは。

こんにちは。今回はHase im Hausさんの「おさななじみ Childhood Love」をレビューしていきたいと思います。

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ジャンル:幼馴染系短編乙女ゲーム
プレイ時間:1ルート10分、フルコンプまで1時間程度
分岐:ED10種
ツール:ティラノスクリプト
リリース:2024/5
備考:16歳以上対象



本作はTwitterをなんとなく見ていて目に留まった作品になります。大きく可愛らしいヒロインが描かれたサムネイルとストレートなタイトル。変に凝った作品より逆に印象に残りやすかったかもしれません。

では本作をプレイしての感想の話などに移る前に……ひとつ謝らなくてはならないことがあります。
これまでに数多くのフリーゲームをプレイしてきて得た嗅覚によって私は、「この子、どんな風に闇落ちするのかな~」という気持ちでプレイし始めたのです!

薄めのピンクで統一されたイラスト、ロゴ、UIでこれでもかと乙女チックに演出されたタイトル画面。Readmeにて確かな存在感を放つ「対象年齢: 16歳以上(ほんのり大人の会話有)」の記述。そしてタイトル画面左下に控えめに鎮座するRESETボタン。
これまでの経験から、これはルート選択によってはヒロインが闇落ちorヤンデレ化してタイトル画面がホラーになるやつや…とそこそこ高い確信度を持っていました。しかし! それは私の心が汚れてしまっていただけでした。ルート分岐は多めで進展があるルートも喧嘩に至るようなルートもあるもののどれも微笑ましい内容となっており、純粋に幼馴染ものの乙女ゲームをお求めの方にぴったりだなと思いましたのでレビューを書くことにしました。


主人公のほのか(名前変更可)は高校生(多分2年生)。学年違いではあるけれども子供のころから家族ぐるみの付き合いのあった幼馴染の海とは交流が続いています。ほのかは海のことが好きだけれども海は最近ほのかと距離を置き気味。もらったお漬物を届けに行った今日も受験生は忙しいんだと追い返されそうになる始末。ほのかは海との距離を縮めることができるのでしょうか…

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さて、本作は1ルート読み終えるのに10分かからないくらいの短編ですが、その中でほのかと海の関係性がしっかりプレイヤーに伝わってくるような描写がされます。ほのかは昔から海のことが好きで、それは男も女も関係なかったあのころの気持ちとは違うんだという自覚もあるようです。しかし海から見たらほのかはまだまだ子供。そんな無邪気な様子でいられると男の欲望を抑えられなくなってしまうと危惧しています。
この、実はお互いに好きあっているのに微妙にすれ違っている関係性、いいですね。

ほのかは確かに海のことを男の子として好きなようですが、行動も発言もまだまだ子供。部屋に入れてくれーと玄関先で泣き付いたり、勉強の邪魔したり…。海のいる部屋で着替えたり寝たりすることもあるようです。確かにこう見ると、海がほのかをお子ちゃま扱いして恋愛対象と見てくれないのも当然といった感じですが、海は海でほのかのことを好いてはいるのがまたややこしい! 好きであるからこそ、ほのかが何も分かっていないうちに手を出したくないんですよね。いい子ですね。
2人がこの関係性から前進できるのかはプレイヤーの選択にかかっています。



さて、話は変わりまして本作にはボイスがついています。ゲーム開始直後には名前入力と一緒に珍しいオプション「ヒロインのボイスを付ける」が表示されます(デフォルトはON)。
確かにフルボイスゲームって主人公にも声付きのタイプとそうでないタイプがあります。これを選べるのって初めて見たかもな~と思いました。男性主人公の作品だと付いていないものが多くて、女性の場合は体感で半々くらいですかね。本作をプレイしてこの非対称性に気付きました。

ボイスについてもう一つ珍しいと感じた点があって、それはいわゆる心の声にもボイスがついていることです。心の声には、実際にしゃべった時の声と違ってリバーブが効いた音声になっているので最初はなんだこれ?と思ったのですが、心の声と台詞の区別がされているんだと気付くとなるほどと納得したのと同時に面白い演出手法だなと感じました。



