フリーゲームの森

フリーゲームのレビューブログです。 ノベルゲーム・アドベンチャーゲームを中心にお勧めの作品を紹介します。
初めての方は、ぜひごあいさつをご覧ください。評価の基準については、レビューについてに記してあります。
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音楽・BGM

こんにちは。

先日Twitterを眺めていたら、MusMusさんの「子供部屋の夢」というフリー音楽素材の説明文が感動的、という趣旨の投稿が流れてきました。

原文にサイト名もリンク先もなかったので、紹介する意味を込めてリンクをつけて引用したところ、私がこれまで書いたどのブログ記事やツイートよりも拡散される事態に。


というわけで2年半ぶりに私が好きなフリー音楽素材について語っていこうと思います(以前の記事はこちら。特定の仕方編/ボーカル付き編/オルゴール曲編)。今回は素材のタイトルや説明文が良いもの、私が出会ったゲーム内での場面とぴったりマッチしているものをチョイスしています。



おそろい(もっぴーさうんど)

これまでもブログに何回か登場していますが、説明文がよかった曲としてまずはこの曲が浮かびます。
私がこの曲に出会ったのはまゆげさんの「まい、ルーム」のエンディングです。詳細はレビュー記事に譲りますが、この作品ではとにかく双子のマイとメルの悲しい絆が魅力的です。そして最後にとっても優しくてかつ寂しげなオルゴール曲が流れてきて大変印象的だったため調べたところ、この曲にたどり着きました。そこにあった説明文はこんな感じ。
そばに居てくれることの喜び。一緒に居ることの幸せ。
たったこの1行ですが、ゲームをプレイした感動、印象的な音楽とともに私の胸に深く刻み込まれたのです。その後「乙女ゲームのヒロインになったのに親友が邪魔すぎて攻略ができません!」(Shadow's Silhouette)や「つばさヘブン」(cream△)などの作品でも耳にすることになり、大好きな曲の1つとなりました。

さよならさんぽ(居月ナオ)

この曲は以前、「お地球見の丘より。」というサイトにて公開されていました。残念ながら現在は閉鎖されていますが、現在作曲者さんはYouTubeに活動の場を移しており、本楽曲もYouTube上で公開されています。動画を見ると、本楽曲は亡くなってしまった愛犬のカレンくんとの別れを偲んで作曲されたものと分かります。散歩が好きだったカレンくんは、亡くなる直前の体調が悪い時期も散歩をしたがって顔を出してきた。一度くらい首輪も外して自由に駆け回らせてあげたかったなあ、という内容で、これだけでも十分心動かされる曲です。
さて、私がこの曲に出会ったのは、むきりょくかん。さんの「Normalize Human Communication」(原作Flash版)でした。骨髄移植手術のために明後日から無菌室に入ることが決まっている鈴乃。手術が失敗すればもう病院の外を歩く機会は永遠にないであろう彼女は、ささやかな反抗として深夜の院外散歩に出ます。そのシーンでかかる楽曲がこの「さよならさんぽ」なのです。まさにぴったりとしか言いようがありません。私が本当に好きなシーンであり、楽曲であり、ゲームです。

窓の外の雪(audioAtelier)

私がこの曲に出会ったのは、水無月恵さんの「君とサクラを」です。基本的には脱出サスペンスで緊張感の漂うシーンの多い作品ですが、この曲がかかるとゆったり落ち着いた気持ちになれました。窓のない閉鎖病棟から、少しでも外を想像しているのかなあと感じられ、曲想も好きだったのでDLして良く聞いていました。
そして次に出会ったのがmint wingsさんの「クリスマス*フラワー」です。タイトル通りクリスマスのお話で、ラブラブな2人のデートの様子を眺める幸せな短編です。最後に雪が降ってくる場面でちょうど本楽曲が流れてきて、「お~この曲知ってる!! タイトルもロマンティックな雰囲気もピッタリだよね~」と思っていました。なお途中のシーンで流れるTAMさんの「聖夜」もピッタリで良く印象に残っています。

届かなかった願い(ポケットサウンド)

