フリーゲームの森

フリーゲームのレビューブログです。 ノベルゲーム・アドベンチャーゲームを中心にお勧めの作品を紹介します。
初めての方は、ぜひごあいさつをご覧ください。評価の基準については、レビューについてに記してあります。
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恋愛

こんにちは。今回はOperation:Noveltyさんの「AlexiA~アレクシア~」をご紹介します。

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ジャンル:電波障害ノベルADV(ReadMeより引用)
プレイ時間:5時間
分岐:大きく2つ
ツール:Light.vn
リリース:2019/8



今回ご紹介する作品はまた一風変わった作品となります。どういうことか順を追って説明していきましょう。

ReadMeにもある通り、本作はA,B,Cパートの3つのパートに分かれています。はじめからをクリックすればAパートから物語は開始します。主人公は上條游雅(かみじょう・ゆうが)。訳あって一人暮らし中の高校生です。隣に住んでいる幼馴染の東雲穂多留(しののめ・ほたる)は毎日游雅を起こしに来てくれる世話焼きさん。まだ早いし寝ていたいなどと悪態をつくも結局は一緒に登校している仲良しです。(本作の登場人物はみんな漢字が難しいですね。游という字は游ゴシック等のフォント名以外で初めて見ました)
始業よりも早めに教室に着き、なんと穂多留の作った朝ごはん(サンドウィッチ)を一緒に食べます。「いつもと違うところはどこでしょう?」なんて言うオーソドックスな難問にうろたえたり、食事を用意してくれることに感謝を述べたり、そういった幸せな日常が繰り返されていきます。
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ここまで読んでくると、いや典型的なギャルゲーじゃねえか、と感じると思いますが、本作の正体が露わになるのはこの後です。

いわゆるギャルゲーであるならどんな形であれ恋愛に関係したイベントがどこかで起こるはずです。しかし本作においてはそのようなイベントが起きる雰囲気が感じられません。游雅はどう見ても草食系で今以上の親密な関係を望んでいるようには見えませんし、穂多留の方もどちらかというと世話焼きなお姉さん風。お互いに好意はあるんだなというのは分かりますが、毎日一緒に登下校する以外の描写が一切ありません。
つまりギャルゲーにしてはあまりに単調でシナリオに山がなく、つまらなすぎるのです。

そんな中で本作を読み進めていくと、徐々に違和感が浮かび上がってくるはずです。
私が最初に明確に引っかかったのはテスト対策のシーン。游雅の教科書は開いたことすらないほど新品同様。そういえばこれまで勉強をするシーンは一切ありませんでした。どうも勉強に拒否感があるらしい游雅ですが、穂多留に促されて教科書を読めばさらりと理解できる。そのことに何より游雅自身が驚いています。
教科書を読めば一発で理解できるような頭脳を持っていながら、まるでこれまで勉強なんてしたことがないというような游雅の発言。ギャルゲーなんだからそんなの日常茶飯事だろうと受け流すこともできましたが、私にこの違和感を決定的に意識づけたのはテスト返しのシーンでした。

游雅のテストの結果は全教科で満点。いくらギャルゲーであってもよほどの天才キャラでなければ取れない点数を、数日前からテスト勉強をしただけの游雅があっさりとってしまうのはやはり不自然。
そして何より、画面に一瞬映る游雅の答案です。
名前の記入欄には、「上じょうゆうが」と書かれています。
そして一番上に見えている答案は数学の物ですが、そこに書かれた解答はどう見ても中学校レベルです。
高校生にもなって自分の名前が漢字で書けないのか。テストの内容はなぜ中学校レベルなのか。本作をこれまで読んでくれば、その理由は容易に想像がつきます。いま游雅が生きている世界は妄想の世界だからです。


テストの返却が終わった後またいつもの楽しい日常が始まり、この何の変哲もない楽しい日常こそが高校生上條游雅が生きる道なのだ、という妙に確信めいたモノローグが語られた直後にエンディングを迎えてしまいます。そこで流れる異様といえるエンドロールがショッキングです。


本作はこの平和なギャルゲーの皮をかぶった異様なループのAパートから抜け出さない限り真のエンディングにはたどり着くことができません。ループから抜け出すための鍵となるのは、穂多留と下校途中に寄ったゲームセンターでした。

このAパートを抜けてBパートに行く部分はかなり難しいですが、ここを抜けないと本作の真価にたどり着けないのでぜひ頑張ってください。選択肢ごとの細かい展開の違いを追って行けば抜け出せるはずです。どうしてもわからなかった場合、作者さんサイトにヒントがあるのでそれを参考にしてください。


さて、Bパートに入ると雰囲気はガラッと変わり、游雅は中学生であること、そして勉強の苦手ないじめられっ子であることが明らかになります。別にさぼっているわけでもないのにできない勉強。クラスメイトにはバカにされ続け、親も先生も味方にはなってくれません。