本作の通常EDは9種類あります。2人が恋人関係になる"正解ルート"みたいなものが1つだけあるのが普通かなと思っていたんですが、本作は違いました。2人が親密になるルートも疎遠になるルートも複数あって、結果的には似ているんですがそれぞれ過程が違う感じになっていました。私が好きだったのはEND3です。一旦すれ違って喧嘩別れみたいになりそうなんですが、雨降って地固まる的展開が繰り広げられて最終的にはいい感じに。ちゃんと山場があるし、何より海のほうからアプローチがあったのがうれしいですね。これまで聞き分けのない子供だったほのかがちゃんとけじめをつけるのを見て、海としても覚悟を決めたのでしょう。”ほんのり大人の会話”は本当にほんのりだったけれども、2人にはこれくらいがちょうどいい気がします。
他にも多くのルートがあるので、きっと皆さんの好みな展開もあるでしょう。全ED回収後はおまけAFTER STORYも忘れずに回収してくださいね。

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そう、おまけと言えばもう一つ、エンド回収ごとに思い出のガチャを1回回せます。出てきた可愛らしいアイテムをクリックすれば、2人の小さな思い出をのぞき見することができます。これも珍しい仕掛けで面白いですね。そして私はようやくタイトル画面にあったRESETボタンの意味を理解しました。このエンド回収履歴やガチャ入手アイテムをリセットするためのボタンだったんですね。闇落ちしたほのかの記憶を消してあげるボタンだと思っててごめんなさい…。

ほかにもEXTRAS画面にはいくつか仕掛けがあるので是非探してみてください。

ということで今回は「おさななじみ Childhood Love」でした。
さわやかで安心安全の乙女ゲームをお求めの方、成長に伴ってそれまでの関係性に変化が生じてきちゃった幼馴染が好物なんだ!という方、プレイして損はないと思いますよ。

それでは。

こんにちは。今回は妹れっぐぅおーまーさんの「Be alive ~What is your precious~」のレビューをしていこうと思います。
私は好きですが、本作はかなり人を選ぶ作品であることは間違いないので、注意書きなどをよく読んだうえで納得された方のみプレイしてください。

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★favo
ジャンル:王道学園ものエロゲ
プレイ時間:1ルート2~3時間。フルコンプまで5~6時間程度
分岐:攻略対象3人。計8エンド
ツール:NScripter
リリース:2006/12
備考:18禁。特定ルートで凌辱シーンあり。見たくない場合回避パッチを当てる事(後述)


さて、2年半ほど前にこのブログを開設し、週一弱のペースでレビューを書き続けてきましたが、今回で記念すべき100本目となります(コラム等があるため総記事数は128本となっています)。何か思い入れのある作品を取り上げたいなと思って考えていたのですが、私が初めてやり込んだフリーゲーム(カサハラン.COMさんの「漢字迷路三国志」です)はFlash製で既にプレイできなくなっていますし、ノベルゲームとの出会いのきっかけとなったむきりょくかん。さんの「ほしのの。」については過去に取り上げました。他に私に大きな影響を与えた作品と言えば、私が将棋を始めるきっかけとなったペットボトルココアさんの「夏ゆめ彼方」がありますがこれも以前にレビューしています。
色々考えた結果、今回は私が初めてプレイしたアダルトゲームであって大変印象に残っている本作を取り上げることにしました。というわけで1月にTetraScopeさんの「桜哉」の記事を書いた時以来の18禁作品となります。通常のレビューに比べて私の思い出話みたいなものも長くなるかもしれません。


本作は2006年のコミケが初出とかなり古く、現在公式ページのダウンロードリンクはミラーを含めすべて無効になっているため今からの入手はちょっと大変かもしれません。一応Wayback Machineでアーカイブをたどれば今でもダウンロードできることは確認しています。公開当時はエロゲと饗はおろかBOOTH(pixiv)すらなかったので配布場所は相当限られていたはずで、しょうがない面もあるとは思いますが昔の作品がプレイできなくなってしまうのは寂しいですね。