この曲は、★Blue Cometさんの「クロノスの箱庭」のタイトル画面で使われている曲です。こちらも以前レビュー記事を書きました。何度ループを繰り返しても親友である日奈太が死んでしまう。彼の願いは届くのか…という内容にピッタリのタイトルとなっています。
実はこの曲に関しては私が自分で気付いたのではなく、レビュー記事を読んだ作者の深嶺ユミアさんが直接コメントで教えてくれました。自分で気付きたかったなあと少しだけ悔しい気持ちがありつつも、該当記事のみならず過去の音楽素材関連の記事なども見ていただいたうえで私が興味を持ちそうな情報としてわざわざ教えていただいたことを大変うれしく思います。

葉桜になっても(TAM Music Factory)

mint wingsさんの「ココロ、そらいろ。」で出会った曲です。この作品もレビューを書いているのでゲームの詳しい内容はそちらに譲ります。
保健室登校で得た仲間たちに力をもらい、前向きになった主人公のいつき。彼は中学校の入学式で、周囲の孤立していそうな子にも気をかけられる程にまで成長していたわけですが、そのシーンでかかる曲がこの「葉桜になっても」です。入学シーズンに咲く桜が、花の時期を過ぎて葉桜になっても一緒に前向きでいられるような、そんな想像をさせてくれる素晴らしい曲とタイトルでした。背景写真などの演出も込めて好きなシーンです。

番外編・歪んだ想い(Studio神無月)

ここまでに出てきた曲は全て無料素材でしたが、本楽曲については有料素材になります。DLsiteにて販売中の素材集、著作権フリー素材集 Vol.26 和風・神秘的系ADV素材 BGM20曲 WAV+ループOGGの11曲目です。私がこの曲を初めて聴いたのは、ペットボトルココアさんの「かげろうに咲く花」のタイトル画面です。以下、若干のネタバレがあります。
クリックで展開 ゲームを起動するとすぐこの曲を聴くことになるのですが、同時に表示される女の子の絵がとても可愛らしいんですよ。ゲームの内容も、車にひかれたはずの妹の陽菜が復活して帰って来た! 失った時間を取り戻すように楽しく遊んでるぜ! のようなほのぼの系のシナリオ。タイトル画面で抱いた妙な違和感なんてすぐに忘れてしまいます。
しかし物語がエンディングを迎えてタイトル画面に戻ってきたとき、この楽曲とタイトルがいかに本作の内容を示唆していたかを思い知ることになるのです。イラストの構図もBGM選曲も完璧。曲想がピッタリなのはすぐに感じましたが、素材となっている本楽曲を見つけて「歪んだ想い」というタイトルを見たとき、作者さんには本当にしてやられたなと深く印象に残りました。
10分程度の短い作品なので、ぜひプレイしてほしいなと思います。


今回はこんなところです。
楽曲そのものが好き、と言うのに加えてゲーム内での使われ方だったりタイトルや説明文であったり、そういった周辺情報があると記憶への残り方が本当に違います。物語性が生まれるとただの点だったのが線になって面になって、より強固に脳みそに刻まれる感じがします。
他にもこんな素敵な楽曲あるよ! という情報提供もお待ちしてます。皆さんの好きな曲を教えてください。


それでは。
次回は通常のレビュー記事となる予定です。

こんにちは。
以前思い出のフリー音楽素材(ボーカル入り編)という記事で、私の印象に残っている音楽素材と、それの使われていたゲーム内の場面についてお話ししました。その時予告した通り、また違う曲について書いていきたいと思います。今回はオルゴール曲編です。楽器の音色からしても優しい感じの曲が多いですが、これが私の好みに合うんですよね。


fokaさんの「someday we find colorful world」

この曲はむきりょくかん。さんの「ほしのの。」のエピローグで使われていた曲ですね。この曲についてはこちらの記事で十分触れたので、またかよと思うかもしれませんが、それだけ好きなんだという風に思っておいてください。