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非常に悲しい展開ですが、私には游雅が勉強を苦手とする理由がすぐに分かりました。
答案に書かれたへたくそな文字。心象風景に現れる異世界の文字のような呪文のような図形たち。そして本作の副題「電波障害ノベルADV」。これだけのヒントがあれば正解を導くのは容易でした。游雅は読字障害を抱えていたのです。

それさえ分かればAパートにおいて私が保留にした違和感も解決します。教科書を読むという行為自体に拒否反応まで見えた高校生の游雅ですが、それは現実における中学生の游雅が読字障害を抱えていて教科書を読めなかったから。テストの内容が中学生レベルだったのは、実際には中学生である游雅は妄想の中であっても高校レベルの内容を想起することができないから。

しかしそうしたことがプレイヤーである私に分かっても、游雅が救われるわけではありません。勉強をしても結果が伴わない。どちらにせよ怒られるなら勉強なんかしないで怒られた方がまし、という思考に至ってしまうのは悲しいですが、この状況下では仕方のないことでしょう。

学校にも家庭にも味方がいない游雅が心のよりどころとして見つけたのは、ゲームセンターにあるコインゲームと、一緒に遊んでくれる高校生のお姉さん、車窓眞那彌(しゃそう・まなみ)でした。(またしても漢字が難しい)

勉強も運動も、いままでに成功するという体験をしたことがない游雅がコインゲームに手を出し、たまたまとはいえ上手くいって大量のコインが排出されたときの高揚感が動画で表現され、非常に説得力のあるものになっています。游雅がコインゲームにハマり、まなみさんにある種依存していく心理を追体験しているようです。

学校や家になるべく居たくない游雅は毎日ゲームセンターへ通うようになります。そこでしばらくまなみさんと交流を重ねたのち、まなみさんにディスレクシア(知的能力は正常であるにもかかわらず文字の読み書きが困難となる障害。日本語で識字障害、読字障害などと言われる)の可能性を指摘されます。

勉強ができないのが自分の努力不足のせいではない可能性に気付き、一筋の希望を見出した游雅は早速親や先生に相談します。障害について理解されて以前よりも良い方向に進んでいくと思われましたが、それは長続きしませんでした。文字の読み書きに困難を抱えている状況が変わるわけではなく、また一般の中学校で一人一人の生徒に対してできるサポートにも限界があります。

結局游雅が本当の意味で心を開けたのはまなみさんだけでしたが、その彼女も問題を抱えているらしいことが次第にわかってきます。こちらについて詳述することは避けますが、游雅の件とはまた違う方向ながら福祉の面で何とかならなかったかなあと思える状況でした。

そしてCパートにたどり着いたら、游雅が前を向いて歩いていけるかどうかを見守ってあげてください。



本作全体の特徴として、演出面における独特な表現が挙げられるでしょう。
ReadMeにはこう書いてあります。
また、本作品は心情描写、伏線、背景描写、動作描写の大部分をCGと音に依存しています。
先述したメダルゲームにのめり込むきっかけとなったシーンだけでなく、学校でのシーンにも、穂多留を説得するシーンにおいても動画が多用され、微笑ましいようでありながら不気味にも感じるような本作の独特な世界観が築き上げられています。特にBパート以降ではボイスもその表現に貢献しているでしょう。ぜひサウンド・ボイスONでプレイしてみてください。


なかなか一筋縄ではいかないショッキングな作品ではありますが、この作品が持つただのギャルゲーではない側面に気付けばきっと物語にのめり込めるはずです。游雅を応援してあげてください。

それでは。

こんにちは。今回は、九州壇氏さんの眠れない夜にをご紹介します。


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ジャンル:ちょっと大人向けな幼馴染み系ノベルゲーム
プレイ時間:1時間15分
分岐:なし
ツール:NScripter
リリース:2016/12
備考:第12回ふりーむ!ゲームコンテスト健闘賞受賞作


私は以前、【検証】ギャルゲー主人公の両親、海外出張しがち説という記事で(現代日本が舞台の)恋愛系ノベルゲームでは主人公の年齢設定は高校生が最も多いと書きました。特別な設定なしでも毎日学校でヒロインと顔を合わせるし、体育祭や文化祭といったイベントで話を盛り上げることも、定期テストや受験といった分かりやすい壁を提示することもできる。私がプレイした範囲では、過半数が高校生が主人公のものでした。しかし大学生やそれ以上の年齢帯になっている作品も面白いものは数多くあります。本作はそれらのちょうど中間にある特殊な作品といえるのではないでしょうか。高校はすでに卒業しているけれども高校時代の思い出が大きな比重を占めるようなシナリオで、現在の状態は過去の出来事が連なった結果なんだなあという物語の説得力のようなものがしっかりしている作品です。