さて、では本作のあらすじ紹介に参りましょう。
主人公の藤原伸一は高校2年生。両親が海外出張中(お約束)のため、同じ高校に通う1年生の妹、千佳と一緒に家事を切り盛りして生活しています。学校では幼馴染の坂野恵理、悪友の北沢明と一緒になんだかんだ上手くやっています。最近では委員長キャラの榊原奏とも親しくなって、5人で楽しく高校生活を送っていました。期末試験のために勉強を教えてもらったり、試験終わりにゲームセンターで遊んだり。しかし時期はもう高校2年生の冬。受験勉強や卒業後のことを考えるとみんなで遊んでいられる時間もそれほど長くはありません。彼女らとの関係を一歩進めることはできるのでしょうか…。


と、こんな感じで基本的な設定を説明すると非常にオーソドックスな内容になっていると思います。
しかしこれまで文字通り健全なゲームしかプレイしていなかった私には、これがエロゲのノリなのか! と思った個所がいくつかありました。(もちろん、エロゲは全部そうだというわけではないのは今は知っているわけですが)

まず画面がピンク色!
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タイトル画面の色味もそうですし、この学校の制服はなぜか男女問わずピンク色のようで、立ち絵やスチルが自然とその色になっていきます。別に肌の露出が多かったりするわけではないのですが、なんか独特だなと思ってました。


そしてなぜか同性の悪友キャラ(明)がキモい。コイツ、何なんだ? というか公式サイトの攻略ページの中で作者にネタにされてるし…
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また、何でもないシーンでのサービスカット(?)が多い。最初の学食でのシーンからモブの女の子が普通にパンチラしているなど、そういった要素のあるスチルが多めです。

正直に言うとプレイしていた時には、これらの要素は良く分からないな、こういうノリなのかなと思って流していました。別にえっちなゲームじゃなくていいかと感じていたのです。しかし最後までプレイしてみると、私に強烈な印象と感動を残していったすごい作品だったのでした。それに関しては後述します。



さて、複数ヒロインである本作は当然、共通ルートと個別ルートに分かれています。クリスマス前までが共通ルート、それ以降が個別ルートとなっていますが、本作の特徴として共通ルートの比重が重めということが言えるでしょう。分岐直前まで5人で集まって遊んでいたりするので、複数ヒロインものでありがちな「後半で他のヒロインの存在感がなくなる」ような流れになりません。ヒロイン同士の掛け合いも描かれるなど、ただの賑やかし要員になっておらず丁寧に作られているんだなと感じられます。
個別ルートに入ってからも、きちんと友人同士の付き合いであった今までの関係性を踏まえた展開になっており好感を持てます。各ルートで恋人エンドと友人エンドにさらに分岐するわけですが、これはどちらに行っても言えるでしょう。

逆に言うと、恋愛ものとして見たときのどきどき感みたいなものはやや物足りないと感じるかもしれません。共通ルートの間の単なる友人としての関係が長く、その間は異性としての意識などは描かれないため終盤で突然恋愛ものになってしまう印象はぬぐえません。
その面で一番良くできていたと感じたのが委員長キャラである榊原ルートでした。幼馴染である恵理や妹である千佳とは違って、榊原だけはゲーム開始時点ではほとんどしゃべったことのない相手です。その状態から、何となく相手のことが気になるとか、少しずつ態度が軟化していくとかいった変化がほかのルートよりも濃く描かれていたように思います。このルートだけヒロイン視点が描かれているのも私の好みに合致するようでした。ご両親が良い人で良かったですね。
そしてルートの最後で18禁シーンがあります。初めて読んだ私は、なるほどそんなもんか(良く分からん)なんて思っていました。

千佳ルートについてはどちらのエンディングに行っても微笑ましい内容となっており、実の兄弟での近親相姦的な展開はありません。途中何回も伸一のことをシスコン扱いしたネタがありますが、このルートを読むとむしろ千佳の方が重度のブラコンでは? なんて思ったりします。