TAM Music Factoryの「花夢」

この曲は私が気付いて収集した中で最も多くのフリーゲーム(作者ばらばらの4つ)に使用されている曲です。とりあえず列挙しましょう。
どの作品でも、登場人物に大きな心の動きがある大事な場面で使用されている印象があります。やっぱりTAMさんの曲ってすごく安心感がありますよね。かなり昔から続いている配布サイトですし、聴いてきた回数もかなり多いですからね。2000年代のフリーゲームだと、ほとんど全部TAM Music FactoryのBGMだな~なんて思える作品もあります。

もっぴーさうんどさんの「おそろい

この曲は、本ブログでも紹介したまゆげさんの「まい、ルーム」のエンディングコンプ後タイトル画面で使われている曲ですね。あんまり語るとシナリオのネタバレになりかねないのですが、やはり物語の結末、読後感との相性が抜群でした。ちなみにこの曲の印象は強くて、私が「まい、ルーム」をプレイした3年後にプレイしたShadow's Silhouetteさんの「乙女ゲームのヒロインになったのに親友が邪魔すぎて攻略ができません!」でも同じくエンディング回収後のタイトル画面で使われているのにすぐに気づき、驚くとともに再度の感動に包まれました(ただし現在は公開停止。残念)。
DOVA-SYNDROMEでのこの曲の紹介文「そばに居てくれることの喜び。一緒に居ることの幸せ。」、この文章が本当に良い! 両作品の世界にぴったりでめちゃくちゃ好きです。

音楽の卵の「ミルクティー(オルゴール)」

この曲については、どこで初めて聴いたか思い出せないんですよね…。でも好きなので載せてみました。私が覚えている限りでは、POPODOTさんの「雨色ビスケット」と、じゅげさんの「St.ChocolateDay」で使われていました。どちらもタイトル画面ですね。多分他にもいろいろなところで聞いた気がするんですが……思い出せません…
音楽の卵のtakaiさんの曲はどれも結構好きなんですが、この曲は聞く機会も多かったのもあってか特に好きですね。ピアノ版のページには楽譜も公開されているので、絶賛練習中です。ちなみに連弾とかではないのに五線が3つからなる楽譜になってます。なるほど曲後半のベースラインになっている持続音が他より1オクターブ低いので左手の16分音符の伴奏と譜表を分けたんですね。以前とある合唱曲の伴奏をした際に最大で五線が5つもある部分があったので、3つではビビらなくなってきました。あと出だしの1拍がアウフタクトではなく1拍だけの小節になっているのもなんか合唱の楽譜っぽさを感じたりしました。

魔王魂の「オルゴール06

この曲は、Dominion's Restの「しりとりクエスト」シリーズでたびたび使われていました。この作品では試行錯誤の結果に伴う多様なエンディングと、その回収具合によってだんだん開いていくおまけ要素が楽しめました。寸劇やキャラ設定などに並んでよく登場したおまけに「勇者歌謡」があり、そこで主人公の勇者くんがこの曲で歌っていたのが印象に残っています。ほかの曲もいろいろ使ってたはずなのに、なぜかこの曲を使った大根踊りの回だけ覚えてる…

番外編

ranaさんの「風花のテーマ-orgel ver-」

この曲は、妹れっぐぅおーまーさんの「風のように、花のように」のタイトル画面で使われている曲ですね。主人公の風花をイメージした元気な曲の、オルゴール編曲版です。原曲とすっかり変わってしっとりした雰囲気があります。この曲も結構好きでよく聴きます。 さて、この曲は作品オリジナルであり、フリー素材として配布されているわけではないので番外編扱いにしています。しかしサウンドトラックが無料で配布されていたので、他の素材と同じ感覚でダウンロードし、音楽プレーヤーに入っています。現在ではサウンドトラックのほうは配信終了しているようで残念です。ゲーム内の音楽鑑賞モードかニコニコ動画での試聴で満足しておきましょう。


さて、今回はこんなところにしておきます。
ちなみに余談なのですが、前回音楽の話をしたときに、oo39ドットコムのys067という曲が耳から離れなくてヤバいという話をしましたが、最近ys201というさらに中毒性の高い曲が追加されているのに気が付きました。ずっと聞いてると変になりそうですが、ys067が好きな方にはおすすめです。