本作の主人公は木野下淳。およそ半年前に高校を卒業して大学生になったばかり。ヒロインの木野田茜も同学年です。彼らは小学校に上がる前からの幼馴染で、高校時代から付き合うことになります。しかし本作のメインの時間軸は、大学生になった淳と茜が何気ない夜のドライブをしているところから始まります。物語開始時点で二人はすでに恋人の距離なわけですが、ここに至る過程もしっかり描写されています。そう、本作は回想シーンを多用しているのです。これがなかなかうまいですね。回想では背景がセピア調になるのでいつの話をしているか混乱することはないですし、現在と過去のシーンの間にぶつ切り感がありません。子供時代のこんな経験や、中学生の時のあの出来事が現在の淳の感情をこんな風に動かしている、というところが丁寧に描き出されるので、これが上述の説得力につながっているのではないでしょうか。この丁寧かつ素朴な描写が作者さんの持ち味ですね。最小限の演出と写真背景はその素朴さを邪魔しません。見た目の華やかさがないという言い方もできるかもしれませんが、私はとてもフリーゲームらしくて魅力的なんじゃないかなと思っています。

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そんな穏やかな雰囲気のドライブから始まるストーリーですが、物語前半の割と早い時間帯で茜を襲った悲劇が明らかになります。突然病気で倒れ、運よく一命をとりとめたはいいものの記憶の一部が失われてしまったのです。普通ならこんなシーンは鬱々とした空気が流れ、読者に負担を感じさせることもあるでしょう。しかし本作ではこれは1か月前の出来事として淳も茜もすでに受け入れているので、その暗い雰囲気をかなり軽減しているのです。

そんな悲しみを抱えながらも、ゲームセンターで遊んだり、思い出の場所で語り合ったりしてほのぼのとした展開が続くのかな……と思っていると物語は急展開を迎えます。トイレに行くと言って席を外した茜が戻ってこないのです。必死に茜を探す淳。そんな中、茜の妹の香澄から電話がかかってきます。そこからの展開はなかなか衝撃的でした。このほのぼの系幼馴染ものに計算された伏線が張られているとは思っていなかったのです。うまいですね。淳が受けた衝撃と悲しみをプレイヤーにも直接的に与えてくる感じがしました。
しかしこの伏線、間違った解釈から急展開後の正しい解釈まですべて主人公がモノローグで語ってしまうんですね。ここは、「そうだったのか!」と読者に一回思わせた後は細かい解説はせず(するとしても会話文の中で自然に行う程度で)、プレイヤー自身に該当箇所を探してもらう、2周目をプレイしてもらうよう仕向けたほうがより印象に残った気がします。なんというか、余韻みたいなものが失われてしまう感じがしました。「君と再会した日」の時も似たことを書いた気がしますので、これは作者さんの特徴かもしれませんね。逆に、その後淳が正気を失っているシーンなどは、より分量を割いて描写しても良かったんじゃないでしょうか。明らかになった事実に驚きはしたものの、プレイヤーにとっては淳も茜も物語の登場人物に過ぎないので、淳の混乱の程度までは(少なくとも私は)感じ取れなかったのです。ここで、茜が病気で倒れてから浜辺で再会するまでの1か月弱を回想する描写があった方が、淳がいろいろと思い詰めてしまったことに対してぐっと説得力が増すと思うのです。茜と約束するシーンが淳の決心とラストシーンにうまくつながっていて綺麗な展開だったと感じるので、尚更納得感が欲しいところではありました。


いろいろと書きましたが、子供時代のなれそめや甘酸っぱい思い出を楽しみつつ、よくある恋愛ものよりちょっとだけ落ち着いた雰囲気と同時に驚きの展開を味わえる素敵な作品です。夜明けを迎えてエンドロールに入るのがとても気持ちいいのでぜひ読んでみてください。

それでは。

こんにちは。
今回はPetitさんの「怒ると死にます。」のレビューをお送りします。

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ジャンル:幼馴染系ラブコメ
プレイ時間:30分
分岐:基本一本道。ゲームオーバーあり
ツール:ティラノスクリプト
リリース:2020/5
備考:ティラノゲームフェス2020コメディ部門優秀賞受賞作


本作はタイトル通り、怒ると死んでしまう奇病に侵されたヒロインを救うため、主人公が奮闘する分かりやすいラブコメとなっています。

冒頭のシーンでいきなりそんなぶっ飛んだ設定を説明されて困惑する主人公の七見直(ななみ・なお)はちょっとひねくれた性格の持ち主です。人は結局一人で生き、一人で死ぬのだから人類皆孤独。友情とか、恋愛とかそんなものはまやかしだ。うざったい。
そんなことばかり言っているので幼馴染でヒロインの葵美喜(あおい・みき)の最初の台詞も「ナオは相変わらず酷い人」と散々です。


そんな直に対して美喜は序盤から好意丸出しで非常に分かりやすい。「怒ると死ぬ」という設定が強烈ですから、その他は王道というのがちょうどいいですね。
「愛」を得ることによって怒りゲージ(?!)の許容量を増やして死の危機から救われると聞いた彼女はもう直への愛を隠すことをしません(若干ツンデレ風味の台詞はありますが…)。
病院から帰ったその日の夜、美喜は直の部屋にやってきて、「明日デートしよう」と提案。対する直は、「あいつとデデ、デートだと!?」とひどい動揺ぶり。いやもうこれどう見ても両想いじゃん!
むしろ直の方がツンデレでは?