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ここまででも「良くできた作品」であると思いますが、これだけだとおそらく私にここまで強い印象を与えなかったでしょうし、正直わざわざ18禁の作品をやらなくても良かったかなと感じたでしょう。しかし本作は幼馴染の恵理ルートで本性を現します。

ヒロインが3人いて恵理ルートだけ1周目ルート制限がかかっています。1回目では強制的に友人エンドに。2周目で初めて「ホテルに入る」という選択肢が登場します。当然そこで恵理と行為に及ぶわけですが、問題はその後です。ずっとほのぼのとしていたこの作品の雰囲気はここで一気に反転します。

念のため再度警告しますが、このルートの先ではかなりショッキングな展開が続きます。具体的な暴行が行われるシーンはパッチ適用により飛ばす選択肢を有効化できますが、このルートの主題は事件によって深い心理的なダメージを受けた人物たちがその後どのように生きていくかです。鬱ゲーは受け付けないという方のプレイもお勧めしません。
気にしないという方もシナリオの加筆が若干あるためパッチ適用をお勧めします。公式サイトからver1.01パッチをDL・解凍し、作品フォルダのnscript.datを上書きしてください。パッチ適用後も該当のシーンを飛ばさずに読むこともできます。



このルートでは、伸一と恵理を追っていた千佳が暴漢に襲われてしまいます。それに感付いて現場に向かった伸一も犯人の手にかかって意識不明の大けがをさせられることになります。
幸いにも命に別状はなかった2人ですが、同時に負ったであろう精神的ショックの深さは計り知れません。そんな中で行われる千佳と恵理のあの会話シーン。愛し合っていたからこその行動だったのに、友達を大切に感じていたからこその気遣いだったのに、どうしてこう現実は悪い方向に進んでしまうのでしょうか。あの時こうしていればよかった、自分のせいでこんなことになってしまったという後悔が絶え間なくあふれ出てきて、優しさがあるからこその悲しみを際立たせるシーンです。しかし恵理の悲鳴交じりの決死の説得も届かないほど、千佳の心はずたずたに壊されてしまっていたのです。

そんなシーンの後、無音で始まるモノローグ。そこで事件がもたらした影響の大きさを再度実感させられることになります。伸一・千佳のみならず恵理や明、榊原を巻き込んで、事件から立ち直るための必死のリハビリが始まるのです。
確かに恵理は伸一とちょっと特別な関係になることを望みました。しかしそれは5人の友情を壊してまで望むものではありません。実際恵理は事件の前にも、これからもいつも通りで、と伸一に告げています。ところがそんな希望は事件によって完全に破壊され、悲痛な運命を甘んじて受け入れるしかなくなります。
生半可な友情だったらここで終わりになってしまうかもしれません。私だったらすべてをあきらめて自分の心も壊れてしまうかもしれません。しかし5人の友情はそうではありませんでした。恵理は自分にとって何が一番大事だったかに気付いたのです。まさに本作の副題にあるWhat is your preciousとは5人で遊んで楽しく過ごした日々、皆を思う友情であったのです。ほのぼの系の作品だったら何となく受け流してしまうであろう友情描写であったとしても、どうしようもなく悲しいこの状況だからこそ、こうも心に深く刻まれるものなのか、というのを強く感じたのを覚えています。
序盤のシーンではただの同級生でしかなかった榊原も、彼女がいないことに悪態をついてばっかりだった明も、こうも献身的に恵理や伸一を支えてくれます。こんな健気な友情だからこそ、全員を全力で応援しながら物語を読み進める手は止まりません。

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その後の学校のシーンなどは、今になって冷静に考えてみれば現実的ではないでしょう。しかしそんなことがどうでもよくなるほど私はこの作品に夢中になっていました。愛を越えた先にあるものをこんな形で描くことができるのかということに。そしてこの展開は同人の18禁作品でしか許されないだろうとも感じていました。

