フリーゲームの森

フリーゲームのレビューブログです。 ノベルゲーム・アドベンチャーゲームを中心にお勧めの作品を紹介します。
初めての方は、ぜひごあいさつをご覧ください。評価の基準については、レビューについてに記してあります。
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1時間前後

こんにちは。今回はアトリエ萌黄さんの「マユとイト」のレビューをしていきたいと思います。

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ジャンル:脱出微ホラーアドベンチャー
プレイ時間:エンディングまで1時間、フルコンプまで1時間半程度
分岐:エンディング5種
ツール:WOLF RPGエディター
リリース:2020/7


ノベルゲームに関する記事が続いていたので、久々の脱出ホラーとなります。と言っても恐怖心をあおる演出は控えめですので、タイトル画面のスクリーンショットを見て虫キモっ!という拒否反応を起こさない方なら問題なくプレイできると思います。

本作のストーリーはいたって王道。ボランティア部の活動で森に行った主人公(名前任意)、シンゴ、ヒエンの3人は出来心から近くにあった洋館に入り、出られなくなってしまいます。不穏なメモやギミックの謎を解き、この洋館から無事に脱出することはできるのでしょうか…。

導入部分だけでなく、主人公らが相対するギミックたちも良い意味で普通といった印象で、理不尽な個所がなくホラーゲーム初心者に勧めやすい作品のように思いました。個々の謎解きの難易度としては取り立てて簡単とは思わないのですが、システム上の工夫やその他の親切な設計により全体としてかなり易しめの難易度に調整されているように感じます。

その工夫というのはまず一つ、メニュー画面からこれまでに入手したヒントを確認可能という点が挙げられるでしょう。謎解き系のゲームの難しさの一つとして、ヒントとなる手がかりを発見してから実際にそれを活かしてギミックを動かすまでに時間が空くことで、それが有効なヒントだと認識する難易度が上がるという点があると思います。手がかりが足りないと思って延々と探索を続けるも新たな手掛かりは当然なく時間が過ぎるのみ…といった経験はよくあると思います。本作においてはヒントとなる事項は一回調べた時点でメニュー画面の「手がかり」に載るので安心してギミックを考えることができるのです。

また、既に謎解きに使用して用済みになった手掛かりについては「解決!」のフラグがつき区別ができるようになります。この点においてもプレイヤーが無駄な試行錯誤に時間を使うのを防止していて親切な作りと言えるでしょう。

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さらには画面右上に「シンゴを探せ」「○○(アイテム)を集めろ」などの行動目標が示されていたり、探索上意味のある場所が光っていたりと探索難易度もかなり下げてくれているように思います。こうしたシステムもあって全体的な本作の難易度は簡単といえると思います。
色々な場所をしつこく調べて自力で手がかりを見つけて難しい謎を解いて…という楽しみを求める方には歯ごたえが足りないと思いますが、ライトユーザーには特にありがたいシステムと言えるでしょう。

あえて難しい個所を挙げるとしたら、マップがやや広めという事くらいでしょうか。ギミックの密度は高くないので部屋数のわりにコンパクトなプレイ時間になっていると思います。


次に良かった点として、グラフィック面を挙げておきたいと思います。
タイトル画面でお分かりのように霧やもやのような演出がたびたび登場したり、暗い館内を懐中電灯を持って探索する様子など、脅かし要素以外の方法でホラーらしき雰囲気を感じられる工夫と思います。びっくりさせる要素はゼロではありませんが激しくないのでやや苦手な方でもプレイできる範囲だと思います。ただし蜘蛛や蛾などの虫が出てくる場面は多いので、虫が苦手な方にはきついと思います。それ以外のグロテスクなグラフィックなどはほぼ登場しません。終盤の1か所でグロいグラフィックが登場しますが、一枚絵があるわけではなくマップ上のドット絵ですのでそこまででもないかなとは思います。