というツッコミは置いといてデート当日に進みましょう。
待ち合わせ場所で早々にナンパ男に絡まれている美喜。直はさらりと美喜を連れ出すことには成功するが、ナンパ男たちとけんかになり、またすぐに病院に逆戻りです。こんなデートは散々だー、と一度は思ったものの、美喜ちゃんに看病してもらってこんな表情まで見られるならこんなデートイベントもアリなのかな~と思ってしまいます。

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上のスクリーンショットをみて分かる方もいるかもしれませんが、本作のヒロイン美喜の立ち絵はLive2Dなので大きくアニメーションします。口パクだけでなく頭も揺らすし髪もなびく。ちょっと恥ずかしがるときに両手を口に当てるしぐさなんかも可愛くて良いですね。やっぱりアニメーションってコメディには特に威力を発揮するよなあと思います。



本作の笑えるポイントとして特徴的なのは、上のようなヒロインの可愛らしいシーンやちょっと恋人らしいシーンと、それを吹っ飛ばすようなギャグシーンの切り替えがスピーディーなところでしょうか。
特にドイツ帰りの医者が強烈でした。直と美喜が良い感じになりそうなところで何度雰囲気ぶち壊しの台詞を投げつけてきたことか! この急ハンドルを楽しめる方には特におすすめですね。ボイスの破壊力も満点です。
しかし医療器具を鼻に突っ込むのは医者としてどうなんだ! とだけ言いたい。



そんなこんなで色々ありつつ物語はエンディングへ向かうのですが、ここできちんと直が美喜を怒らせ続けてきたきっかけも明らかになって、そのうえで2人が前に進んでいけるのが気持ちいい内容です。直の言動は本当に酷かったですからね。あれは誰でも怒ります。外れ選択肢の台詞なんか口にした日にはラブコメ主人公でも彼女との関係が終わりかねないです…
そんな直がきちんと美喜に向き合っていくきっかけとなる出来事があるのですが、ゲームらしく非常に分かりやすい展開となっているのが良いですね。まああの人は現実では絶対にお近づきになりたくないタイプの人物ですが。


そう、本作の選択肢は落ち着いて読めばどっちが正解かは明らかです。普通の常識がある人なら心配ありません。しかしタイトル画面から難易度を上げて挑むと、制限時間が短くなったり選択肢が移動していたりして物理的に難しくなります。難易度によってシナリオの変化はありませんが、高難易度をクリアするとおまけのイラストが多く解放されるのでぜひ高難易度も攻略してみてください。




ちなみに、本作のBGMには誰でも1度は聴いたことがあるような超有名クラシック曲が使われています。
タイトル画面はチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番。本編が始まってからもショパンの子犬のワルツやモーツァルトのトルコ行進曲といった有名曲がいっぱい。それらの中でたまに曲名が分かると面白いネタが仕込まれていてそこも楽しいポイントでした。
病気を治すのに愛が必要だと言われたシーンではエルガーの「愛の挨拶」、時間切れで死んでしまった(ゲームオーバー)時はショパンの「葬送行進曲」、怒らせないように選択するところではヴェルディのレクイエムより「Dies Irae」(日本語で"怒りの日")など。選択肢を間違えたときにはモーツァルトのDies Iraeも使われていましたね。知っていればにやりとできるポイントでしょう。



というわけで今回は王道展開が楽しめるラブコメ、「怒ると死にます。」でした。
ぜひ美喜の機嫌を取りながらエンディングを迎え、幸せ全開のタイトル画面を眺めてください。

それでは。

こんにちは。今回はCALMFLAPさんの「私とあなたといた世界」のレビューをしたいと思います。

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ジャンル:学園恋愛ノベルゲーム(ややファンタジー)
プレイ時間:3時間
分岐:なし
ツール:NScripter
リリース:2012/8
備考:製品版あり



私が本作を最初にプレイしたのは今から大体5年位前だったように記憶しています。今回たまたまDLsiteを見ていたら本作のフルボイス版を発見したので購入して久々にプレイしてみました。せっかくなのでレビューとしてご紹介しようと思います(メインシナリオはフリー版ですべてプレイできます)。