最後にクリスマスの日の会話などが伏線となって真実に気付くあの展開も良く作られています。私が最初に読んだときはこれが後で効いてくるなどとは全く思っていなかった何気ないシーンなのですが、そこまで計算されていたことに気付いてまた深く驚くのです。これも、伸一が恵理や千佳を大切に思っていて、しっかり観察していたゆえでしょう。

ラストシーンにはver1.01で加筆されたシナリオが出てきます。やや説明的過ぎるかなという感じもしますが、ここにきてようやくひと段落したと安心できる内容になっていて、全ルートの総まとめとしての終止感をしっかりと纏ったエンディングです。このエンドロールだけ振り返り的にこれまでのスチルがついていたりもしますしね。1つ注文を付けるとしたら、最後に全員で笑っているスチルとかあったらより感動的だな、というところでしょうか。
若干ネタバレ(クリックで展開) まさかタイトル画面の時点で盛大にあの展開を示していたとはね…全然気づきませんでした。

ちなみに本作の攻略は簡単です。攻略したいヒロインの選択肢を選び続ければよいです。優柔不断な選択をしているとノーマルエンドに行きます。


というわけで今回は「Be alive ~What is your precious~」でした。
本作が私にとって初めての18禁ゲームだったからこそ、単にえっちなシーンがあるだけでなく話のテーマに大きくかかわってくるような内容を含む作品が好きになったのかもしれません。この辺のことは「桜哉」で語りましたね。
あのルートを受け入れられる人はそう多くはないかもしれませんが、私を深く感動させたのもあのルートであることに間違いありません。鬱展開に耐性がある方、ぜひプレイしてみてください。このルートに出会ったからこそ、私はエロゲにもシナリオの良さやテーマ性を求めているといっても良いでしょう。

それでは。

こんにちは。今回は水温25℃さんの「月明かりと夜風のワルツ」のレビューとなります。

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ジャンル:魔術師ファンタジー乙女ゲーム
プレイ時間:1時間弱
分岐:なし
ツール:ティラノスクリプト
リリース:2023/8


本作についてはTwitter上などで制作過程を拝見していました。絵が割と私の好みのタイプであり、作者さんの過去作「はこにわのみこ」が良かったので公開を楽しみにしていました。結局プレイするまでに公開からしばらく時間がかかってしまいましたが先日読了したのでレビューという形にしておきたいと思います。


本作の舞台となるのは街のあらゆる場面で魔術の飛び交うルーナ王国です。空気中に漂う魔素を魔力に変換してエネルギー源として使用することで動く工業製品も身近な存在で、魔術を職業にすることのない一般人でも日常で魔術を使っています。
主人公のリシュア(ver1.02以降名前変更可能)は魔術学校に通う3年生。卒業研究に励みながらも、間近に迫った学校の創立記念ダンスパーティーに誰を誘うか迷っています。住み込みのお手伝いさんであるレナートのことが気になりますが、去年のパーティーへ誘ったところ断られてしまったため、声をかける勇気が出ないようです。二人の間を隔てる線とは何なのでしょうか。魔術学校を卒業するまでにその関係性に変化は訪れるのでしょうか…


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さて、本作の良かったところを簡単に説明していきますが、まず絵が可愛らしいですよね。最初にも書きましたがかなり私の好きな絵柄です。短編で登場人物の数も少なめですがみないい子たちで、登場機会の少ないサブキャラまで表情豊かに描かれています。私は何かしらの失敗をして涙目になったレナートが好きです(笑)
メインの画面に表示される立ち絵だけでなく、左下にいる主人公もまばたきしていて良く作りこまれてます。この主人公の顔グラですがかなりアップで表示されていますね。これまでプレイしてきた作品の中でも一番かも。それくらい存在感があります。