それでは。

こんにちは。先月、フリーゲームに使われている音楽素材を集めて聞いている話をこちらの記事にしました。その時は、ゲームをプレイして気に入ったBGM素材の特定と収集の仕方のコツなどをメインにお話ししました。あの記事を書いていて思ったのですが、思い出深い曲はどんどん思いつきます。そこで今回は、そんな曲たちとその個人的な思い出を紹介していこうということにします。いろいろ長くなりそうだったので、今回はボーカル入り編と題して、主にエンディングテーマに使われた曲について話していきます。素材限定ということで記事にしているので、素晴らしい書き下ろし曲の作品などは含まれていません。

ツクエノウエ/fokaさんの「あたりまえ かわりばえ」

まず外せないのはこの曲です。この曲は、むきりょくかん。さんの「ほしのの。」(原作Flash版)のエンディングテーマとして使われていました。ほしのの。自体も素晴らしい作品で大好きなのですが、私がこの作品をプレイして涙が流れたのはエンドロールでこの曲を聴いた時でした。この明るい歌声とメロディー、そして気付きをテーマとしたという歌詞。これらがぴったり組み合わさってシナリオの世界観をばっちり表現していて大変見事でした。
「そうよ私は負けられない いつだって飛び込んでく 出会い続けること愛すること♪」
「揺れるよ響くよ私の声 歌うようにそばに居続けるわ~♪」
ヒロインの榛奈の作中での状況や性格、主人公結城との関係などを表しているとしか思えない歌詞たちに、私はこの曲に着想を得てシナリオを書いた(あるいは執筆中に聴いて影響を受けた)のではないかと思っていたのですが、どうもこの曲を見つけたのはシナリオ担当の吉村麻之さんが執筆を終えた後だったようです。それでよくこんなにピッタリな曲があったなあと驚きました。ちなみに着想を得た曲は全く別で(しかもフリー素材とかではない)、坂本真綾さんの「紅茶」だということです。このあたりの話はむきりょくかん。の膨大な量の日記のどこかに書いてあります。

fokaさんの「カラフル」

同じくfokaさんの楽曲です。こちらはNaGISAさんの「ゆめいろの空へ」でエンディングテーマとして使われています。こちらもゲームの世界観と曲の雰囲気がぴったりマッチしていて大変素敵でした。NaGISAさんというと1000本以上のレビュー記事を書かれているフリーゲームレビュワーの大先輩で(私のこれまでのレビュー記事数は20です。そろそろレビュワー名乗ってもいいかなと思うようになってきました)、レビューのイメージが強いですが、自身でのノベルゲーム制作もされていて、丁寧なシナリオ構成としっかりした心情描写が魅力的な方です。
さて、「ゆめいろの空へ」のエンドロールでこの曲を聴いたとき、前奏を1小節聴いただけで「あ!、これは『カラフル』だ!!」と気付きました。この曲は、先の「ほしのの。」の冒頭で榛奈が歌っているのです(歌詞が引用されるのみ、また原作Flash版のみ)。「あたりまえ かわりばえ」と同じ作曲者の曲ということもあってよく聴いていた曲なので、歌詞もメロディーも完全に頭に入っており、エンドロールは一緒に口ずさみながら見ました。こんな経験はこれ一度のみで、よく記憶に残っています。

魔王魂/森田交一さんの「Feels happiness

私がこの曲を初めて聴いたのは、ベルカゲさんの「緑の姫君」です。このゲームは乙女ゲームなのですが、攻略対象ごとにエンディングが3系統に分かれており、そのうちのハッピーエンドで使われていた曲です。選択肢をちょっと間違えただけでなかなかハードなことになってしまうシナリオだったのですが、無事ハッピーエンドに到達しこの曲を聴いたとき、ああ頑張ってよかったな、という気持ちにさせてくれました。魔王魂は最近サイトがリニューアルして、新サイトではこの曲は公開されていないっぽいのですが、曲名でGoogle検索をかけると旧サイトがヒットし、そこからダウンロードは可能です。2分余りのショート版、6分あるフル版、それぞれのカラオケ版なども公開されているので気になる方は試してみてください。(今週の記事執筆開始時点ではまだリンク生きてたんですが、今確認したら消えてますね……悲しい)曲はすごく幸せな感じがするいい曲ですよ。
ちなみに、緑の姫君のスピンオフ作品「緑のRPG」では、エピローグでこの曲のピアノ編曲版が登場。この演出がいいですよね。こちらの曲は新サイトで公開中です!