まずはあらすじを簡単にご紹介。

主人公の中原美世子は高校1年生。以前は生きることに希望を持てずにただ生きているだけの状態だったが、天文部の西園和人先輩に出会ってからは人を好きになることを知り、世界が色づき、生きていく価値を感じられるようになった。そんなある日、向日葵畑で不思議な少女と出会う。記憶も身元も定かでないけれど神々しいほどの美しさを持つ彼女に夏美という名前を付け、交流を深めていく。
夏美の成長に勇気づけられ、美世子は和人先輩に告白することを決意するのだった…

こんな感じでしょうか。


本作が恋愛ゲームであることは間違いないと思うのですが、それに加えて夏美という不思議な存在が本作の核心に関わってくるのが面白い作品になっていると思います。

高校生ぐらいの見た目でありながら記憶も常識もなく空気も読めなかった夏美に対し、美世子はいろいろなことを教えてあげます。学校は勉強をするところ、部活の仲間たちがいること、……、そして何かを好きになるということ。最初のうちは美世子が和人先輩のことを好きと言っても全くぴんと来ている様子の無かった夏美ですが、美世子と一緒に学校に通い、和人先輩やその妹のエリちゃん、大野先輩ら天文部のメンバーと喋っていくうちに、楽しいとか嬉しいとか、寂しいとか、そして人を好きになることとはどんなことかを学んでいきます。
相変わらず空気は読めないままですが、様々なことを吸収して人間らしい感情を手に入れて成長していく夏美を見て、美世子も一歩前に進む勇気を手に入れていきます。このようにお互いに影響を与えて前に進んでいくのが気持ちいいんです。

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美世子は夏美を成長させていくことについてとても意欲的です。はっきりした感情の感じられなかった夏美が生きていくことの楽しみを知る過程をこうも献身的にサポートすることができたのは、美世子が和人先輩を好きになったきっかけに関係があるようでした。
母親によるネグレクトがあり、自分が生きていることに価値を見出せず、あらゆる物事を無視することで生き延びてきた美世子が初めて他人に受け入れられたという経験をさせてくれたのが和人先輩だったのです。ここで美世子は、何かを好きになるだけで世界がこんなにきれいに見えるんだということを学びます。本来は親が真っ先に与えてあげるべき経験ができなかった美世子ですが、和人先輩に出会えたことは運がよかった。
感情を持たずに生きていく絶望と、人を好きになることを知った後の希望を知っている美世子は夏美のことが他人事に感じられなかったのかもしれません。ここがかみ合って、登場人物がみんなで成長していける点は本作の魅力の1つとなっているでしょう。
ただ母親との関係が冷え切っていることについては分かりますが、現在一緒に暮らしている祖父母との関係がどうなのかが全く見えてこないのはやや残念に思いました。本来なら彼らがまず先に心のケアに回るべきだと思うんですがね…



そして終盤には美世子の告白シーンがあるわけですが、これが非常に印象的なシーンとなっています。
正直5年前にプレイしただけだったので細かい部分はかなり忘れていて、夏美の処遇や病院での出来事などは記憶になかったのですが、この告白シーンに関しては細部までほとんど覚えていました。

恋愛ゲームはこの世に数多ありますが、告白シーンにこれより時間を割いている作品が果たしてどれくらいあったでしょうか。さらっとかっこよく告白して晴れて恋が成就する作品が多い中、本作では美世子がどうやって決意し、勇気を振り絞って言葉を発しているかが克明に描かれています。生きる希望を与えてくれたような相手であるからこそ、軽々しく伝えられるような気持ちではなかったのです。私も心の中で夏美と一緒になって応援してしまいました。

そしてこの告白シーンになって初めて美世子の(正面の)イラストが登場します。この終盤の重要シーンで初めて主人公のビジュアルを明かす手法は作者さんの得意技なのでしょう。「彼女の嘘の止まった世界」や「箱庭のうた」でも同様の演出がありました。これもまた告白シーンのインパクトを高めているでしょう。
ちなみに「箱庭のうた」では若干世界観がつながっているようで、本作でも登場した大野先輩が大暴れします。いつもあんなにふざけているのに大切なところで適切なアドバイスをくれる、サポートに回ってくれるのが好きですね。本作でキャラクター的に最も印象深いのは彼でした。
そういえば「箱庭のうた」でこなみが着ているTシャツに夏美のと似ているものがありますね。関係あるんでしょうか? またセリフだけですがエリちゃん(西園妹)も登場してますね。



さて、最後に製品版の紹介をしておきましょう。
これまでのレビューの内容は全てフリー版に収録されておりフリーゲームとして完成していますが、本作にはボイスとおまけシナリオを追加した製品版が存在しています。ボイスの音質にやや難ありかなと感じましたが可愛らしい声ですし、おまけシナリオでは和人先輩についてのエピソードが読めます。夏美と”暗い世界”に関する補足もあるので、フリー版を気に入った方ならぜひプレイしてほしい内容となっています。