立ち絵やスチルのみならず、背景やUIなんかもきれいに統一された雰囲気をまとっていて素敵ですね。メニューや文字色などが主人公のテーマカラーと一緒になっていて気持ちいいですし、メニューアイコンも大きくて一見して意味が分かります。ゲーム内からヘルプや2次利用ガイドラインなどが読める仕組みまで整っています。これは過去作でもそうだったかな?
URLをクリックしても直接サイトへ飛ばない(クリップボードにコピーされた状態になる)のは掲載サイトの規約対策でしょうか。確かふりーむが最近その辺非常に厳しかったはずです。ちなみに私がこの記事を書く際に公式サイトにリンクを張るときにURLのコピーが一瞬でできて便利だったなんていうちょっとどうでもいい話もあります。



さて、シナリオの方に話を移しましょう。
本作の特徴として、物語開始時点からすでに主人公リシュアがレナートへ(恋愛的な意味で)好意を抱いているのが明らかというところが挙げられるでしょう。しかしそれに対して、レナートはそもそもリシュアのことは恋愛対象ではないといった様子。お手伝いさんと雇い主の娘という関係としては良好なので微笑ましいシーンがほとんどを占めるのですが、それ以外の個人的な関係についてはレナートが遠慮しているというか拒否しているように見えます。したがってリシュアの片思い的な面が強く、乙女ゲームとしての糖度は控えめな感じです。


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そんな本作のシナリオにおいて優れた点は、はっきりとした世界観の説明や設定が存在していること、それに基づいて登場人物の思いや行動が描写されていることでしょう。
舞台となっているルーナ王国では魔術が広く普及していることは最初に述べましたが、それはいわゆる魔法のように何でも好きなことができる、科学を無視したような特異な能力が使えるといったものではありません。大気中に存在している魔素を吸収して魔力に変換する、魔力を動力源として仕掛けを動かし、加熱器具にしたり玩具にしたりといった理屈が存在しているのです。

魔素の吸収効率に個人差がある、国家として定められた資格としての魔術師や魔導士などの肩書がある、といった設定が丁寧に説明されるからこそ、レナートが主人公の誘いに首を縦に振らない理由や主人公の父親トヴァルの矜持・信念といったものが理解できるのです。
科学との比較がされるシーンもあり、SFというにはファンタジー感が強いですがそれくらい設定がしっかりしており、だからこそ登場人物の心情が読者に伝わってくる構造になっていて、良く作られているなあと感じます。リシュアが卒業研究に力を入れている理由も分かりますし、授業のシーンはないですが魔術学校(高校卒業後に入学するということなので大学相当でしょう)に通っている必然性があるんですよね。学校が都合のいい行事が存在するだけの空想上の存在になっておらず、理由のある設定としてスムーズに受け入れられるようになっています。

先ほどシステムが整っていると言いましたが、その中の用語説明機能はこの点の理解にも寄与しているでしょう。右上のメニューボタンの下にある本のアイコンをクリックすると、作中に出てきた用語の解説を読むことができます。必要な部分だけをまとめて見られますし、UIもかわいくていい感じ。


物語終盤ではちょっとした事件が起こります。心を痛め、最善の選択ができなかったと悩むリシュア。そんな中でのレナートとの会話が、2人の信条を活かした内容になっていて上手いよなあと感じます。
事件をきっかけに決意をしてくれたレナート。優しいけれどもちょっぴりドジで、よくリシュアに慰められていた彼が初めてたくましく、かっこよく見えた瞬間でした。

そんなエンドロール後のエピローグ。あの台詞にはシリアスな雰囲気が吹き飛んで文字通り吹き出してしまいました。そして突然の糖度UP。これまでが爽やかなレモネードだとしたらガムシロップくらい甘いです(私は何を言ってるんだ?)。切実にスチル閲覧モードの実装を希望します!
(同日追記:スチル閲覧モードはチャプター選択画面の左上アイコンから行けるようです! 作者のななづこさんに直々に教えていただきました。ありがとうございます。)


というわけで今回は「月明かりと夜風のワルツ」でした。
エピローグまでちゃんと見て幸せな気分になってくださいね!

それでは。

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