(10/20追記:10/15付けで再公開されているのを確認しました。緑の姫君で使われていたものとは編曲が違いますが、こちらも素敵ですよ。)

こんとどぅふぇ/HiLiさんの「わたしのだいすきなもの

この曲とは、POPOさんの「雨色ビスケット」で出会いました。このゲームはPOPOさんの最初の作品ということで非常に短く、そして曲は長かったためゲーム本編のプレイ時間に比してエンディングテーマが半分近くあるという、なかなか見ない時間配分になっていました。その影響もあって印象に残ったこの曲ですが、やはり良いのはゲームのメルヘンチックでかわいらしいイメージと、曲の持つ雰囲気・歌詞が一体化しているように感じられたことですね。私はもともと童謡も結構好きでして、この曲の持つ無邪気な感じや日常の幸せの表現にハマったというのもあります。
ちなみにリンク先は今年公開されたリメイク版で、ゲームで使われていたものは2015年公開のためやや異なります。さらに蛇足なのですが、この作曲者さんの名前って、"ひぃ"と読むんですね。今回調べなおして知りました。

DOVA-SYNDROME/龍崎一さんの「一年に一度のいちごふぇすてぃばる

この曲は、misosioさんの「お前のスパチャで世界を救え」で挿入歌として登場したのを聴きました。とにかくいちごが好きなんだなあと思っていたら、最後の「これと同じものをあと3つお願いします」のインパクトが強くて吹き出してしまいました。さて、このゲームでは前回の記事でも書いたyukiさんの「いちごホイップ」も使われているので、なるほどそこをいちごで揃えてくるのか、気付くとちょっと面白いネタだなあと思いました。プレイ後に曲を探そうと検索をかけると龍崎一さんの名前が出てきて、この方の「愛の歌」と全く印象の違う曲だったのでちょっと意外に思ったのも覚えています。こちらは、mint wingsさんの「私は今日ここで死にます。」のエンディングで使われていた曲ですね。mint wingsさんの作品では毎回必ず音楽鑑賞モード・スチル鑑賞モードがついているのが素晴らしいです。

番外編

oo39ドットコムの「ys067

このサイトでは曲名はなく番号付けで曲が公開されているので、このタイトルだけ見てもどの曲かわかる人はほとんどいないと思います。わからない方はぜひリンク先で曲を聴いてみてください。1回聴いただけで頭にこびりついて離れなくなること間違いありません。何といっても歌詞が架空言語のハナモゲラ語。そしてこのとにかく陽気な曲調。私がこの曲を初めて聴いたのはおそらくアーケー道の「RAIN DROP」(Flashゲームのため現在プレイ困難。ChromeにRuffle導入で私の環境では動きました)です。シンプルな落ちものパズルに延々とこの曲が流れるので、もう頭の中が完全に支配され、プレイを終えた後もしばらくはずっと脳内再生されていました。


というわけで今回は、好きな音楽素材についての話でした。また今度、ほかの曲についても書きたいと思ってます。来週は通常通りレビューになると思います。

それでは。

こんにちは。
以前Twitterで、フリーゲームのBGMに使われている素材の探し方みたいなことをつぶやいたら思ったより反響があったので、今回はBGMについて思いついたことをつらつらと書いていこうと思います。
始めに書いておきますが、今回はかなり長いです。素材特定のコツだけ教えろよ!という方はこちらからどうぞ。