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会話パートはそれほど多くないので登場頻度も低めですが、立ち絵も可愛らしくて口パクするなど凝っていますね。特に途中で登場する館の住人である少女の繭香(まゆか)の登場時には専用BGMもあっていですね(逆にそれ以外のほとんどのシーンでBGMがないのは少し寂しく感じます)。そんな繭香はエンディングの分岐にも深くかかわってきます。
分岐の詳細についてはネタバレになるので伏せますが、分岐はすべて終盤で発生するのでエンディング回収はしやすいでしょう。回収のためのヒントも存在しています。ハッピーエンドはちゃんと後味が良くてきれいなものになっているので是非コンプリートまでプレイしてみてください。

ハッピーエンドに行くために解かなくてはならないギミックは、他の作品でもたびたび見るあの形式となっているのですが、回数ではなく時間で制限がかかっていたりほかのヒントを参照したひねりが加わっていたりと独自性があって面白かったです。このタイプのギミックが苦手な方は自力クリアが難しいかも、という問題はありますが…。
というわけで折り畳みの中にハッピーエンドの答えを書いておきます。必要な方はクリックして読んでください。
クリックで展開(ネタバレあり) 研究室のドアを開く→「なにも見ていない」→「マユカの体調について」→「ここに残る」
選択後、一度実験室から出て再度研究室へ入り、右上から火かき棒を入手
1階食堂の暖炉の中から最後の薬を入手
実験室に戻り調合開始
緑→精製水→紫→白→最後の薬の順で選択

以上、今回は「マユとイト」のご紹介でした。ホラーゲーム初心者にちょうどいい作品だと思います。ハッピーエンドがしっかり後味よくまとまってくれるので、上級者の方はぜひ初見ハッピーエンドに挑戦してみてください。

それでは。

こんにちは。今回はうみのはっぱさんの「クレーマー家業も楽じゃない!」のレビューをお送りします。

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★favo
ジャンル:トンデモギャグ系ラブコメ
プレイ時間:フルコンプまで40分程度
分岐:エンディング6種
ツール:ティラノスクリプト
リリース:2025/9


先週に引き続き、こちらもティラノゲームフェス10でプレイした作品となります。ぶっ飛んだ展開ばかりでわけわかんねーとゲラゲラ笑っていたところ、いつの間にか可愛らしいヒロインに心奪われてしまったので、ぜひ皆さんもこの感覚を味わってみてください。


主人公の九条ユウト(名前変更可)は高校1年生。先祖代々クレーマーとして名をはせた家系に生まれ、一人前のクレーマーになるための修行をすることに。気乗りしないユウトではあったが初めて実戦練習のために店舗に出向いてクレームをつけることになるのだった…

クレーマーがなぜか立派な職業として成立している世界観がまず狂っているのですが、ユウトの感性に関しては普通寄り(と言っても彼の将来の夢はおかしいですが…)のため、イヤイヤクレームを付けさせられるというなかなか見ない状況となっておりそのミスマッチ感がおかしいですね。

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しかしこの時点では私はまだこの作品のボケパワーをなめていたのです。この世界で狂っているのはユウトの家系だけではなかった!
台風ではなくドリアンの接近を警告する天気予報、なぜ持てているか不明なほど巨大なポロシャツ、謎のクイズ出題トナカイ、クリームソーダに浮かぶ樹脂粘土製バニラアイスなどなど、私の常識にはないアンビリバボーな展開の数々がスピーディーに押し寄せ、私の脳内もトルネードスピン、じゃなかった、スペーススピン! まるでテンポの良いコントを見ているかのような感覚で物語が進んでいきます。(といっても、「ドキドキかかとフレンズ」ほど意味不明ではないですよ)