それでは。

こんにちは。今回は初めてシェア版を前提にした作品紹介をしたいと思います。
TetraScopeさんの「桜哉」です。

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オススメ!
ジャンル:SF乙女ゲーム
プレイ時間:フルコンプまで5~6時間
分岐:計6エンド
ツール:NScripter
リリース:2013/1
備考:18禁。有償作品(フリー版もあり、15禁)



TetraScopeさんと言えば全年齢対象のフリーゲーム「私のリアルは充実しすぎている」を以前このブログでも扱いました。シナリオもイラストも、音楽についてもハイクオリティで素晴らしい作品でした。その時に、ああこのサークルさんは18禁シェアゲーも出してるんだなと思っていたのですが、今回ついに購入してプレイしてみました。期待度は高かったのですが、実際にプレイしたところそれを優に上回る衝撃を受けたので今回初めて有償作品の紹介をしようと思い立ちました。

特に物語の余韻の強さ、そしてテーマ性という部分で私がこれまでプレイしてきた作品たちの中で5本の指には入ると感じました。気になる方は下の私の文章なんて読まなくていいのですぐに上のリンクから作品ページに飛んでダウンロードしてください。


物語の舞台は現代から数百年後、人型のロボット(アンドロイド)の開発が進み、接客業の多くを代替するなど広く普及しています。主人公の九条茜(名前変更可)は亡き父が開発したアンドロイド、桜哉と2人で生活しています。しかし桜哉は定型的なやり取りしかできず感情も持たない一般的なアンドロイドとは一線を画す存在で、外見や触った感触、会話内容でもアンドロイドとは分からないほどよくできており、人間らしい感情も持ち合わせています。
高校卒業以来数年ぶりに会った幼馴染の上村榛(うえむら・しん)には、ぜひ桜哉の研究がしたいから会社で買い取らせてくれと請われるが、もはや家族同然の存在と感じられる桜哉を物のように売り払ってしまうような話は当然拒否。榛にも、もはや桜哉はアンドロイドを超えた家族、友人として見てくれないかと交渉するが榛の態度も強硬。榛には「桜哉が好きなのか?」と問いかけられる。
幼いころから余りにも当たり前に隣にいた桜哉。彼のことを自分自身でどう思っているのか深く考えるのは避けてきたが、この問題に決着をつけなければならない時が近づいています。桜哉は人間なのか、アンドロイドに過ぎないのか。そして人とアンドロイドは愛し合うことができるのか?。


本作のおよその内容は上の通りです。それでは本作のどこが素晴らしかったのか説明していきましょう。

まずは上にも貼ったタイトル画面の段階でSFの世界観がすごい。CONFIGやEXTRA内のフローチャートなどもスタイリッシュですね。BGMも透明感があって、広大なサイバー空間に解き放たれたような気がします。UIや背景、音楽などの要素で未来感のあふれる世界観を作り出せるのはさすがです。


作品の中身、シナリオに移りましょう。
先述した通り、本作は”人とアンドロイドが愛し合うこと”がテーマとなっています。この重厚なテーマがありながら乙女ゲームとしてのエンターテインメント性はしっかり確保されています。
まずは攻略対象となる桜哉。イケメンかつ可愛らしい。そして茜のことが好きなのが見ていてすごく伝わってきます。本作は物語開始時点で主人公の茜と攻略対象の桜哉は同居しているので、積み上げられた信頼感のようなものが既に存在しているのです。

しかし物語前半におけるこの感情は恋人同士という感じではありません。長く同居しているからそういう雰囲気というよりは家族に近いというのもありますが、この時点では茜も桜哉も「人とアンドロイドが恋愛するものではない」という意識をふんわりと抱えています。はっきりとそう意識しているわけではないというのがミソで、物語中の出来事に影響されて意識させられるようになる、そしてお互いへの認識が変化していくというのが上手いんです。


SFなどの世界観が現代でない物語で登場人物たちが抱く感情は、当然その世界での常識や世情が反映されたものになります。本作においてはこの部分もきちんとプレイヤーに伝わるようになっています。例えば3章、カラーズランドへ桜哉・榛と3人で遊びに行くときです。入場時にアンドロイドへいちゃもんをつける人間の存在、あるいは人間対アンドロイドでの事故発生時の扱い。こういった状況が自然に挟み込まれることで作品世界への理解が深まり、プレイヤーの意識はより主人公に近い形へと向かっていきます。

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アンドロイドに対する愛好派と反対派の抗争が存在するという現実は、茜に嫌でも桜哉がアンドロイドであることを意識させ、物語終盤に至るまで何度も考えていくことになります。人工的に作り出されたことに間違いはない桜哉。しかし一般的なアンドロイドとは一線を画すほど人間らしく、事実茜と榛以外の人にその正体がバレたことはありません。そんな桜哉ともう何年も一緒に暮らしている茜にとっては、ただのアンドロイドとは到底思えないのです。