私は小学校から高校に通っている間ピアノを習っており、大学では合唱団に所属して合唱にも取り組みました。そんな私が聴く音楽は主にクラシックのピアノ曲か合唱曲でした。すごく熱心にやっていたというほどではないですが、どちらもそれなりに楽しくて続けています。ちなみに演奏経験のある好きな曲はR.シューマンの「子供の情景」より13曲目「詩人は語る」や、高田三郎の混声合唱組曲「水のいのち」より1曲目「雨」、G.マーラーの交響曲第8番(通称「千人の交響曲」)などです。自分では難しすぎて絶対弾けないけどあこがれるのはF.ショパンの「英雄ポロネーズ」、弾きたいしそのうち練習しようと思いつつ全然練習に取り掛かれてないのは同じくショパンの「華麗なる大円舞曲」です。

そんな私がその他の音楽を聴くようになったきっかけは間違いなくむきりょくかん。さんの「ほしのの。」との出会いでした。「ほしのの。」については今度じっくり記事を書くとして、今触れたいのは使われていた音楽です。この作品(原作Flash版のほう)は2007年公開と古い作品なのですがエンディングテーマがボーカル付きです。fokaさんの「あたりまえ かわりばえ」という曲でして、この曲の歌詞とメロディーがとにかくシナリオの雰囲気とぴったりマッチしていることに感動してしまったのです。作品クレジットからfokaさんの楽曲であることを知るとすぐさまサイトに飛び、速攻でダウンロードしてずっと聴いていたのを覚えています。それ以来、プレイしたフリーゲーム内で気に入ったBGMがあると素材を探し出して鑑賞するのが一つの趣味となりました。そんな感じなので、クリア後に音楽鑑賞モードのある作品はそれだけで私の中の評価レベルが1段階上がります(笑)
最近のフリーゲームはかなり力を入れて作る方も多く、BGMも素材は使わずに作曲してオリジナルを使っているものもありますが(もちろんそうした作品も凄いと思いますし、音楽のクオリティーもとても高いことが多いです)、素材を使った作品だとプレイ後にBGMを収集してきて鑑賞するといったことがしやすいですし、「これはあの作品にも使われていた曲だ!」みたいににやにやすることもできるわけです。

自作曲の場合はサウンドトラックまで用意されているような作品もあり、その場合はかならずチェックします。必ず買うとは限らないのですが、BGMから場面が思い起こせるような印象的なものがあったら買うようにしています。ちなみにサウンドトラックまで無料で提供されている作品も数は少ないですがありました。私がプレイした中で知っている範囲では、妹れっぐぅおーまーさんの「風のように、花のように。」(ただし現在ではサウンドトラック配信は終了している模様? ニコニコ動画で試聴は可能。作品自体はまだ公開されているがダウンロードリンクがリンク切れになっているところも多い。また、作品は全年齢だがサイトは18禁作品を含むので注意)とFour Leaf Studiosさんの「かたわ少女」(注:18禁)です。みやのさんは、ニコニコ動画でBGM集を投稿されていますね。