そんなスピード感でクレームの餌食となる店舗へ到着すると、本作のヒロインでもあるバイト店員が独特なテンションで応対してくれます。
アパレルショップで店員をしているのは同級生で赤べこ狂いの福島ヒカリ。ユウトが練りに練ったクレームの設定を聞いても一切動じずにラッキー☆彡と変換してしまえるハイパーポジティブ少女です。
喫茶店に出向いたユウトを出迎えるのは中学の後輩の飯田ツキ。クレーム歓迎というツキはユウトに流れるクレーマーの血をもってしてもツッコめない謎の危険商品を提供してきます。相手がクレーマーじゃなくてもクレーム必至!
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そんな個性的な2人のヒロインですが、私が好きなのはツキのルートでした。ユウトがクレーマーの家系であることを気にしないどころかむしろプラスに捉え、変わり者である自分を受け入れて正面から意見を言ってくれる人という唯一の価値を見出してくれるのです。
ハッピーエンドルートまでストレートで来れば5分程度とかなり短い作品でありながら、ツキがユウトのことを好きである理由、そしてクレーマーにならなくてはいけないというプレッシャーといった要素がしっかりと回収されて気持ちいいエンディングでした。


エンディングは2ルートにそれぞれ3つで計6個。分岐要素も少なめですし、ゲーム内ヒントを読めば完全攻略も書いてあります。バッドエンド時には直前の選択肢に戻るなどの機能もあって大変親切。短編ですしぜひコンプリートまでプレイしていただきたいです。
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と、普通はここで終わるのですが、本作はエンディングを迎えてからが本番と言えるくらいここからが充実しているのです!
まずはエンディングムービー。普通はクレジット表記を流しながら作内の立ち絵やスチルを回想していく…という感じになると思うのですが、本作ではボーカル入りEDテーマにオリジナルのイラスト、そしてED後のちょっとしたショートストーリーが組み込まれており大変豪華。何回も見たくなるエンディングムービーってすごく珍しいんじゃないでしょうか。

それだけに留まらず、本作はおまけ要素が多岐にわたっており本当に見応えがあります。
ヒロインごとにちょっとした前日談やおまけイラストにショートストーリー、ランダム会話、そしてコンプリート後にはエンディング振り返りお疲れさま会。本編に匹敵するくらいのボリュームです。これらはハッピーエンド後の時空になっているので、小ボケを挟みつつラブコメメインで展開する気持ち良さ。本編中に進展した2人との仲を見守っていられるのは幸せです。

おまけ要素が多すぎて、どこにあるのか分からなかったり見逃したりもすると思うので、ここにおまけ要素一覧を書いておきます。
  • タイトル画面>説明書
    • 個別おまけの台詞一覧
    • 左下小ネタ(はじめからで指示通りにすることで6通りのシナリオが読める)
  • タイトル画面>実績
    • ヒロインごとのバッジ取得
    • 右ページおつかれさま会
  • タイトル画面>おまけ
    • エンディング回収ヒント
    • エンディングリスト
    • クレジット表記
    • 各ヒロインごとおまけ
      • ランダム会話
      • 回想ショートストーリー
      • EDムービー再生
      • プロフィール画面
      • ギャラリー(一部のイラストは会話付き)
      • ギャラリー>画面左下ヒロインからの手紙
  • タイトル画面>右上ドリアンケート
  • 画面遷移中ドリアンTips
  • (DL版の場合)フォルダ内同梱おまけに没シナリオ
いや、何だこの物量。恐れ入りました。
1つ1つは軽い感じの内容なので、本編の空気感が気に入ったらぜひこれらも見てみてください。いつの間にかコンプリートしちゃってると思います。

というわけで今回は「クレーマー家業も楽じゃない!」でした。
クレーマーが仕事になる理屈はいまだにわかってませんが、そんなのお構いなしに楽しめる素晴らしい作品です。ぜひプレイしてみてください。

こんにちは。今回は陽乃まなつさんの「友達以上、成仏未満」のレビューとなります。

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ジャンル:学園青春ノベルゲーム
プレイ時間:1周30分、フルコンプまで1時間程度
分岐:エンディング4種
ツール:ティラノスクリプト
リリース:2025/9


先週に引き続き、ノベルゲームコレクションにて見つけた作品です。とはいっても方向性はかなり違っています。「RトR」は15禁かつ尖った展開の作品で人を選ぶかなという印象ですが、本作「友達以上、成仏未満」は丸く優しい雰囲気を感じます。きっと多くの方に楽しんでいただける作品かなと思いますのでご紹介します。