そしてこの問題をさらに複雑にしているのは春樹という人物の存在でした。茜と榛の幼馴染としてかつて親しくしていた春樹でしたが、幼くして亡くなってしまいます。彼の母親の強い希望で、医学と工学に通じていた茜の父が生み出した存在が桜哉なのでした。
幼いながらも春樹に恋心を抱いていたかつての茜。オリジナルの肉体は死んでしまったけれども意識を引き継いだ存在として現に生きている桜哉。その複雑な状況の前で榛は茜に「桜哉の中に春樹を見ているのか」という問いを投げかけます。茜は今生きている桜哉が好きなんだと即答することができないのでした。


物語が進むと桜哉はアルバイトを始め、徐々に茜・榛以外との関係を築いていくようになります。
事情を知らない人から見れば人間にしか見えない桜哉はそのルックスの良さからたちまち人気を集めていきます。そんな桜哉をみて茜は焦り、そして気付いていくわけです。「あれ、私嫉妬しているのかな。桜哉のことを異性として好きなんだろうか?」と。


そんな嫉妬やすれ違いを乗り越えて迎えた7章。本作の18禁たる所以のシーンがあります。
この描写が本当にえっちなのに上品で上品で…。桜哉が茜をいたわってくれているのが本当に良く分かります。
なんせ前回プレイした18禁が「スレガル」ですからね(方向性が違いすぎて比較できない)。
こんなに愛にあふれて見ているこっちまで幸せになるようなえっちシーンあるんだ~、思っていたのより3倍エロかったなぁ~


などと思いながらメインルートを完走。過去回想も大変気持ちよく感動的な仕掛けになっています。エンディングムービーで桜哉と博士(桜哉を生み出した張本人)の対話が見られる演出も非常に効果的。
「君は人を愛することを知ってしまったから
愛されることを、望みたくもなるだろう」
作中で常に問いかけられていた、人とアンドロイドが愛し合えるかという問題に、こんなに幸せな回答を示してくれました。
たっぷりと幸福な気分に浸りながらおまけシナリオなどを読んでいきます。

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ちなみに最後の選択肢によって結末はEND1とEND2に分岐します。桜哉をより深く理解していた方がよい結末を迎えられる、とても納得感のある分岐です。ぜひ両方読んで、桜哉が何を思っていたのか、自分についてどう考えていたのかを感じ取ってください。


一応本作をプレイして気になる点を書いておくと、アンドロイドが普及している点以外で舞台の未来っぽさが感じにくかったことでしょうか。アンドロイドの普及とそれに伴う社会の変化や世論についてはしっかりと触れられますが、現代から数世紀後の話という割に榛は車を手動で運転していますし、本屋の様子も現代と変わらないように思えます。



…といろいろ書いてきましたが、この時の私は本作の本当の顔に全く気付いていなかったのです!



フローチャートを見れば、本作には6章以降、another routeが存在していることが分かります。それも結構な分量です。メインルートを読んで、榛だけ報われてないな~と思っていた私は、彼が何らかの形で望みを叶える展開はないだろうかという希望を持ちながらこのアナザールートに突入していくことになります。結果的に私の期待は良い方向に裏切られました。



アナザールートに入った私はEND3~5をまず回収。どれも過度にドラマチックでない自然な展開で、プレイしていてスッと受け入れることができました。自分だったらEND4あたりで平穏な結末を迎えている気がするなあと思ったりもしました。この、「言葉には出さないけど確かに存在している信頼感、むしろ明言すると儚く消えてしまいそうなこの関係性」が素晴らしい。私のツボです。


さて、最も入るのが難しかったのはEND6のルートです。このルートでは、榛が思い切ってプロポーズしてきたのを受けることになります。メインルートとは違い榛と繰り広げられる18禁シーン。このころの私はまだ、(ああ、販売サイトにあったサンプルスチルまだ見てないもんな、こっちのルートにあったんだなあ)、などと考える余裕がありました。しかしその後私は衝撃のあまり満足に声も出せなくなってしまいます。

榛との行為中に家に帰ってきてしまった桜哉。3人の間に気まずい空気が流れます。とりあえず榛には帰ってもらいますが、表情を失った桜哉が怖い。衣服もはだけたままの茜。私はこの状態でも辛いなと思っていたんですが、何と桜哉はそのまま茜との行為に及んでしまいます。私は意味をなさない声を上げて驚きます。(なんで?そんな展開あり??桜哉どうしちゃったの???)