さて、プレイした作品内の素材BGMすべてを収集しているわけでは当然ないのですが、それでもこれまでに集めた素材は100曲を優に超え、曲を集める際のコツみたいなものも少し掴んできました。この、フリーゲーム内に使われているBGM素材を探すコツについては需要がありそうな感じがしたので、いくつか書いてみますね。
  • 当然ですが、まずは作品ReadMeやクレジット表記を読む。曲名まで書いてあれば特定は簡単。
  • クレジットに楽曲提供者や配布サイト名のみしか書いていない場合
    • 探したい曲を分かる範囲で良く調べます。
    • 楽曲の長さは有効な絞り込みの条件になることが多いです。作品内でそのBGMがかかる場面でプレイの手を止め、ストップウォッチで大体何分何秒の長さがあるか調べましょう。ループ素材の場合はどこまでが1周なのかわかりにくい場合がありますが、何週かすれば大体分かります。ゲーム作者によって素材の一部をカットするなどの加工がされ、素材楽曲の長さとゲーム内で計測される時間が異なる場合もあることに注意。
      • DOVA-SYNDROMEなどの膨大な数の曲が登録されていて、曲の長さによる検索機能が充実しているサイトで特に有効。
      • 他のサイトでは、Senses Circuitなどでも時間による絞り込み機能あり。甘茶の音楽工房では、演奏時間順ソート機能あり。
    • 曲に使われている楽器や、拍子などを聴き取る。
    • 曲の雰囲気を表すのに使われそうな単語をイメージする。楽しい、幻想的、壮大、和風など。音楽素材サイトでは色や季節によって雰囲気ごとに曲を探せる機能があることも多いので、あてはまりそうな分類を重点的に探す。
  • 配布サイト名表記すらない場合
    • 特定はかなり困難です。素材配布サイトのうち規約でクレジット表記を必須にしているサイトは除いて考えられるくらいでしょうか。
      • ただしoo39ドットコムのように、クレジット表記しなくてもよいライセンスを販売しているサイトもある。
    • 同じ作者の他の作品にはクレジット表記がある/何の曲かわかる場合には、同じ方の曲を使っている可能性が高いので重点的に調べるといいでしょう。
  • その他のテクニック
    • 当然ながら、作品の公開日より後に公開された素材は利用されていない。配布サイトで公開年月日が分かる場合は絞り込むことができる。そうでない場合でもたいていの場合は公開日順に並んでいるので参考にはなる。
    • 作者が自身のサイトやSNSでBGMに関する話をしていないかチェックする。
いま思いついたのはこんな感じです。また、古い作品の方が探すのは苦労します。サイト移転などによりクレジット表記がリンク切れになっていたり、楽曲製作者がサイトを閉鎖していたりする確率も上がってしまいます。サイトが閉鎖されていた場合は入手は絶望的なので、欲しい素材がある場合はすぐに調べるに限ります。

さて、私はフリーゲームのBGMを集めることは何度もやってきたわけですが、それらの経験の中でも印象的だった時のことをいくつかお話します。

Ramineさんの「southern cross」

これは、むきりょくかん。さんの「ごがつのそら。(Nscripter版)」のおまけシナリオ終盤で、2人が洞窟を抜け"はちがつのゆき"の地点に到着した時に流れるBGMでした。このソフトで穏やかな曲調なのに壮大な感じがするような曲が大好きで、DLしてじっくり鑑賞したい!となったのですがそう簡単にはいきませんでした。作内の音楽鑑賞モードでほとんどのBGMはクレジット付きで鑑賞できるのですが、なんとこの曲だけはリストになかったのです(作者さんのミス?)。それでもあきらめられない私。いろいろさがしましたが結局分かりませんでした。そんな私が何の曲か突き止めるきっかけになったのはなんと本作の英語版「May Sky」をプレイした時のことでした。なんとDLしたフォルダの中に暗号化されていないNScripterのスクリプトファイルの一部が紛れ込んでいたのです。本来見えちゃいけない情報だろうなあと思いつつ中身を確認すると、BGMを指定するタグなども記入されていることを発見。該当部分を探し出し、曲名が”southerncross"(あるいはそれに類する名前)らしい、というところまでたどり着きました。しかしsouthern crossは一般名詞(南十字星)なので正確な曲名や作曲者を特定するには至らず。そこで当時存在していたインディーズ音楽配信サイト「muzie」で検索して2ページ目くらいに出てきたのがこの曲でした。見つけるのに相当苦労したのでこの時の喜びはかなり大きかったです。ちなみに、このときmuzie検索でトップだった403さんの「Southern Cross」も後にSparebeatというゲームで再会し好きになることになります。arika-projectさんの「こころのアリカ」(Flash作品のため現在はプレイ困難)でも使われていた曲だと気付くのもまだ先の話です。