主人公のユウは高校2年生。なんとなく学校帰りに神社に寄ったある日、同じ学校の制服を着たトモリと名乗る少女に出会います。ユウのことを知っている風な彼女は距離感も近く、その日のうちに「だって私たち、友達でしょ」と言い出すありさま。彼女もいなかったユウに突然華やかな笑顔の眩しいトモリという友人が加わり、日常が少し明るくなるのでした…
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本作の冒頭をまとめるとこんな感じでしょうか。いわゆるボーイミーツガールど真ん中といった展開ですが、タイトルが「友達以上、成仏未満」であることを考えれば、彼女は生身の人間ではなさそう、しかも生前にはユウとの間に浅からぬ縁があったという事は容易に想像がつくでしょう。実際、トモリの正体や過去の出来事といった秘密は物語後半で徐々に明らかになっていきます。


この秘密を解き明かすうえで重要な役割を担っているのが、友人キャラであるキョウスケとアイハラです。この2人は最初から事情を把握しているようなのですが、それをユウに押し付けたりせずにタイミングを計りつつ見守ってくれています。ユウが何かを思い出しそうなところでそれを後押ししてくれる、大事な忠告をしてくれる、そんな素晴らしい友人たちも本作の魅力の一つと言っていいでしょう。

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タイトル画面でこちらに微笑むトモリのイラストは大変可愛らしく、立ち絵の表情も眩しいですね。ややマニアックですが、バックログ画面に移った時に後ろでトモリがこちらを見守ってくれている構図が「成仏未満」感があって良いと思います。
背景についてはフリーゲームで見慣れた素材が多数ありますが、淡めの色使いの立ち絵にマッチするように少々加工されている様子で、こういった細かな配慮が嬉しい所です。見慣れた背景であるがゆえに、元画像とのアスペクト比の違いに気付いてしまうので、そこは一つもったいなく感じました。

音楽はオリジナルと素材があるようでどちらも優しい雰囲気に合った曲がセレクトされているように思います。音楽の卵さんの曲は聴いたらなんとなく分かるくらいには好きだし、「届かなかった願い」は過去記事で触れたりもしてますしね。シーンともぴったりです。
曲ごとの音量が合っていないように感じられる部分がありそこは少し気になりました(タイトル画面は無音なのかと思っていたら、よ~く聞いてみるとリストの愛の夢がかかっておりびっくり、といった感じ)


さて、話はシナリオに戻りまして、エンディングへの分岐です。エンディングは計4種あり主に最終章で分岐しますが、それまでの選択肢できちんとフラグを立てておかないといくつかのルートには入れないようになっています。END3へ行くにはユウが自分のことだけでなく周りもきちんと見なくてはならないのが素敵。いい友人はぜひ大切にしたいものですね。

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最終章で明らかになる事実はおおむね私の予想通りではありましたが、その見せ方がうまい。最初は好感度不足かと思ったけれど、結局過去は変えられないんだと分かったあの演出だったり。普通に読み進めていれば「このままトモリと幸せになることはできないんだろうなあ」と容易に予想できるシナリオですが、最後に予想を少しだけ裏切ってくるEND3の展開。衝撃の事実や不可思議な謎を物語の牽引力とするタイプの作品とは違った安心感がそこにあります。なんとなくCreative Blossomsさんのそれと似た雰囲気を感じるんですよね。
また、END3も良いですが、END2に出てくる
「抱きしめても・・・トモリの体はなんの感触もなかった
温かくも冷たくもなく・・・それが今の距離だと言われている気がした」
なんていうセリフも好きです。やっぱりハッピーエンドって、心えぐるバッドエンドとの対比に納得がいったとき十二分の効果を発揮するよなあ。「桜哉」以降私はバッドエンド信者になってしまったのか…?