しかもこのシーンが長いこと長いこと。体感でメインルートの倍くらいあった気がします。
私はこの衝撃を受け止めきれないまま物語は最終章へ。そこで桜哉から投げかけられるある願い。茜は冗談と笑って返したあの台詞。その意味するところを理解した私は絶句し、涙し、震えることになりました。
正直、私は本作が18禁であることの意味を甘く見ていました。しかし本作で描かれる桜哉の胸中、アンドロイドであるが故の葛藤はそんな生ぬるいものではありませんでした。18禁シーンを通すことでしか表現できないこの切ない結末を私は全く予想していなかったのです。

以後、核心に関わるネタバレがあります。OKな方のみクリックして閲覧してください。

クリックで展開(ネタバレあり) 桜哉はあの瞬間、この世界に絶望してしまったのです。
茜が自分以外の男性と行為をしていたからではありません。茜と榛、人間と人間が行為をすることによって生まれる快感であったり、新たな命であったり。桜哉は茜と行為をしてみて、自分にはその快感を得ることは不可能であり、茜を生物の本能の部分から満足させる能力が存在しないことに気付いて絶望したのです。

私は”人間とアンドロイドが愛し合えるか”が本作のテーマになっていると述べました。他のENDでも十分に表現されていると感じましたが、ここまで深い意味で、ショッキングな結末をもって描かれるものだとは想像もしていませんでした。本当にこのテーマが作品全体で一貫していて大変印象的です。
まさに、18禁だからこそ描けるテーマ性。私がフリーゲームの森というタイトルを掲げながらブログで有償である本作を扱った理由はそこにあります。桜哉との時と榛との時で茜の様子の差異も丁寧に描かれている。先ほど思っていたより3倍エロかったなぁ~とかいう何も考えていない感想を書きましたが、そのシーンは単にえっちなだけでなく、このテーマを語るのに必要不可欠だったわけです。ここが本当に感動するポイントで、私はこういう作品が大好きです。
単純にエロシーンがあるだけの作品もそれはそれでありですが、そのシーンが今後の展開や作品のテーマに必然性を持って絡んでくると作品の奥深さが段違い。名作と評するのに十分な理由です。



1つだけ惜しいと思ったのは「第一原則」などの用語です。作品を通して幾度となく出てくるこの言葉は、ロボット工学三原則の第一条を意味していると思います。「Campus Notes vol.2」などでも登場しましたね。榛に自分を壊してほしいと依頼した桜哉は、自分ではできなかったと語ります。生への執着と作中では説明されますが、散々ロボット工学三原則を引用してきたなら、ここは第三原則に違反するからとしておいたほうがきれいだったのではないでしょうか。


しかしそんなのは些細な問題です。桜哉の悲痛な叫びが聞ける車内でのあのシーンへの入り方が完璧。味わうようにゆっくりプレイしていると、直前で始まったエンディングテーマの歌詞が入るタイミングで桜哉の独白が始まります。

sakuya4
この「よかったね」にどんな感情が込められていたのかがこれ以上ないくらい雄弁に語られるこのスチルと表情。
「やっぱり、羨ましかったのかもしれない」
「茜のことを、人間の女性の本能の部分まで満たしてあげられる、能力が」

「アンドロイドとしての俺を、愛してもらいたいんだ」

何という重い言葉でしょうか。
初見でプレイしていた時は全くそんな余裕もなく流していたエンディングテーマの歌詞ですが、聞き込んでみると桜哉の心情をそのまま表現していて心を打ちます。
それでもまだ 近づきたい
強まっていく気持ちは
君のものと同じはずなのに
別の、違う色に見え

そして戻ってきたタイトル画面でまた泣かされます。美しすぎる。こんな幸せな未来が…あったのだろうか。

この結末が分かったうえで再度END6のルートをたどってみると、確かにお互いの理解がすれ違っていくような選択を重ねていった結果であることが納得できるんです。後から選択肢と分岐の正当性がこんなに感じられる作品も珍しいと思いました。


ちなみに本作のサウンドトラックは公式サイトから購入者限定で無料でダウンロードできます。
しかもボーカル曲についてはカラオケ版とイラスト付き歌詞カードもついてくるという豪華さ。見逃さないでくださいね。

また、同じところから、本作の5年前を舞台にした「Sweet Present for Shin」もダウンロードできます。
榛に予想外の人気が集まったことから作られたおまけ過去話であるということです。本作を気に入った方はこちらもぜひ!

私はプレイしながら、「バレンタインテロリズム」の及川颯太を笑えないレベルで榛のフラグを折りまくっている茜に笑ってしまいました。榛も恥ずかしくなって赤くなったりしちゃうんだなあ。


以前レビューした同サークルの「私のリアルは充実しすぎている」についてはフリーゲームですので、何と無料でボーカル曲のダウンロードができます。こちらもカラオケ版と歌詞カードつき。
firstcomplex」も購入者限定でサウンドトラックがダウンロードできます。


本当に素晴らしい作品でしたので、ぜひ多くの方にプレイしていただきたいなと思います。まずはフリー版だけでも物語として十分まとまっていますので気軽に手に取ってみてください。
そして気に入った方は、フリー版では決して描けない、18禁だからこその感情の動きとテーマ性を製品版で味わってください。私がなぜここまで熱烈に語ったのか、その理由を分かっていただけると思います。

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