DOVA-SYNDROME/yukiさんの「いちごホイップ

この記事を書くきっかけにもなったツイートでも例に出した曲です。私がこの曲に出会ったのは、SNさんの「僕が魔法使いに捕まって女の子にされたワケ」のタイトル画面です。この作品は私のツボにドはまりしまして、とにかく爆笑しました。お色気要素の程度もちょうどよく、さらにはキャラクターの設定がしっかりしていてギャグだけでなくシリアスな展開もあり最高だったのですが、残念ながら現在は公開停止になっています。本作をプレイし終わった私は、大満足し、タイトル画面で使われていた可愛らしい曲を探すことにしました。しかし本作のReadMeには配布サイトの名前しかありません。曲名が分からないため探すのに苦労しました。2つ書かれていた配布サイトの中ではDOVA-SYNDROMEが配信曲数で圧倒的に多いため、ここの可能性が高いだろうと踏んでとにかく探しました。ここで役に立ったのがツイートでも紹介した曲の再生時間による絞り込み検索です。タイトル画面でストップウォッチをもって計測し、約1分だったため30秒~1分と1分~1分30秒の2つで検索。さらに、楽しい、可愛い、4拍子、シンセなど条件を変えていろいろ絞り込みます。膨大な数の候補がありましたが、公開年の2016年3月の曲から気合でさかのぼって調べ、およそ2時間かけてyukiさんの「いちごホイップ」にたどり着きました。この時の興奮はなかなかでした。ちなみに、この曲は後にmisosioさんの「お前のスパチャで世界を救え」などの作品にも使われることになるほか、広告動画やYouTuberもよく使う楽曲であるとは当時の私は知りませんでした。

DOVA-SYNDROME/田中芳典さんの「Catharina(カタリナ)/Agnus Dei~Kyrie

この曲は、CHARONさんの「ほろびのゆりかご」という作品をプレイしていて出会った曲です。一日が終わった場面で暗転し、夢の中に入るような感じでこの曲が始まるのですが、合唱経験者の私は即座にこの曲の歌詞が「Agnus Dei. Gloria. Kyrie.」だということに気付きました(ほとんど子音が無いようなコーラスのみなので、そのまま発音してはいないです)。Agnus Dei(アニュス・デイと読みます)というのはラテン語で神の子羊、つまりキリストを指す言葉です(キリスト教徒でもないのに何でこんなこと知っているかというと、合唱の題材として扱われることが多いからです。声楽は教会音楽から発展してきた面が大きいですが、Agnus Deiはまさに教会で歌われるミサの讃歌(平和の讃歌)です。西洋音楽に大きく影響を与えているので合唱経験者はミサ曲について知っている人が多いです)。いきなり神秘的な音色でかつ宗教色が出てきたので、プレイ中の私は「ああ、さっきの選択肢を間違えてこれは主人公が死ぬバッドエンドなんだな」というのを、テキストを送る前に悟りました。
大変印象的だったのでプレイした後、クレジットにDOVA-SYNDROMEの名前があるのを見て「Agnus Dei」で検索すると一発でこの曲が出てきました。ちなみに、Kyrie、Gloriaもそれぞれ日本語では憐れみの讃歌、栄光の讃歌と言われ、ミサ曲を構成する要素です。


さて、このマニアックな記事をここまで読んでくださった方にお勧めの遊びがあります。まずDOVA-SYNDROMEのYouTube公式チャンネルに行って、先月の再生数トップ100などの適当な再生リストをランダム再生します。するとたまに聞き覚えのある曲が流れてくると思いますので、それが一体どのフリーゲームに使われていた曲なのかを当てるという遊びです。YouTubeで上がっているだけあって、フリーゲームよりはYouTuberによる使用例などのほうが多いようで、知っている曲の割合は低かったですが、たまにわかる曲に出会うとテンションが上がります。私の場合、稿屋隆さんの「so sweet」を聞いた瞬間に頭の中がおばけさんの「コメット☆キャンディ」になりました。
ほかの音楽素材配布サイトでもこんな遊びができたらいいんですが、ランダム再生機能があるサイトは全然ないんですよね……。フリーゲームによく使われている印象のあるサイトでこの機能あったらたぶん1日中聴いていられる気がします。


かなり長くなったので今回はこの辺にしておきます。いろいろと語り散らしましたが、まだまだ思い出の曲などあるので、気が向いたら第2弾の記事も書くかもしれません。この記事内で名前を出した作品もそのうち紹介したいですね。

それでは。

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