少し気になる点はあって、ウェイトをかける演出がやや過剰に感じました。特にエンディング回収しようと思って周回することになるとその度に長い演出を見ることになるので余計にそう感じます。スキップ時はウェイトを飛ばせたり、2回目以降クリックで飛ばせたりすると嬉しいです。
あとはタイトル画面でCG閲覧後にタイトルに戻ってはじめからをクリックするとゲームが進行不能になるのは直してほしい所です。


というわけで今回は「友達以上、成仏未満」のレビューでした。
作者の陽乃まなつさんのプロフィールを見ると本作が初作品という事だったのですが、そうとは思えない充実したプレイ体験を得られる作品だと思いますので、ぜひプレイしてみてください。

それでは。

こんにちは。今回はナナメさんの「ドキドキかかとフレンズ」です。

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ジャンル:不条理系ラブコメ(?)
プレイ時間:エンディングまで3分、フルコンプまで1時間半程度
分岐:攻略対象5人(?)、エンディング33種
ツール:ティラノスクリプト
リリース:2025/11


その昔、Flashゲームが流行っていたころ。私的似非ベジタリアンというサイトのゲームが一部界隈の間で話題となっていました。一切脈絡のない意味不明な展開と謎の造語やキャラクター(?)。読者を完全に置き去りにするあのクレイジーさは私の脳裏にもはっきりと焼き付いています。
その代表格が「おいしいコロッケをつくろう!」だったわけですが、Flashのサポート終了後プレイできない状態になっていました(Ruffleとかで頑張ればできた気はしますが)。ところが先月、突然ティラノスクリプト版が発表されるとノベコレにも投稿されていて、大変驚きました。しかもあれから2か月の間にさらに3本の新作が発表されているではありませんか!
本作「ドキドキかかとフレンズ」はそんな新作の1番手。おそらくナナメさんの15年以上ぶりの新作ゲームになるのではないでしょうか。
というわけでナンセンス系の展開に面白みを感じないという方には本作はお勧めできません。逆にあらゆる理不尽な運命を受け入れて心の中でツッコんだり笑い飛ばせる方なら神ゲーとなり得るでしょう。
ちなみに私は旧作Flashの中では「なぜなにどうぶつらんど」とか「大日本昔話」がかなり好きだったりします。YouTubeで動画として公開されているので興味のある方はぜひ見てみてください。
大きな一寸法師が流れてきました。プリンターからみそしるがー


さて、本作のあらすじですが、私の手に余るので公式の紹介文を引用しておきましょう。
少子高齢化で一夜にして
人口が1億人から3人になった
日本でオレのハチャメチャな学園生活が始まる

多様性・学園・恋愛シミュレーションゲーム
ということです。とりあえずギャルゲーであることは分かりました。
それだけ頭に入れて「はじめから」をクリックしていきますと、設定は頭おかしいものの真っ当に学園ラブコメが始まって驚きました(プレイ済みの方の中には、これのどこが真っ当なんだとお思いの方もいるでしょうが、あの本当に意味不明だったFlash作品群と比べたら話の筋が存在している分まともなんです!)。

しかも今回はOPムービー付き! ギャルゲーにありがちなヒロインの紹介とかを含むムービーが流れていくのですが
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はい、来ました! こちらが今回のメインヒロイン、デスかかとちゃんです!
。。。???なんですかこれは?

まあ、これまでに攻略対象がクリーチャーだったり幾何学図形だったりする作品のレビューを書いてきたし、ブログでは扱っていないけれども眼球相手に恋愛したこともあるしこの程度想定範囲だぜ!

しかしナナメさんはこんなもんでは許してくれません。デスかかとと全く同じ見た目の「ひじ」「ひざ」の2人、さらに「くつした」「アメリカ合衆国」の5人とヒロイン多数の賑やかなギャルゲーが始まるのです!
体の部位のようにレイヤーがそろっているならともかく、衣類とか国家が攻略対象として並列されているセンスは並の作者さんには出せないでしょう。


そんなヒロインごとの分岐ルートや即死バッドエンド系、特殊な展開があるルートなど合わせて全33個ものエンディングがあります。ゲーム起動してタイトル画面のエンディングリストを見た時はその個数に圧倒されました。エンディングタイトルだけ見ても一切展開が予測できない、対ネタバレ最強性能を誇る本作なのでエンディングフルオープンした私のスクリーンショットを載せちゃいます。
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圧巻の24エンディング、しかも次のページにも9つあります。
これを回収するのは見た目の印象より苦労すると思います。コメディでのバッドエンドは一発分岐が基本ですが、本作では特定のフラグを立てておかないと進行しないルートが複数存在しているのです。
私が最後まで回収に迷ったルートでは、アメリカ合衆国が分岐の鍵を握っていました。

さらに上のスクリーンショットをよく見ると24あるサムネイルのうち3つだけにヒロイン立ち絵がついていることに気づくでしょう。そう、本作にはハッピーエンドが存在しているのです!
いくらコロッケを作ろうと頑張っても、メンチができたりカレー談義をしたりしかできなかったあの頃と違い、ヒロインと結ばれることができるというのがかなり衝撃的でした。

とこのように、ギャルゲーとしての形を保っているという意味で真っ当であるというのが先述した真っ当という評価の意図です。
しかしナナメさんらしいぶっ飛び具合の分量も決して減っていません。むしろ尺と分岐が増えた分「コロッケ」よりもトンチキな展開はボリュームを増しています。トンデモ展開8割+ギャルゲーとしてのフォーマット2割(謎にしっかりしている分岐フラグ含む)という形で本作はできているといっていいでしょう。
トンデモ展開についてはここで説明できるものではないし直接ご覧いただくのが一番かと思いますが、例はいくつか挙げておきましょう。ノーベル賞を1000個獲ったり地球の中心にテレポートしたりアラスカを食べたり人権を失ったりヒント機能の代償に片腕を失ったり池の水を飲み干したり……もう十分でしょうか?


というわけで本作のレビューは以上になります。正直令和の時代になってナナメさんの新作を楽しむことができるとは大変びっくりです。こうしてブログに記事も書いてしまいました。
エンディング回収度の確認やセーブ可能などFlashに比べてプレイしやすさも向上していますので、ぜひこの「何も分からなさ」を気軽に体感してみてください。
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それでは。

こんにちは。今回はDominion's Restさんの「丸投げクエスト」です。

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★favo
ジャンル:パーティー選抜パズルアドベンチャー
プレイ時間:1プレイ3分程度、クリアまで1時間~、フルコンプ目指すなら3時間~
ツール:Flash(ブラウザゲーム)
分岐:多数。バッドエンド35種
リリース:2010/9初公開



私が子供のころから好きだったサイト、Dominion's Restさんの傑作「丸投げクエスト」なのですが、Flashの終了に伴い公開終了になっていました。ところが先日Ruffleによって息を吹き返し再公開となったので久々にフルコンプまで遊びつくしました。やはり試行錯誤の面白さとおとぼけストーリーの愉快さが素晴らしい作品でしたのでブログでご紹介します。



物語の舞台となる王国には百年に一度復活する魔王の危機が迫っています。そこで魔王討伐のために人材を募り少数精鋭の討伐隊を組織することになりました。志願者は合計30人。持っているスキルやステータス、性格もバラバラな彼らの中から相性のいい5人を選んで討伐隊を送り込んでいきます。彼らを待ち受けるのは魔王場への厳しい道のりと敵、そしてトラップ。それらを無事乗り越え魔王討伐を成功させることはできるのか…?


魔王討伐の旅に出るというのはRPGの最もオーソドックスなストーリーでしょう。道中の戦闘で魔物を倒してレベルアップしていき、選り抜きの仲間を集めてバランスの良いパーティーを組み、時にはお金稼ぎや経験値稼ぎをしながら優秀な装備を収集し、最後にラスボスに挑むという流れです。これらの要素が上手く絡まりあってRPGとしての楽しさを生み出していると思うのですが、本作はこのRPGのうちパーティー編成に特化した作品となっています。


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本作においてプレイヤーができることは30人の勇者候補から5人を選んでパーティーを組ませ、討伐ルートと支給品を与えてお城から旅立っていく彼らを見送ることのみ。道中のトラブルや戦闘の様子は伝えてくれるものの一切口出しすることはできません。
普通に考えたら制限が多すぎてつまらないようですが、しかしこれが面白い。戦闘方針に口を出せないため、討伐の成否はステータスが100パーセント握ります。このパラメータを指定の値以上にしたうえで特定のスキルを持つものをパーティーに含め、こいつとこいつは仲が悪いから一緒には選べない……などと多数の条件が絡まりあい、論理パズルのような戦略性を生み出しています。

終盤のトラップをかいくぐるために上級魔法スキル持ちが欲しいけどそうすると支給品はローブがほぼ必須、すると素のステータスが補強できないから各種パラメータ高めのメンバーを選抜して…しかし意外とこういうやつらが方向音痴だったり堅物だったりでメンバーの調整に苦労する…など考えつくして選んだパーティーがあまた存在する脱落ポイントを狙い通り回避して戦闘面でも魔王を打倒してくれるとその達成感はなかなかです。


また、パーティーメンバー5人を選んだあとは、2種類ある魔王城攻略ルートと10種類ある支給品を1つずつ選びます。2つのルートはどちらにも異なる困難が待ち受けます。片方のルートにしか適性のないメンバーも何人も。そして支給品はパラメータの補強やその他特殊効果をもたらしてくれます。どちらも最初は1つしか選べず、魔王討伐隊を何度も結成して特定のイベントにたどり着いたりスキルを発動させたりすることで選択肢を増やしていけます。この意味でやり込み要素もたっぷりなんですよね。

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あれやこれや考えながらパーティー・ルート・支給品を組んだ後はすぐに結果が見られます。最初のうちは魔王城にたどり着く前に喧嘩したり道に迷ったりで討伐断念してばっかりでしょう。うんざりするほどしょうもない理由で討伐を断念してくる彼らですが、とぼけた語り口で彼らの失態を眺めるのも地味に面白い。討伐失敗の理由はなんと35種類もあり、収集要素としてもやりがいがあります。あるキャラクターの特性がそのバッドエンドでしか明らかにならないというパターンも多数あるため、クリアするための戦略を練るのと同様に特定のバッドエンドを見るために条件を考えるのも面白いんです。ずっと昔に紹介したEYEZMAZEさんの傑作GROW CUBEと似た魅力がそこにあります。

バッドエンドのコンプリートはノーヒントでは困難を極めると思いますが、1つ見たら次のバッドエンドのヒントが見られるため、全くの手探りにはならないのもうまい。こうしたら行けるか?という仮説がぎりぎり立つようなバランス感覚でプレイヤーの好奇心を刺激してくれます。


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30人いるメンバーはどれもこれも一癖強く、ステータスが高いと思ったら何らかの厄介な性質を抱えているし、攻撃力が高いと思ったら運が悪すぎるし、コイツ何なんだよと思っていたヤツが意外な場面でスキルを発揮したりと毎回思いもよらない物語を生み出してくれるので全然飽きません。
実は以前までエンディングコンプリートはしていなかった私なのですが、今回再公開されたのが嬉しくてバッドエンドコンプリートと全討伐隊員による討伐成功までやり込みました。そうして迎えるエンディングはしりとりクエストシリーズ本編の物語を補完してくれるため、またシリーズの他作品へのモチベーションもくれます。この丸投げクエストから派生した外伝作品もいくつも公開されているので是非そちらもプレイしてみてください。ノベルゲーム・特にミステリー好きの方なら「丸投げクエスト外伝 プレシャス・メアリー 」は刺さると思いますし、他にも多数の作品が再公開されています。個人的には丸投げクエストと並ぶDominion's Restの傑作「しりとりクエスト外伝4・もりもり鉱山の一番長い日」も復活したら嬉しいですね。


というわけで今回はDominion's Restさんの「丸投げクエスト」でした。
試行錯誤の楽しみ、コンプ欲を掻き立ててくれる収集要素、そして本編につながる物語。どれも素晴らしい作品です。ぜひプレイしてみてください。

それでは。

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